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なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ミュージック・マガジン 2023年6月号

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●Front Line
プロトマーター(PROTOMARTYR)の紹介原稿。


●アルバム・ピックアップ
★RANCID『Tomorrow Never Comes』
METALLICA『72 Seasons』


●輸入盤紹介
Katsura Yamauchi
★Katsura Yamauchi『MORI』(Jvtlandt JVT0022)CD


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レコード・コレクターズ 2023年6月号

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5月15日(月)発売。


●リイシュー・アルバム・ガイド
あぶらだこ『ADK』
★ヤードバーズ『ライヴ・イン・スウェーデン1967』
★エラスティック・バンド『エクスパンションズ・オン・ライフ』
★アンドルー・リー『マジシャン』
★ヴァレンシュタイン『ブリッツクリーク』

VOIVOD box
VOIVOD『Forgotten In Space』(Noise/BMG NOISECDBOX106)5CD+DVD


sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamoto『Multiplication』

WAMEI YAMAMOTO


“Utsunomia MIX 03”は、
sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamotoの『Multiplication』。
saraが昨年11月に、
Wamei、山本精一と別々に、
張 騰遠 チャン テンユァン個展 “Multiplication” 会場で行なったライヴCDだ。
様々な“技師”としても引っ張りだこの宇都宮泰が録音とマスタリングを行なっている。


前半はsaraとWameiのコラボレーション・ライヴ・パフォーマンス。
saraはピアノがメイン、
Wameiはハーディ・ガーディとエレクトロニクスをプレイしている。
全体的に優雅に走るピアノがリードしているように聞こえるが、
二人の波状ブレンドがゆっくりと織り成され、
インプロヴィゼイションと思われる中でドラマチックな流れができあがっている。
磁場の強い音像と空気の震えの響きも聴きどころだ。

後半はsaraと山本のがっぷり四つ!である。
オープニングは、
山本のアコースティック・ギターとsaraのパーカッションが探り合っているように聞こえる。
山本もところによってはパーカッションを演奏しているようだが、
山本のエレクトリック・ギターとsaraのピアノは相性抜群のガチンコ勝負だ。
ロバート・フリップが“ジャズ・エモくなった”みたいな自由形の流麗なギターがピアノに絡む様が、
得体の知れないほどエロチックな佇まいを呈しているのだ。
ギターだからこそできるパーカッシヴな強度とリズムの狂おしい音で、
颯爽としたピアノにサディスティックなほどの“イタズラ”を繰り返す。
いわゆるノイズ・ギターではないギター・ソロで次々と突きささるメロディを繰り出す山本、
さすが“千両役者”である。
もちろんsaraも気丈な強気の演奏で迎え撃ち、まもなく融合。
緊張感途切れず、静かなパートにも息を呑む。
もっと聴きたい!と思わせる30分弱の尺に収めたからこそ濃縮されているとも思える名演であり、
皮膚で聴く感覚の音の仕上がりも素晴らしい。


★sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamoto『Multiplication』(Nomart Editions NOMART-123)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂本葉子と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った8ページのブックレットと、
宇都宮の録音等に関する文章が載ったインサート
(sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』封入ものと同内容)封入の、
ソフト・プラケース仕様の約63分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)


なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納されたパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。

単体でも、まとめてでも、
Nomart Editions作品ならではのパッケージ全体でのアート性も特筆したい好企画だ。

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sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』

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“Utsunomia MIX 02”は、
sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』。
saraが昨年10月に、
目下静岡県を拠点に活動する草深公秀のユニットのK2とコラボレーションし、
黒宮菜菜個展“鳥を抱いて船に乗る”会場で行なったライヴCDだ。
宇都宮泰が録音とマスタリングを行なっている。


saraは故橋本孝之と演奏していた時代の.esでK2と合体した『Blackhole』(2016年)も作っている。
ノイズ・イメージも強い草深のモデュラー・シンセサイザー&ディレイにsaraのピアノが負けないか
心配でもあった。
だがそれはまったくの杞憂であった。

ダブっぽい音から始まるが、
飛び道具のような断続的な音出しはこのCDのK2の特徴の一つにも思えるし、
轟音とは一線を画す地鳴りみたいな音で慎ましやかに“遠景”を演出している。
saraはパーカッションを交えながらクラシカルなピアノをメインにそこを加速。
K2の音は朴訥としたパートも多いが、
saraの奔放なピアノに煽られるとノイズ・ミュージックの波状攻撃も。
2人の音の静かなリズミカル・ブレンドとさりげなく醸し出されている音の厚みも聴きどころだ。


★sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』(Nomart Editions NOMART-122)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂口卓也と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った8ページのブックレットと、
宇都宮の録音等に関する文章が載ったインサート封入の、
ソフト・プラケース仕様の約54分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)


なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納されたパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。

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sara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawa『Pumice』

ピアノ演奏で知られるsara (.es)が4人の音楽家別々とコラボレーションした昨秋のライヴを、
多方面活躍中の宇都宮泰がマスタリング等を手掛けたCD「Utsunomia MIX」シリーズが
3部作でリリースとなる。
ライヴ会場はすべて彼女が“フランチャイズ”とする大阪のギャラリーノマルだ。

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5月10日(水)に3枚別々とセットで同時発売されるが、
そのうちの“Utsunomia MIX 01”がsara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawaの『Pumice』。
昨年9月にsaraが榎忠個展 “Pumice” 会場で行なった、
INCAPACITANTS非常階段での活動で知られる美川俊治とのライヴを収めたCDである。

saraは故橋本孝之と演奏していた時代の.esで
美川との合体CD『September 2012』も出したとはいえ、
超爆音ノイズ・イメージの美川のエレクトロニクスにsaraのピアノが負けないか
音量的に心配でもあった。
だがそれはまったくの杞憂であった。


クラウス・シュルツェを思い出す繊細な電子音から始まり、
まもなく背後からピアノが聞こえてくる。
美川はエレクトロニクス駆使していわゆる楽器みたいな音も繰り出し、
悲鳴のようなサックスっぽい音も聞こえてくるし、
狂おしいエレクトリック・ギター・ソロっぽい音も聞こえてくる。
saraはパーカッションも演奏しているが、
メイン楽器のピアノで美川のラウドな音に拮抗。
時にピアノがノイズと渡り合い、
時にノイズがピアノに食らいつく。

ここから聞こえてくるのは単なる音ではなく交感だ。
華麗な佇まいでアグレッシヴに攻めるピアノと、
生き物の声にしか聞こえないエレクトロニクスが矢継ぎ早。
いつにも増して熱くダイナミックな二人のせめぎあうスリリングな加速度に目が覚める。

ちなみに今回の「Utsunomia MIX」シリーズの中でこのCDだけ宇都宮が録音を担当してない。
だが、むろんまったく問題ない、
ギャラリーノマルから預かった3つの録音ソース(旧来の録音機材の録音とビデオ音声)を
新しい同期システムで統合し、
想像力を駆使してライブ空間を復元したのである。
言うまでもなくマスタリングを行なったのも宇都宮。
ピアノの手の動きや指さばきも見えてくる音の仕上がりで、
美川が放射する音が四方八方から聞こえてくる立体感も抜群である。

カッコいい一枚。
グレイト。

★sara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawa『Pumice』(Nomart Editions NOMART-121)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂口卓也と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った
8ページのライナー封入の、ソフト・プラケース仕様の約51分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)


なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納された↓のパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。
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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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