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なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ザ・スターリン40「執念」【大破産】未遂記念PARTY【渋谷・白日夢】6月27日(土)

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14時~14時40分の回に登壇してイヌイジュンさん、宮西計三さんとトークします。
http://stalin40.com/news/20200614.html
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kito-mizukumi rouber『PUDDING BODY MURDER DOMDOM EARLY FINISH BURGER GIG』

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あぶらだこの長谷川裕倫(g、vo他)と大國正人(g、vo他)、
長谷川との長谷川静男など多彩な活動をしている内田静男(ds、vo他)
で結成したバンドのライヴCD。
数曲やっていると思しき約33分“1トラック”入りである。

リリース・レーベルによれば
“新大久保アースダムでの73年前??のライブ音源が発掘!!
メキシコのSAMURAI ROCKET RECORDSのオーナーの飼い猫がMIXしたらしいが
詳細は不明な謎すぎる音源!”
とのことだ。

“73年前??のライブ”ということで、
.esやソロで活動しつつ内田とUHもやっていて数年前に加入した橋本孝之(sax、vo他)の姿はない。
だがそれでももちろん奇才オリジナル・メンバー3人の“宴”だけに“マトモ”じゃない。

“観客”が録った音源を“猫”が程良く多少いじくったように聞こえるが、
“メキシコ”伝統のハードコア・パンクみたいにコワレた音の質感にまず気持ちよく泡を吹く。
“73年前??のライブ”ということは1947年で、
いわゆる終戦後の混乱と高揚と解放の息吹が漂っている。
いわゆる戦前のブルースのような生々しい息遣いも伝わってくるし、
73年間寝かせて発酵したコクもたんまりだ。

フリークアウトした石器時代の国産ロックンロールの趣で、
ガレージ、ブルース、演歌、歌謡曲、ジャズがフリーキーに混ざり合った“リアル・パンク”である。
初期あぶらだこっぽいコーラス入りの曲もあるし、
GERMSや初期BLACK FLAGのニュアンスも感じるが、
笑っちゃうほどぶっこわた爆裂パフォーマンスにブッ飛ぶしかない。

酩酊したドライヴ感をキープした行方知らずの演奏センスも抜群だ。
自分らが出した音にファックされたような酔いどれ歌唱ヴォーカルも、
網走番外地な気合も入ったヤクザなヴォーカルも、
気がふれた詠唱ヴォーカルも絶好調。
しょんべん横丁や新橋の赤提灯をイメージする匂いもたまらない。

騒々しくって最高。
大スイセン。


★kito-mizukumi rouber『PUDDING BODY MURDER DOMDOM EARLY FINISH BURGER GIG』(HELLO FROM THE GUTTER/PaPa HFTG-051/PAREC-807)CD
ていねいなデザインの紙が二つ折りのパッケージで、
裏ジャケットには“FOR Shin-okubo EARTHDOM”とクレジットされている。
先行通販したレーベルでは既に売り切れで残りは以下で販売とのこと。お早めに。
いぬん堂、高円寺BASE、四日市NGOO、名古屋FILE-UNDER、三軒茶屋フジヤマ、
LOS APSON?、ディスクユニオン通販&店舗。
6月24日(水)発売。


V.A.『DISCO SUCKS』

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神戸のHARDCORE KITCHENが
「自粛モードの曇り空に、少しでも晴れる様な思いで緊急リリース!」したCD。
西日本拠点のバンド中心にレーベルゆかりの16組が参加した約44分21トラック入りで、
既発表曲でも別ミックス等が収録されているようだ
(収録曲は↓の裏ジャケット画像を参照)。

D.O.A.の初期の名曲「Disco Sucks」との関連性は定かではないが、
CDタイトルの心意気満々の快作である。

ハードコア・パンクだけでなく、
メロディック・パンクあり、
ギター・ロックあり、
ガレージ・パンクあり、
グラインドコアありで、
ヴァラエティに富み、
全体の構成も行き届いているから一気に楽しめる。

細かいジャンル関係なくパンクをキーワードに集結した様相だが、
“お決まりのパンク・スタイル”をなぞっているバンドは一つもない。
パンクが“はみ出し者”だとしたら、コレがまさにそうだ。
このCDのために作られた曲とは限らないが、
とにかくほんと制作者と参加者の意思を感じる。
歌詞カードが付いてなかろうがサウンドだけで何かが伝わってくることが何より大切なのだ。

全曲が小さなライヴ・ハウスの音みたいな生々しい響きの仕上がりも相まって、
知らないバンドが多いライヴにふらっと入ったら全部ナイス!だったみたいな作りでもある。
聴いたらライヴに行きたくなってしまうCDだが、
観れるようになるまではこのCDを楽しむべし。
ほんと元気になる一枚。

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★V.A.『DISCO SUCKS』(HARDCORE KITCHEN HCK2020)CD
ペーパー・スリーヴ仕様で、
しっかりした作りのCD袋にディスクが収納されている。


SUBHUMANS『Crisis Point』

SUBHUMANS『Crisis Point』


英国のアナーコ系のベテラン・パンク“ロック”バンドが
12年ぶりに出したオリジナル・アルバム。
結成39年目の昨年の9月にリリースした作品だが、
紙媒体でレヴューしてなかったからここで紹介。
パワフル極まりない作品なのに昨年のベスト・セレクションに入れ忘れてもいた。
ちなみにスラッシュ・メタル系バンドのOVERKILLがカヴァーしたカナダのSUBHUMANSではない。

ベーシスト以外の3人のメンバーは
FLUX OF PINK INDIANSのメンバーのレーベルから1981年に出したデビューEPと同じで、
そのベーシストにしたって80年代前半からのメンバーだ。
15年近い休止期間をを挟んで2000年前後にライヴ活動を再開し、
インターヴァルが空いても新作のリリースを続けてますます元気だ。


ツー・ビートで飛ばして長めのギター・ソロも渋い哀愁の曲でスタートするが、
まずよく練られてツボを突く楽曲クオリティが高く深い。
CONFLICTの疾走感、MC5のグルーヴ感、SEX PISTOLSなリフが
血と肉になったパンク・ロックの嵐だ。
CRASSや80年代初頭の新興パンク・バンドたちが必ずしも好意的に見てなかった中で、
今もなおCLASHのミクスチャー感を更新させているところも特筆したい。
SUBHUMANS活動休止中にメンバーがやっていたCULTURE SHOCKとCITIZEN FISHの
スカの要素もパワー・ヴァージョン・アップ。
70’sスタイルもアナーコ・パンクもハードコア・バンクもストリート・パンクもメロコアも
全部まとめて引き受けた度量のでかいパンク・ロックなのである。

それにしても、なんちゅう馬力、胆力、熱量だ。
一般の人に響かない理屈ばかりで頭デッカチになりがちなアナーコ系の政治バンドとは違い、
何よりサウンドそのものでモノを言っている。
サウンドのひとつひとつがガッツたんまりで強靭にハジけている。
音そのものにロック感がしっかり入っている。
むろんタフ・ガイ系ハードコアとは真逆のバンドだから無駄な筋肉に頼らぬ虚勢と無縁のサウンドだし、
スタイリッシュにキメる気なんてさらさらなく体裁気にせぬ筋金入りのサウンドだ。

NOFXのファット・マイク主宰のFAT WRECK CHORDSから
2004年にライヴ盤『Live In A Dive』をリリースしたことを思い出す。
NOFXでRUDIMENTARY PENIをカヴァーするなど
アナーコ・パンク好きでもあるファット・マイクは、
SUBHUMANSは酒飲みなところもイイみたいなことを言っていた。
うなづける。
いい感じで酒臭いサウンドなのだ。

いわゆる反体制な歌詞でもナイーヴじゃないからヒガミ屋の僕でも入っていける。
要はウソがない。
理想論を説かないリアリズムに裏打ちされた示唆に富む前進の歌が詰まっている。
芸名も粋なフロントマンのディック(Dick)は、
80年代頭にパンク・ヴォーカリストのイメージを塗り替えた細いフレームの眼鏡も健在で、
言葉数が多かろうがヴォーカルに歌心と人間味がある。

パンク・ロックをまた信じたくなるグレイト・アルバムだ。


★SUBHUMANS『Crisis Point』(PIRATE PRESS PPR248)CD
味のある紙質の二つ折り紙ジャケット仕様の約27分11曲入り。
六つ折りインサート(表はミニ・ポスターで裏は不変の手書き書体で綴る歌詞を印刷)封入で、
そのインサートの計9面のうちの3面がロゴの形にくりぬかれたステンシルになっていて、
スプレーとかで壁などにSUBHUMANSのロゴを作れる。
パッケージ全体がていねいな作りだ。


KVELERTAK『Splid』

KVELERTAK『Splid』


ノルウェーのヘヴィ・パンク・ロックンロール・バンドの“クヴァラータク”が
『Nattesferd』から約4年ぶりにリリースした4作目。
これがまた最高傑作と言っても過言ではない感動的なほどクールなロック・アルバムだ。

ファーストやセカンドも手掛けて今回ミックスや録音も行なった、
カート・バルー(CONVERGE)がバンドと一緒にプロデュース。
カートならではの研ぎ澄まされたクリアー(notクリーン)な仕上がりが
KVELERTAK.のミュージシャンシップの高さを浮き彫りにし、
サウンドの広がりと奥行きのダイナミズムも抜群だ。

リード・ヴォーカリストが変わり、
POISON IDEA系の野獣ハードコア・パンク濃度の高いシャウトで押していき、
ポーズなんて微塵も感じさせない歌い方が見事だ。
コーラスなどで他のメンバーも色々と歌っていると思われるが、
ナチュラルに織り込まれる素朴な歌唱は味わい深い。
ネイト・ニュートン(CONVERGE、OLD MAN GLOOMDOOMRIDERS)と
トロイ・サンダース(MASTODON)とが1曲ずつヴォーカルで参加しているのも嬉しい。

トリプル・ギターを擁する6人編成ならではの多彩な音出しも聴きどころで、
ジャケットでずっとつながるBARONESSを思い出す哀愁のギター・ハーモニーも滲む。
ベースの音が大きめでドライヴ感もバッチリだし、
母国の先輩TURBONEGROの流れを感じさせる程良く手数の多いドラムはタメもいい。
ほど良くハード・ロックちっくなギター・ソロもオツなもんである。
数曲でブラック・メタル風のブラスト・ビートも挿入し、
JUDAS PRIESTっぽいヘヴィ・メタリックな疾走も手に汗握る。

6~8分台の曲を4曲含むが、
フックを設けた楽曲クオリティも高く、
聴かせどころをあちこちに設けたアレンジ・ワークで一気に聴かせる。
リリカルな歌心から野性の息吹までもが楽曲に編まれ、
加速が絶えない起伏十分の物語として展開する音楽手腕に舌を巻くのみだ。

これ聴いてると
パンクもメタルも関係ねえ!ロックに違いはねえ!ってあらためて実感させられる。
色々と深読みできる2曲目のタイトル「Crack Of Doom」も最高だ。
歌詞がわからなくてもサウンドがすべてを語っている。
浴びていると解き放たれて視界が開けてくる。
“正義のヘイト”が世界を覆う中、
すべてをファックして閉塞を突き抜ける確信に満ちたサウンドがここにある。

ウルトラ・グレイト。


★KVELERTAK『Splid』(RISE/WORLD RR455-2)CD
曲名のほとんどはおそらくノルウェー語だが、
曲のテーマらしき短文が英語で書き添えられている8ページのブックレット封入の58分強の11曲入り。
今回も鳥絡みのジャケットで迫るアートワークの担当は、
BARONESSの最新作『Gold & Grey』も手掛けたMarald van Haasteren。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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