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なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

COCOBAT『QUATRO‘D’EP』短冊8cmCD

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Berryz工房と℃-uteのカヴァーを含む東京拠点のCOCOBATの4曲入り。
カヴァーは2曲共つんく作詞・作曲で、
長方形のいわゆる短冊ジャケットの8cm(≒3インチ)サイズのCDだ。

今もモーニング娘。を擁し、
Berryz工房と℃-uteの所属事務所だったハロー!プロジェクト(通称ハロプロ)の
25周年を祝した作品とのこと。
その企画盤が“ハロー”つながりで、
HELLO FROM THE GUTTERがリリースするのも必然である。

個人的は、
今でも“マノフレ”だから
今回カヴァーした両グループとも同じ事務所だった真野恵里菜“経由”で馴染みがあるし、
1992年のアルバム・デビュー時からのCOCOBATファンとしてはたまらない。
客観的に見ても痛快な一枚と言い切れる。


基本的に文化系の“坂道グループ”とは一味違い、
基本的にいい意味で体育会系のハロプロだから
COCOBATにフィットするのは当然だ。
アイドルの曲以前に“ポピュラー・ミュージック”としてグッド・ソングの2曲だけに、
COCOBATと共振。
極初期に披露したKING CRIMSONの「21st Century Schizoid Man」を皮切りに、
カヴァー・アレンジにも定評のあるCOCOBATだけに、
むろん間違いない。
誤解を恐れずに言えば、
ハロプロならではのある種のナンセンス感もCOCOBATに通じている。

1曲目のBerryz工房の名曲カヴァー「雄叫びボーイ WAO!」は、
原曲の“リフ”とグルーヴ感がCOCOBATにジャストでハマりすぎ。
闘いもテーマの曲で、
ギター・ソロもバッチリでヒデキの歌いっぷりも見事だ。

2曲目の℃-uteのカヴァー「まっさらブルージーンズ」は、
ドラムとベースとヴォイス(≠ヴォーカル)だけのミニマル&ミニマムな作りで
曲の要所のみを1分弱でカヴァーしたユニークな仕上がり。
これまたCOCOBATならではのセンスである。
僕も知らない曲だから調べたらデビュー・シングルらしく、
この曲のカヴァーを提案したかなりのマニアが関係者にいると思われる。

3曲目は「DROP DEAD(Daisawa Ver)」で、
4曲目は「DIAMOND DUST (Daisawa Ver)」。
バンマスのTake-Shit(b)が好きな1990年代半ばのNAPALM DEATH
(『Fear, Emptiness, Despair』『Diatribes』の頃)も頭がよぎるグルーヴ感に貫かれている。
ツイン・ギター編成みたいな感じで作られたギター・レコーディングもクールだし、
気合のコーラスも変拍子もバッチリのドラマチックな曲だ。

オススメ。


★COCOBAT『QUATRO‘D’EP』(HELLO FROM THE GUTTER HFTG-119)3”CD
オリジナル曲の歌詞付。


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VOIVOD『Morgoth Tales』

VOIVOD『Morgoth Tales』


カナダの異形のプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンド、
VOIVODによる結成40周年記念盤。
10作目『Voivod』(2003年)までの9曲を再録音し、
新曲等を加えたアルバムだ。
一種の企画盤だが、
もちろんたっぷり楽しめる。
90年代後半のメンバーだったエリック“E-フォース”フォレストと、
METALLICA脱退後に加入したジェイソン“ジェイソニック”ニューステッドの参加も話題だ。

ファーストと8作目の曲はないが、
極初期のデモの曲をやっているし、
過去の曲名が歌詞を彩るニュー・ソングのアルバム・タイトル曲もクールだ。
渋めの選曲ながら、
DISCHARGEとKING CRIMSONから同時に影響を受けたかのようなスラッシュ・メタルが中心で、
近未来アレンジも冴えわたる。

オリジナル・ヴァージョンよりタイトな音でくっきりした作りだから、
変態性が魅力のVOIVODの楽曲テクスチャーがよくわかる仕上がりだ。
やさしげな表情とワイルドな佇まいで突き放したトーンのヴォーカルも、
伝統的なヘヴィ・メタルとは一味違う。
ポスト・パンクにも近いクールなヴォーカルだ。

というわけで、
PUBLIC IMAGE LTD.(PiL)の「Home」のカヴァー(ボーナス・トラック)である。
アウェイ(ds)がPiLのTシャツを着ている写真を公開していることを知れば納得だが、
PiLの分岐点になった1986年の“メタル・アルバム”『Album』の曲をピックアップしたセンス、
さすがである。
『Album』が80年代後半以降のモダンなメタル感覚に影響を及ぼしていることも知らしめる、
実に見事な好ヴァージョンだ。

日本盤CDはさらに、
「ウルトラマンの歌」(オープニング)、「ウルトラマンの勝利」、「ウルトラマンの歌」(エンディング)も追加。
昨年12”EPで発表されたレコードに収めた曲の中から日本語ヴァージョンをピックアップしているが、
きちっとした日本語の歌唱がまたたまらない。
VOIVODとウルトラマンの世界観が近いからこそハマった好カヴァーである。


★ヴォイヴォド『モルゴス・テイルズ』(ソニー・ミュージックエンタテインメント SICP 6520)CD
24ページのオリジナル・ブックレットと、
メンバーの発言を織り込んだライナー+本編の歌詞の和訳が載った16ページの日本版ブックレット封入。


COCOBAT『Devil's Rondo』

COCOBAT.png


結成31年目に突入した東京拠点のCOCOBATの新作。

単独作CDとしては、
2009年の『Searching for Change』以来で、
TAKE-SHIT(b)、HIDEKI(vo)、SEIKI(g)、KIM(ds)という現メンバーでは初である。
収録曲は5曲。
だがトータル・タイム約33分だし、
内容もひっくるめてアルバムと言える聴きごたえありありのCDだ。


ヘドバン誌のミクスチャー特集におけるTAKE-SHITのインタヴュー記事を読み、
メジャー/マイナー問わないポイントを押さえたリスナー歴と着眼点に
“やっぱりタダモノじゃない”と個人的に思ったタイミングでのリリース。
もちろんミクスチャーに留まらず、
深化したCOCOBATが堪能できる作品だ。

ほぼ曲間無しで畳みかけてくる。

1曲目の「Discipline」は昨年リリースした7”レコードに収録した曲の再録音。
ヘヴィ・メタルなリフのミディアム・テンポから始まってツー・ビートでの疾走になだれこむが、
スラッシュ・メタルでもハードコア・パンクでもない。
やはりグルーヴィなメタルでSEIKIによるトリッキーなフレーズの挿入もポイント高い。

2曲目の「Struggle(Void lab session)」は、
1993年のセカンド・アルバム『Struggle Of Aphrodite』収録の「Struggle」の再録音。
ちょいPANTERAを想起するグルーヴからメロディアスな歌が湧き上がり、
70年代ハード・ロック風のギター・ソロがまた渋い。

3曲目の「Tetrad(instrumental)はインスト・ナンバーで、
LED ZEPPELINをCOCOBATならではのグルーヴで解釈したみたいかの如きクールな曲である。
一番新しいメンバーのKIMが打ち放つ練られたリズムのタイトなビートも聴きどころだ。

4曲目は前述した7”レコードに収録のSABBRABELLSのカヴァーの「Devil’s Rondo」。
飄々と悠々自適なHIDEKIの歌唱も日本語ヘヴィ・メタルの名曲をアップデートし、
これぞメタル!なギター・ソロも明快痛快だ。

そしてラスト・ナンバーの5曲目は大曲のインストの「Dolphine Ear Bone(instrumental)。
COCOBATには
『Ghost Tree Giant』(2001年)に収めたアルバム・タイトルと同名の9分強の名曲があるが、
今回の曲は15分を越える。
だが時間の長さをまったく感じさせない展開にうならされた。
TAKE-SHITのバキバキのベースはもちろん健在だし、
これまたLED ZEPPELINをイメージする雄大なメロディと静かなパートも含みつつ、
ロマンあふれるメロディを湧き上がらせながらの疾走がまたたまらないのであった。

歯切れのいい音作りでの仕上がりもCOCOBATにピッタリで、
理屈抜きにグレイト。


★ココバット『悪魔の円運動/デヴィルズ ロンド』(HELLO FROM THE GUTTER HFTG-075)CD
歌詞が載った4つ折りインサート封入のデジパック仕様の約33分5曲入り。
HxS(Hirota Saigansho)とHAROSHIの造形物をジャケット内にフィーチャーしたアートワークで、
うてなゆき(ネムレス)によるイラストが浮き出る特殊パッケージ。
↑の画像は、うてなゆき(ネムレス)によるイラストの“紙”が上に重ねられる前の状態のものです。
7月29日(金)発売。


VOIVOD『Synchro Anarchy』

VOIVOD.jpg


カナダ東部のケベック出身の“パンク・プログレ・へヴィ・メタル・バンド”、
VOIVODが約4年ぶりにリリースした15作目。
これがまた胸のすく快作である。

『Islands』あたりも含む70年代のKING CRIMSONやVAN DER GRAAF GENERATORなどの、
パーカッシヴなプログレッシヴ・ロックの色が今回も強い。
それは不安感が醸し出されている不穏なコード進行によるところが大きく、
変則的なリズムが繰り出されるも変拍子ビシバシでもないドライヴ感が魅力だ
速いパートが多くてスラッシーなほど走っているし、
プログレ展開をしようが曲もフック十分で音の抜けが良く、
誤解を恐れずに言えば音のハジケ方はポップですらある。

変態ねじれサウンドであろうが確かにロックしているサウンド、
そこが何より重要だ。

プログレ要素の強い“メタル”であっても、
DREAM THEATERみたいなバンドのようにスキのないガチガチのサウンドとは一線を画す。
その核はもちろんアウェイのドラム。
結成時からTAU CROSSの一員でもあったアウェイのドラムがVOIVODの肝であり、
ビシビシとキメつつクールな体温の歌心が滲むビートがたまらない。
タイトでありながら程良く“ゆるい”のはパンクからの影響であり、
もっと言えば“ロックンロール”なのである。

色々と深読みができるリアリスティックな歌詞もまたまた見事だ。
閉塞感が滲みつつ、
これまたすべてを突破する。
程良く突き放したスネイクのヴォーカルも絶好調だ。

コロナも影響しているのか、
排他的なほど内向きで自分のサークルや身内しか相手にしてない作品等がますます目につく昨今、
この作品は開かれた意識がすべてに表れている。
力になるアルバム。
オススメだ。

★ヴォイヴォド『シンクロ・アナーキー』(ソニー・ミュージックエンタテインメント SICP 6442)CD
歌詞に加えてアウェイが描いた画もたっぷりの16ページのブックレット封入で、
国内盤はポイントを突いた奥野高久(BURRN!)執筆のライナーと
歌詞の和訳が載った16ページの日本特製ブックレットも封入。
約48分9曲入りで2月23日(水)発売。


IRON MAIDEN『Night Of The Dead, Legacy Of The Beast: Live In Mexico City』

IRON MAIDEN『Night Of The Dead


80年代以降のブリティッシュ・ヘヴィ・メタルを代表するIRON MAIDENが、
昨年9月にメキシコで行なった3日間のライヴを編集した2枚組CD。
計約101分17トラック入りである。

IRON MAIDENのイメージを決定づけた3~5作目の曲がやっぱり過半数を占めるが、
ファーストの「Iron Maiden」もやっている。
80年代後半以降の曲もちょこちょこ披露しているが、
2010年代の曲は入ってない。
第二次世界大戦中の英国首相だったウィンストン・チャーチルのスピーチから始まるCDで、
ブックレットに載った文章から察するに、
“WAR”“RELIGION”“HELL”をキーワードに全体が構成されているようだ。

プレイ中でも熱い観客の大歓声を適度に混ぜて合唱もしっかり聞こえる作りだが、
もちろん曲がしっかり聞こえる程良くラフな音質。
リーダーのスティーヴ・ハリス(b)が共同プロデュースを務めているにもかかわらず、
いや共同プロデュースを務めているからこそ、
ベース・ギターが肝でありつつ全体のバランス感のとれた仕上がりになっている。

演奏もヴォーカルもベテランならではの安定感十分のパフォーマンスで、
“ヘビメタ”とか“メタル”とかの省略形ではなく、
ヘヴィ・メタルと呼びたい滋味も滲む一枚。


★アイアン・メイデン『ナイツ・オブ・ザ・デッド、レガシー・オブ・ザ・ビースト:ライヴ・イン・メキシコシティ』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-18396/7)2CD
ライヴ写真中心の28ページのブックレット封入ま3面デジパック仕様。
初回プレス分のみステッカーと
“レガシー・オブ・ザ・ビースト・ツアー '21”の四つ折りポスター封入。
日本盤は歌詞と和訳が乗った32ページのブックレットも封入。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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