なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

『洋楽ロック&ポップス・アルバム名鑑 vol.3 1978-1985』(本)

洋楽ロックポップス・アルバム3


レコード・コレクターズ誌増刊として出た『洋楽ロック&ポップス・アルバム名鑑』の第三弾。
計48タイトルのアルバムを書かせてもらいました。


今回も米英のナショナル・チャート上位に入ったヒット・アルバムがほとんどを占めるテーマの本だが、
リアル・タイムで聴いたアルバムがほとんどなかったvol.1vol.2とは違い、
個人的に今回はリアル・タイムで聴いたものが多かっただけに色々とはせる思いがあった。
やっぱりリリースと同時代に体験しているものは後追いのものと違い、
あらためて聴くにしても当時の自分の気持ちや色々な状況をダブらせて楽しめ、
普段あまり抱かない懐かしい気分にも浸った。
とはいえロックだけでなくヒットしたポピュラー・ミュージック作すべてを含むため、
ページをめくっていくと結局この本に載っているアルバム自体は聴いたことがないものが多かった。
とはいえ、
当時かじりついたラジオから流れ続けて嫌でも覚えたシングル曲だけは聴き馴染んだアーティストも多い。

自分が書いたアルバムを今回聴き続けてあらためて気づいた。
特に80年代前半の米国のヒット・アルバムは“糖分脂肪採りすぎ”で“カロリー過多”の音が目立ち、
こういうのばかり浴びていると“全身の胃がもたれる”ほどで“脳ミソがメタボ必至”と思った。

この時代のパンク云々の観点で見ると、
英国のパンクはまだ当時ヒットした自国のアーティストとリンクする部分が多少ある。
といっても、
多少ナショナル・チャートに食い込んだアルバムもあったにせよ
80年代にレコード・デビューしたパンク・バンドはチャート上位には入らなかったため一つも載ってない。
70年代デビュー組もSEX PISTOLS、CLASH、DAMNED、JAM、STRANGLERSのみの収録で、
彼らがなぜ“(英国)5大パンク・バンド”と呼ばれてしまっているかを客観的な事実で突きつける。
かたや当時の米国のパンクは自国のヒット・アルバムと接点がほとんどなく、
この本に載っているパンク・ロック・アルバムはRAMONESの『End Of The Century』一枚だけで、
洗練メイン・ストリーム・ロックの反動でUSハードコア/地下ロックが生れたことが納得もできる。

もちろんジャケット写真はオールカラーでしっかりした印刷で仕上げられているから
ページをパラパラめくって眺めているだけでも当時の匂いが香ってくる重み十分の本だ。


このシリーズは今回でひとまず終了とのことだが、
この後の混乱の時代の本も見てみたくなる。


★『洋楽ロック&ポップス・アルバム名鑑 VOL3 1978-1985』
湯浅学監修
定価2400円(本体2222円)
A5判312ページ


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コメント

レコードは'85までで終了

自分も行川さんより少し年下ですがこの世代なので昔を懐かしんで読みました。載っている中では5大パンクのLPのみ買っていました。後書きにこのシリーズ終了の理由も載っていて納得しました。

Re: レコードは'85までで終了

余分三兄弟+さん、書き込みありがとうございます。
やっぱりリアル・タイムのものはじっくり見てしまいますね。
ここいらのある種脳天気な音楽を聴くとお菓子を食べているようなしあわせ気分に浸れます。それが音楽の基本じゃないか!と言われればそれまでですが、そうじゃない音楽も世界中の地下で湧き始めていた時代ですね。

素晴らしい本

行川さんの担当された記事ではないのですが、湯浅氏のニューウェーブの始まりから広がりまでの所の解説の所が勉強になりました。素晴らしい本を紹介して頂きありがとうございます。

Re: 素晴らしい本

余分三兄弟+さん、書きこみありがとうございます。
米英のメインストリームのポピュラー・ミュージック・シーンにパンク/ニューウェイヴがいかに大きく影響したかがわかりますね。ソウル・ミュージックもヘヴィ・メタルも含めてです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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