fc2ブログ

なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DANSE MACABRE『Ⅱ(Ladder Out Of Hell)』

DM.jpg


ZOUOやS.H.I.での活動で知られるNISHIDA(vo)がフロントに立つ大阪拠点のバンドが、
1995年にALCHEMY Recordsからリリースしたセカンド・アルバムのリイシュー盤。
リマスタリングした音のCDで先月発売され、
流通はMCR Companyが担っている。


『メタルとパンクの相関関係』で言及したように、
僕にはCELTIC FROSTとのリンクも感じられる。
特に「Danse Macabre」という曲も収録したデビュー作『Morbid Tales』(1984年)の頃の
CELTIC FROSTがハードコア化したような様相なのだ。
初期CATHEDRALも想起するスロー・チューンからツー・ビートで加速する展開あり、
サーフ・ロックンロール風のヘヴィ・ロックありの多彩な曲で構成し、
物語風の歌詞も相まってダークな映画の如き流れのアルバムである。
ドラマチックというより、まさに劇的。
凍てついた叙情性も滲む。

SEやサウンド・メイキングなど、
音色や響きにこだわったスタジオ録音ならではの凝った作りも奏功し、
冷ややかでヤバイ空気に包まれている。
残虐なギター、
不気味で重いベース、
ところによっては金属質で抜けのいいドラム、
すべてクールな音で鳴っている。
ZOUO時代からブラック・メタルの先駆けみたいな発声も聴かせていたヴォーカルも
危険なオーラが渦巻いている。

当時の“関西オールスターズ”とも言うべき豪華メンツが、
キーボード、ノイズ、デザイン、サンプリング、リード・ギター、バッキング・ヴォイス、
ドラムス、エンジニアリング、ミキシング、マスタリング、ピアノ、トランスレイションで
参加。
“死の舞踏”を盛り立てる。

早すぎた名盤。
迷わずbuy、さもなくばdie。


★ダンス・マカブラ『Ⅱ(Ladder Out Of Hell)』(DANSE MACABRE DM-003)CD
英語の歌詞と和訳が載った20ページのブックレット封入の46分強の13曲入り。


スポンサーサイト



RED FLOWS AWAY『What Is The Driving Force Behind Life?』

RED FLOWS AWAY


元RESULT~元・無我のタツヒロ・マツイ(g、kbd、vo)、
元・無我でETERNAL ELYSIUMでも活動してきた“アントニオ”ことアキオ・イシカワ(ds)、
そしてサトル・ハヤシダ(b)によるバンドのデビューCD。
収録曲が同じ曲の別ヴァージョンを含む5曲だからかミニ・アルバム扱いもされているが、
トータル・タイム約40分のヴォリュームで、
とにかくディープな仕上がりだから堂々たるデビュー・アルバム!と断言する。

無我は後期のメンバー時代が特に大好きで東京近郊でのライヴはほとんど観に行っていた。
当時のメンバーはバラバラのキャラも好きで、
とりわけ常に鬼気迫るマツイのライヴ・パフォーマンスには毎回打ちのめされていた。
無我の後のマツイの同行が気になっていたが、
期待以上の満を持した作品と言い切れる。
音楽スタイル的には無我の要素はあまり感じられないが、
根っ子は進化、そして深化しているし、
イシカワがETERNAL ELYSIUMで演奏してきたドゥ―ム・ロックの要素も息づいている。


たそがれ感も含めてAMEBIXの発展形のようでもあり、
90年代後半以降のNEUROSISがガッツを入れたみたいでもある。
SIGUR ROSからも影響を受けたらしいが、
後期ISISも想起する。
ミディアム~スロー・テンポのパートが中心だ。

クラスト/ダーク・ハードコア・パンク系からポスト・メタル系への流れだと、
東京都西東京市でノイズルーム・スタジオで録音技師として活躍しているシゲの活動、
すなわちCROCODILE SKINK~SNOW LINEの流れを感じさせる。
だが本作は断じてポスト・メタルではない。
もっとずっとハードコア。
強力だ。


激しいリフに加えて切なく抒情的な“泣き”のメロディを奏でるギター、
歌心を感じさせるドラムとベースが、
じっくりと、じっくりと、痛みと祈りの心情を編み上げている。
ところによってメロディ・ラインがJOY DIVISIONを思わせ、
プログレっぽい美旋律はGENESISや静かの海が頭をよぎる。
元SORE THROATのリッチ・ウォーカーのバンドのSOLSTICEを彷彿とさせる、
ドラマチックなエピック・ドゥーム・メタルの要素も滲む仕上がりだ。
ハードコアなヘヴィ・ロックと言ってもいい。

長尺の曲で構成されたアルバムで、
「COSSACKS WILL NEVER DIE」というタイトルが象徴的な9分強の4曲目には、
女性ヴォーカルのゲストも参加している。
その曲の別ヴァージョンのラスト・ナンバーには、
ロシアによるウクライナ侵略関連のSEなどを挿入。
CD盤には、
柔道好きのプーチン大統領を揶揄したようなバンクシー作とされる画が引用されている。

マツイの激情ヴォーカルも濃度を増している。
表現したい思いが膨張して繊細なヴォーカルが太くなった声で、
濁声やデス・ヴォイスとは一線を画す。
英語で歌われていようが関係ない。
言葉ひとつひとつに思いを込めた声の強度に打ちのめされる。

ライヴが観たい。
これぞグレイト。


★RED FLOWS AWAY『What Is The Driving Force Behind Life?』(DHARMA DHARMA003)CD
英語の歌詞とその和訳が表と裏に印刷されたインサート封入のデジパック仕様。
録音もパッケージもしっかりしているにもかかわらず税込み1320円という価格設定も、
CDも高騰化している御時世の今だからこそ特筆したい。


Stacked State『37 Tracks E.P.』

Stacked State


大阪拠点のパンク/ハードコア・トリオが結成5年目にリリースしたデビューCD。
メンバーは、
ばったん(g、現・五臓六腑)、
いたさん(b、現・ノラ一味)、
四宮立(ds、元The SPROUTS)で、
全員がヴォーカルをとる体制だ。

CDタイトルにEPと記されているのも納得の計11分49秒の尺だが、
37曲入りだから
一部流通担当のMCR COMPANYのサイトに書かれているように1stアルバムとも言える。

コーラスの入れ方を含めてGAUZEが80年代のS.O.B.と交わって曲が短くなったかのようだ。
ファストコアともスラッシュ・パンクとも言いかねるスピードで曲を連射していくが、
平均19秒の尺の中にどの曲も短いフックを設けていて、
ただ速いだけでなく色々な音楽ジャンルの要素をちょろりとブレンドしているところがミソ。
ある意味キャッチーなのだ。

あまり聞き取れないが、
日本語を加速させているからヴォーカルもユニーク。
気合の恫喝系とは真逆のシャウトを連発し、
内省的ですらある。
36曲表記ながら、
37トラック目にはNIRVANAの代表曲のイントロみたいなフレーズが一部だけ録音されている。
それが“なるほど・・・”と思えるほどの焦燥感や空漠感も滲む一枚。


★Stacked State『37 Tracks E.P.』(3654 3654-03)CD
歌詞と思しき言葉が内側に載ったペーパー・スリーヴ仕様。


レコード・コレクターズ 2023年11月号

RC-202311.jpg


グリーン・デイ『ドゥーキー』30周年記念盤の紹介


●ニュー・アルバム・ガイド
★ソーエン『メモリアル』


●リイシュー・アルバム・ガイド
★ソニック・ユース『ライヴ・イン・ブルックリン2011』
★アシュカン『イン・フロム・ザ・コールド』

TALES OF TERROR
★TALES OF TERROR『Tales Of Terror』(Call Of The Void VOID009CD)CD

MOTORHEAD LIVE
MOTORHEAD『We Play Rock 'N' Roll - Live At Montreux Jazz Festival '07』(BMG/Montreux Sounds BMGCAT792DCD/4050538868579)2CD


WORLD DOWNFALL『Discography』

WORLD DOWNFALL


2000年代に活動していた東京拠点のグラインド・コア・バンドの
2003~2008年の音源から成る約45分26曲入りのCD。
スプリットEPやオムニバス作品で発表した音源が中心で、
マレーシアのレーベルからのリリースだ。

メンバーは、
BEYOND DESCRIPTION、DUDMANのAdachi(vo)、
WORLD DOWNFALL活動停止直前の頃LIFEに加入したTaka(g)、
元屍のTatsuya(b)、
元RED RAN AMBERのAmano(ds)、
元TERRIBLE HEADACHEのMakino(g)。

バンド名から察せられるようにTERRORIZER
やはり特に彼らの1989年のデビュー・アルバム『World Downfall』が頭をよぎるスタイルだ。
限りなくハードコア・パンクに近いグラインド・コアで、
ファストコアとも言えるほどである。
もともとグラインド・コアがメタル・サイドの音楽ではなく、
ハードコア・パンクから生まれたことをあらためて思い知らされる。

どの音源もしっかりしたレコーディングで聴きごたえ十二分。
ギターもヒリヒリジリジリ鳴ってるし音全体がヘヴィだし、
2021年のリマスタリング効果かドラムもしっかり聞こえるメリハリある音の仕上がりの一方、
クラスティなスパイスもポイントだ。
ヴォーカルも気合バッチリでデス・ヴォイスに頼らぬ太い声を貫く。

スペインのDENAK、
NAPALM DEATH加入前にミッチ・ハリスが在籍していたRIGHTEOUS PIGS、
米国のポリティカルなハードコア・パンク・バンドのDISRUPTとSTATE OF FEARの
カヴァーも収録。
そういった渋いバンド・セレクションにもWORLD DOWNFALLの個性が表れている。

最後の5曲はリハーサル音源(2003年1月レコーディング)だけあって多少こもった音質だが、
ある種のボーナス・トラックみたいにとらえたい。
既発表曲をまとめた音源集ではあるが、
録音時期にばらつきはあっても全体的な流れと統一感があり、
ファースト・フル・アルバムと言ってもいい仕上がりだ。
オススメ。


★WORLD DOWNFALL『Discography』(BULL WHIP BULL108)CD


 | HOME |  古い日記に行く »

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (16)
HEAVY ROCK (275)
JOB/WORK (450)
映画 (396)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (58)
METAL/HARDCORE (53)
PUNK/HARDCORE (512)
EXTREME METAL (152)
UNDERGROUND? (199)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (160)
FEMALE SINGER (51)
POPULAR MUSIC (42)
ROCK (101)
本 (13)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

Template by たけやん