なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

レコード・コレクターズ 2017年2月号

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●【特集】リイシュー・アルバム・ベスト10
★パンク/ニュー・ウェイヴ部門
今年も選ばせてもらいました。


●書評『戸川純全歌詞解説集』


●ニュー・アルバム・ピックアップ
メタリカ『ハードワイアード』


●リイシュー・アルバム・ガイド
MISFITS『Last Caress Live In Detroit 1983 FM Broadcast』
★MISFITS『Last Caress : Live In Detroit 1983 FM Broadcast』(RADIO.X RXXX1983CD)CD


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Bib『Bib(Demo)』

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米国ネブラスカ州のハードコア・パンク・バンドの6曲入り。
正式なデビュー7”EPも先月ぐらいには日本にも入ってきているが(まだ未入手)、
今回は2015年のデモ・テープを7”EP化したレコードを紹介する。


クラストとかアナーコとかそういう細かいジャンル名を必要としない猛烈ハードコア・パンクである。
緩急の使い方が上手く、
ちょいBAD BRAINSのHRを思い出すヴォーカルもなかなか破天荒でよろしい。
SSDやDYSやSIEGEあたりの初期ボストン・ハードコアが渾然一体になったような、
灼熱のミディアム~スロー・テンポのパートも燃える。

デモ・レコーディングだが、
やはりデモCD-Rではなくデモ・テープの音質で、
適度にこもっているところもプラスに働いている。
混沌が渦巻き、
狭いスタジオ・ライヴで圧迫されている気分にもなる。


先ごろの米国大統領選挙で興味深かった一つが、
トランプが選挙人を獲得した州には
昔からパンク/ハードコアが盛んなことで知られる州がほとんどないことだ。
このBibが拠点にするネブラスカ州も含めて米国中部はトランプの独占状態で、
クリントンが勝った州は海沿いの州が大半だった。
カリフォルニアやニューヨークなどの日本によく情報が伝わってくる“洗練された地域”ではなく、
トランプ支持者が多い田舎こそがアメリカの肝ってことがよくわかった。

そんな土地から産まれたBib。
たとえポリティカリー・コレクト連中に差別用語と言われようが、
“土人”とか“混血”とかいう原始の言葉が似合うモノほど強力ってことをあらためて思い知らされる。
たのもしい蛮族の一枚。


★Bib『Bib(Demo)』(DERANGED DY292)7”EP
インナー封入。


2016年ベスト・セレクション

<新録アルバム ベスト20>
(アーティストのアルファベット順。カタログ・ナンバー等は僕が所持する盤。[]内は原則としてアーティストの出身国)
The POP GROUP Honeymoon-On-Mars
ADMIRAL SIR CLOUDESLEY SHOVELL『Keep It Greasy!』(RISE ABOVE RISECD205)CD[英国]
BLACK STONE CHERRY『Kentucky』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-17142)CD[米国]
BLACK TUSK『Pillars Of Ash』(RELAPSE RR7294)CD[米国]
BLOOD CEREMONY『Lord Of Misrule』(RISE ABOVE RISECD197)CD[カナダ]
★CANDIRIA『While They Were Sleeping』(METAL BLADE 3984-15469-2)CD[米国]
CHURCH OF MISERY『And Then There Were None...』(RISE ABOVE RISECD196)CD[日本]
COUGH『Still They Pray』(RELAPSE RR7328)CD[米国]
DARKTHRONE『Arctic Thunder』(PEACEVILLE CDVILEF568)CD[ノルウェー]
ETERNAL ELYSIUM『Resonance Of Shadows』(CORNUCOPIA CRCD-006)CD[日本]
GEWALTBEREIT『Ein Leben Lang Verreckt』(ABFALL A.R.06)LP[ドイツ]

GOJIRA『Magma』(ROADRUNNER 1686-174792)CD[フランス]
GRAND MAGUS『Sword Songs』(NUCLEAR BLAST 3660-2)CD[スウェーデン]
The GEROGERIGEGEGE『 Moenai Hai(燃えない灰)』(ESKIMO CD-03)CD[日本]
橋本孝之『Signal』(NOMART EDITIONS NOMART-111)CD[日本]
KILLSWITCH ENGAGE『Incarnate』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-17105)CD[米国]
KVELERTAK『Nattesferd』(ROADRUNNER 1686-174832)CD[ノルウェー]
OATHBREAKER『Rheia』(デイメア・レコーディングス DYMC-271)CD[ベルギー]
The POP GROUP『Honeymoon On Mars』(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント VICP-65423)CD[英国]
SOURVEIN『Aquatic Occult』(METAL BLADE 3984-15448-2)CD[米国]
WHITE LUNG『PARADISE』(DOMINO WIGCD373)CD[カナダ]


<ライヴ ベスト15>(観た順。[]内は原則としてアーティストの出身国)
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★真野恵里菜[日本] at Zepp DiverCity 1月17日(夜の部)
LUCIFER[ドイツ+英国+スウェーデン] at 渋谷クアトロ 2月17日
DATSUNS[ニュージーランド] at 渋谷クアトロ 3月30日
★WINERY DOGS[米国] at 東京ドームシティホール 4月20日
The HARDY ROCKS[日本] at 高円寺HIGH 4月28日
★SEKIEN[日本] at 新大久保EARTHDOM 5月4日
MoE[ノルウェー] at 東高円寺二万電圧 5月6日
BIRUSHANAH[日本] at 東高円寺二万電圧 5月6日
NEPENTHES[日本] at 新代田FEVER 7月18日
.es[日本] at 近江八幡サケデリック・スペース酒游舘 7月30日
MELT-BANANA[日本] at 渋谷クアトロ 9月5日
★NAPALM DEATH[英国] at 渋谷クアトロ 9月5日
OLEDICKFOGGY[日本] at 渋谷O-EAST 10月1日
SITHTER[日本] at 東高円寺二万電圧 11月25日
REDSHEER[日本] at 東高円寺二万電圧 12月11日


<映画 ベスト15>(観た順。原則として日本初公開作品のみ。[]内は製作国)
AMY M
↑の画像は『AMY エイミー』©Rex Features
『火の山のマリア』[グアテマラ、フランス]
『エスコバル/楽園の掟』[フランス、スペイン、ベルギー、パナマ]
★『シリア・モナムール』[シリア、フランス]
『レジェンド 狂気の美学』[英国]
『シアター・プノンペン』[カンボジア]
『AMY エイミー』[英国、米国]
『クワイ河に虹をかけた男』[日本]
★『太陽のめざめ』[フランス]
『イレブン・ミニッツ』[ポーランド、アイルランド]
★『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』[日本]
『ちょき』[日本]
『貌斬り KAOKIRI〜戯曲「スタニスラフスキー探偵団」より』[日本]
★『ニーゼと光のアトリエ』[ブラジル]
★『ルージャ/薔薇』[ポーランド
★『最後の家族』[ポーランド


2016年もたくさんの方々の御来場ありがとうございました。
2017年もよろしくお願いします。
がんばります。


SPIKE SHOES『Spectriddim』

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93年から仙台拠点に活動を続ける5人組のパンク・バンドが
自分たちのレーベルから約3年ぶりに出した5作目のアルバム。

“SDC(Sendai City)ハイブリッドHCサウンド・システム”、
“ラガ・スラッシュ・イン・ユア・フェイス”、
“パンク・ハードコア・ダブ・ロック”と自称しているフレーズがピッタリのサウンドだ。
2人のギタリストを擁する編成を強みにし、
ハードコア・パンクを基本にしつつ今回はさらにどこまでも広がっていく多彩な曲で攻める。


どの曲も“王道”から外れた混血ハイブリッド感覚に胸がすく。
気合の入ったメロディック・ハードコア・パンク(notメロコア)で勢い止まらずに走る曲でも、
くねるリズムとグルーヴ込みで持っていかれる。
ハードコア・パンク+レゲエwithファンクやドゥーム・ロック/スラッジコア+ダブといった曲でも、
2分ちょいの曲の中に数曲分のアイデアを詰め込み・・・いや溶かしこんでいる。
1曲の中で“場面転換”するにしても奇をてらったふうに聞こえず、
わざとらしくも取って付けたサウンドではない。
ギターのメロディの浮かび上がらせ方iにも嫌味がない。

色々なジャンルを混ぜてはいるが、
“つぎはぎ感”がないのは加速度をキープするドラムをはじめとして音楽センスも大きいが、
何より気持ちにブレがなく地に足が着いているからである。
あざとさを感じないし器用貧乏に陥ってないし
すべてが天然ナチュラル・ブレンドだ。


甲高い声も濁声も“ラガマフィン歌唱”も意識の流れのように放つヴォーカルも自然体だし、
ありのままだ。
日本語と英語を組み合わせた歌詞は曲によってどちらかの言語オンリーになるが、
日本語の比重が高いとはいえ多かれ少なかれ日本で暮らす人は日常生活で自然と両方使っているではないか。

歌詞の視野も広い。
オープニング・ナンバー「SLAM DOWN YOUR GABEL」の“マジョリティのクズとマイノリティのカス”と、
澄みわたったまったり歌もの日本語エモーショナル・パンク・ロック!(not EMO)のラスト・ナンバー「AWAKE」の
“俺は俺の朝を始めたい”というフレーズが特に好きだ。
こういった言葉が躍動の音とまぐわって命のグルーヴを生み出している。


一秒で場の空気が変わる音像で奥行きのある音の仕上げも特筆したい。
他の楽器に埋もれることなく各パートがしっかり聞こえてくるミックスで、
わざとらしいノイズでごまかすことなく正々堂々と勝負している。


個人的には音楽で楽しむことがますますなくなっている昨今、
このアルバムで久しぶりに音楽で楽しんだ。
気持ちいい刺激ももらえて頭の風通しも良くしてくれる。
約35分10曲入りながらいい意味で長く感じる濃いアルバムであり、
旅をしている気分になるナイス!なパンク・アルバムだ。


★SPIKE SHOES『Spectriddim』(TINY AXE TAXE-0002)CD
歌詞が載った12ページのブックレット封入の三面デジパック仕様。


レコード・コレクターズ 2017年1月号

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●『GARAGE ROCKIN' CRAZE』映画評


●ニュー・アルバム・ピックアップ
★イギー・ポップ『ポスト・ポップ・ディプレッション』


●リイシュー・アルバム・ガイド
★サミー・ヘイガー
・『ナイン・オン・ア・テン・スケール+1』
・『サミー・ヘイガー+2』
・『ミュージカル・チェアーズ+1』
・『オール・ナイト・ロング+1』
・『ストリート・マシーン+2』
・『バイオレンスの逆襲+1』
★ミック・ロンソン
・『十番街の殺人』
・『ギターでぶっとばせ』
★ソウル・アサイラム『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ソウル・アサイラム』

Dow Jones and The INDUSTRIALS
★Dow Jones and The INDUSTRIALS『Can't Stand The Midwest 1979-1981』(FAMILY VINEYARD FV72)CD


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プロフィール

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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