sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamoto『Multiplication』
2023-05-10

“Utsunomia MIX 03”は、
sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamotoの『Multiplication』。
saraが昨年11月に、
Wamei、山本精一と別々に、
張 騰遠 チャン テンユァン個展 “Multiplication” 会場で行なったライヴCDだ。
様々な“技師”としても引っ張りだこの宇都宮泰が録音とマスタリングを行なっている。
前半はsaraとWameiのコラボレーション・ライヴ・パフォーマンス。
saraはピアノがメイン、
Wameiはハーディ・ガーディとエレクトロニクスをプレイしている。
全体的に優雅に走るピアノがリードしているように聞こえるが、
二人の波状ブレンドがゆっくりと織り成され、
インプロヴィゼイションと思われる中でドラマチックな流れができあがっている。
磁場の強い音像と空気の震えの響きも聴きどころだ。
後半はsaraと山本のがっぷり四つ!である。
オープニングは、
山本のアコースティック・ギターとsaraのパーカッションが探り合っているように聞こえる。
山本もところによってはパーカッションを演奏しているようだが、
山本のエレクトリック・ギターとsaraのピアノは相性抜群のガチンコ勝負だ。
ロバート・フリップが“ジャズ・エモくなった”みたいな自由形の流麗なギターがピアノに絡む様が、
得体の知れないほどエロチックな佇まいを呈しているのだ。
ギターだからこそできるパーカッシヴな強度とリズムの狂おしい音で、
颯爽としたピアノにサディスティックなほどの“イタズラ”を繰り返す。
いわゆるノイズ・ギターではないギター・ソロで次々と突きささるメロディを繰り出す山本、
さすが“千両役者”である。
もちろんsaraも気丈な強気の演奏で迎え撃ち、まもなく融合。
緊張感途切れず、静かなパートにも息を呑む。
もっと聴きたい!と思わせる30分弱の尺に収めたからこそ濃縮されているとも思える名演であり、
皮膚で聴く感覚の音の仕上がりも素晴らしい。
★sara (.es) & Wamei, sara (.es) & 山本精一 Seiichi Yamamoto『Multiplication』(Nomart Editions NOMART-123)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂本葉子と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った8ページのブックレットと、
宇都宮の録音等に関する文章が載ったインサート
(sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』封入ものと同内容)封入の、
ソフト・プラケース仕様の約63分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)
なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納されたパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。
単体でも、まとめてでも、
Nomart Editions作品ならではのパッケージ全体でのアート性も特筆したい好企画だ。

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sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』
2023-05-09

“Utsunomia MIX 02”は、
sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』。
saraが昨年10月に、
目下静岡県を拠点に活動する草深公秀のユニットのK2とコラボレーションし、
黒宮菜菜個展“鳥を抱いて船に乗る”会場で行なったライヴCDだ。
宇都宮泰が録音とマスタリングを行なっている。
saraは故橋本孝之と演奏していた時代の.esでK2と合体した『Blackhole』(2016年)も作っている。
ノイズ・イメージも強い草深のモデュラー・シンセサイザー&ディレイにsaraのピアノが負けないか
心配でもあった。
だがそれはまったくの杞憂であった。
ダブっぽい音から始まるが、
飛び道具のような断続的な音出しはこのCDのK2の特徴の一つにも思えるし、
轟音とは一線を画す地鳴りみたいな音で慎ましやかに“遠景”を演出している。
saraはパーカッションを交えながらクラシカルなピアノをメインにそこを加速。
K2の音は朴訥としたパートも多いが、
saraの奔放なピアノに煽られるとノイズ・ミュージックの波状攻撃も。
2人の音の静かなリズミカル・ブレンドとさりげなく醸し出されている音の厚みも聴きどころだ。
★sara (.es) & K2 (草深公秀 Kimihide Kusafuka)の『鳥を抱いて船に乗る / Bird』(Nomart Editions NOMART-122)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂口卓也と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った8ページのブックレットと、
宇都宮の録音等に関する文章が載ったインサート封入の、
ソフト・プラケース仕様の約54分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)
なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納されたパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。

sara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawa『Pumice』
2023-05-08
ピアノ演奏で知られるsara (.es)が4人の音楽家別々とコラボレーションした昨秋のライヴを、
多方面で活躍中の宇都宮泰がマスタリング等を手掛けたCD「Utsunomia MIX」シリーズが
3部作でリリースとなる。
ライヴ会場はすべて彼女が“フランチャイズ”とする大阪のギャラリーノマルだ。

5月10日(水)に3枚別々とセットで同時発売されるが、
そのうちの“Utsunomia MIX 01”がsara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawaの『Pumice』。
昨年9月にsaraが榎忠個展 “Pumice” 会場で行なった、
INCAPACITANTSや非常階段での活動で知られる美川俊治とのライヴを収めたCDである。
saraは故橋本孝之と演奏していた時代の.esで
美川との合体CD『September 2012』も出したとはいえ、
超爆音ノイズ・イメージの美川のエレクトロニクスにsaraのピアノが負けないか
音量的に心配でもあった。
だがそれはまったくの杞憂であった。
クラウス・シュルツェを思い出す繊細な電子音から始まり、
まもなく背後からピアノが聞こえてくる。
美川はエレクトロニクス駆使していわゆる楽器みたいな音も繰り出し、
悲鳴のようなサックスっぽい音も聞こえてくるし、
狂おしいエレクトリック・ギター・ソロっぽい音も聞こえてくる。
saraはパーカッションも演奏しているが、
メイン楽器のピアノで美川のラウドな音に拮抗。
時にピアノがノイズと渡り合い、
時にノイズがピアノに食らいつく。
ここから聞こえてくるのは単なる音ではなく交感だ。
華麗な佇まいでアグレッシヴに攻めるピアノと、
生き物の声にしか聞こえないエレクトロニクスが矢継ぎ早。
いつにも増して熱くダイナミックな二人のせめぎあうスリリングな加速度に目が覚める。
ちなみに今回の「Utsunomia MIX」シリーズの中でこのCDだけ宇都宮が録音を担当してない。
だが、むろんまったく問題ない、
ギャラリーノマルから預かった3つの録音ソース(旧来の録音機材の録音とビデオ音声)を
新しい同期システムで統合し、
想像力を駆使してライブ空間を復元したのである。
言うまでもなくマスタリングを行なったのも宇都宮。
ピアノの手の動きや指さばきも見えてくる音の仕上がりで、
美川が放射する音が四方八方から聞こえてくる立体感も抜群である。
カッコいい一枚。
グレイト。
★sara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawa『Pumice』(Nomart Editions NOMART-121)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂口卓也と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った
8ページのライナー封入の、ソフト・プラケース仕様の約51分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)
なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納された↓のパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。

多方面で活躍中の宇都宮泰がマスタリング等を手掛けたCD「Utsunomia MIX」シリーズが
3部作でリリースとなる。
ライヴ会場はすべて彼女が“フランチャイズ”とする大阪のギャラリーノマルだ。

5月10日(水)に3枚別々とセットで同時発売されるが、
そのうちの“Utsunomia MIX 01”がsara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawaの『Pumice』。
昨年9月にsaraが榎忠個展 “Pumice” 会場で行なった、
INCAPACITANTSや非常階段での活動で知られる美川俊治とのライヴを収めたCDである。
saraは故橋本孝之と演奏していた時代の.esで
美川との合体CD『September 2012』も出したとはいえ、
超爆音ノイズ・イメージの美川のエレクトロニクスにsaraのピアノが負けないか
音量的に心配でもあった。
だがそれはまったくの杞憂であった。
クラウス・シュルツェを思い出す繊細な電子音から始まり、
まもなく背後からピアノが聞こえてくる。
美川はエレクトロニクス駆使していわゆる楽器みたいな音も繰り出し、
悲鳴のようなサックスっぽい音も聞こえてくるし、
狂おしいエレクトリック・ギター・ソロっぽい音も聞こえてくる。
saraはパーカッションも演奏しているが、
メイン楽器のピアノで美川のラウドな音に拮抗。
時にピアノがノイズと渡り合い、
時にノイズがピアノに食らいつく。
ここから聞こえてくるのは単なる音ではなく交感だ。
華麗な佇まいでアグレッシヴに攻めるピアノと、
生き物の声にしか聞こえないエレクトロニクスが矢継ぎ早。
いつにも増して熱くダイナミックな二人のせめぎあうスリリングな加速度に目が覚める。
ちなみに今回の「Utsunomia MIX」シリーズの中でこのCDだけ宇都宮が録音を担当してない。
だが、むろんまったく問題ない、
ギャラリーノマルから預かった3つの録音ソース(旧来の録音機材の録音とビデオ音声)を
新しい同期システムで統合し、
想像力を駆使してライブ空間を復元したのである。
言うまでもなくマスタリングを行なったのも宇都宮。
ピアノの手の動きや指さばきも見えてくる音の仕上がりで、
美川が放射する音が四方八方から聞こえてくる立体感も抜群である。
カッコいい一枚。
グレイト。
★sara (.es) & 美川俊治Toshiji Mikawa『Pumice』(Nomart Editions NOMART-121)CD
ライヴ当日の写真に加えて坂口卓也と宇都宮泰のライナー(英訳付)も載った
8ページのライナー封入の、ソフト・プラケース仕様の約51分2曲入り。
価格: 2,000円(税込2,200円)
なお、Utsunomia MIX(01-03)3枚セット:Utsunomia MIX
(アーティスト/タイトル:サラ(ドットエス)、 美川俊治、 K2(草深公秀)、ワメ
イ、山本精一 / ウツノミア・ミックス
Artist / title:sara (.es) , Toshiji Mikawa, K2 (Kimihide Kusafuka), Wamei, Seiichi
Yamamoto / Utsunomia MIX)も同時発売される(品番: NOMART-124)。
ソフト・プラケース仕様の3タイトルがスリップケースに収納された↓のパッケージで、
価格も単体で購入するよりかなりお得な 5,000円(税込5,500円)である。

AD(山崎昭典 × drowsiness)feat. 鈴木昭男、安田敦美『たゆたい(Ta Yu Ta I)』
2023-03-18

京都府丹後半島在住の山崎昭典と東京のdrowsinessという
二人のギタリスト・作曲家のユニットのADがリリースしたばかり新作CD。
2001~2003年に山崎がアシスタントをしていた“サウンド・アーティスト”鈴木昭男と、
シンガーの安田敦美をフィーチャーした、
計37分弱の6曲入りである。
二人のギタリストの音はたいへんシンプルで静謐。
二人で弾いているとは思えないほどである。
いわゆるトラッドもイメージされるが、
特に後半のプレイは僕にとってミニマルな“ロック”で、
木漏れ日も目に浮かぶポジティヴな風景が広がっていく流れだ。
“Stone Flute”“Analapos”“Glass Harmonica”で全曲に参加したその鈴木の演奏は、
クレジットを確認しなければヴォーカルと錯覚するほど“歌”に聞こえる。
時に官能的なほど生々しく、
今まで耳にしたことのない音に身が引き締まる。
2曲で放つ安田の“ヴォイス”はやっぱり肉声ならではの確かな歌だ。
言葉を発しているのかどうかはわからないが、
歌詞の意味性を超えた響きで覚醒され、
ラスト・ナンバーにおける声は蠱惑的で特に魅せられる。
「祝吹 Shukusui」「潺 Seseragi」「時乃器械 Time Machine」「芽吹 Mebuki」「庭楽 Teiraku」
「紡奏士 Bōsōshi」といった曲名からもイメージが広がる。
ある意味、俗世間から離れているのかもしれないが、
自然の音・・・・いや音楽である。
マスタリングを担当したのは宇都宮泰。
多方面で活躍されている鬼才だが、
山崎のフェイスブックによれば宇都宮には“音処理やミックス指導”もしていただいたとのこと。
あたたかくも透徹した音像に目が覚めるばかりだ。
静かなプレイの時の灰野敬二に通じる研ぎ澄まされたサイケデリック・フィーリングを感じるのも、
僕だけではないだろう。
全編、まさに『たゆたい』というアルバム・タイトルそのものの空気感ながら、
揺るぎなき佳作である。
★AD(山崎昭典 × drowsiness)feat. 鈴木昭男、安田敦美『たゆたい(Ta Yu Ta I)』(HOREN MIMI-030)CD
中山晃子のアートワーク、
SWARRRMの諸作でも知られる大野雅彦(SOLMANIA)のデザインの二つ折り紙ジャケット仕様。
鈴木昭男、山崎昭典、drowsiness、中山晃子、デヴィッド・トゥープ、山田唯雄、内橋和久、畠中実、
伊東篤宏のライナーとその英訳が載った三つ折りインサートも丁寧な作りである。
帯付き。
非常階段『蔵六の奇病』、INCAPACITANTS『Feedback Of N.M.S.』 LPリイシュー
2023-02-07

昨年秋にイタリアのURASHIMA Recordsからリイシューされた2タイトルのLP。
どちらもたいへんていねいな作りの再発だ。
非常階段の『蔵六の奇病』は1982年にリリースされたデビュー・アルバム。
今までCDしか聴いたことがないアルバムだったから、
レコードならではの彫りの深い音にワクワクする。
オープニング・ナンバーのヴォイス・パフォーマンスも生々しいことこの上ない。
2曲目も音の奥行きが格別である。
スペーシーなインプロヴィゼイションだが、
こうやって聴いてみると、やっぱりロックだし、
ハード・ロックから派生したノイズだし、
“HR/HM”と記号化される前の本質的にハードなロックだ。
3曲は原始的クラウト・ロックでもあり、
ポップなミニマル・ミュージックでもある。
4曲目以降もダイナミズムたんまりで、
ドラム入りの曲はフリー・ジャズとハード・ロックの邂逅だ。
A面とB面とで途中ひっくり返して聴くLPだと、
全体の構成を考慮した編集の妙味に気づかされる。
そして何よりLPだとジャケットに描かれた日野日出志の画が格段に映える。
今回の印刷は侘び寂びの効いた味わい深い仕上がりで、
手作り感あふれる雑然とした裏ジャケットとのコントラストも面白い。
4ページの“ライヴ・フォトブック”と“復刻インサート”、
リーダーのJOJO広重(エレクトック・ギター)が昨年8月に執筆したライナー付。

非常階段にも在籍するT.ミカワが始めたINCAPACITANTSの『Feedback Of N.M.S.』は、
1991年に日本のALCHEMY Recordsからリリースされた2枚目の音盤。
F.コサカイ加入後の初のアルバムでもある。
当時はCDのみでのリリースで
1曲目の「Curse Of Ceauşescu」はもちろん一続きの一曲として収録されていたが、
29分超の長尺であった。
その長さだとLP片面だけに全部収めると音質的にかなりきびくしくなりそうだから
(LP片面に30分前後収録するのは
物理的な問題でダイナミズムと迫力に欠ける音質になりがち)
今回のLPはA面とB面とに分割されているが、
違和感なくA面からB面にひっくり返して“続き”を楽しめる。
なにしろ元気だ。
肝っ玉の太い豪胆ノイズである。
と同時にヴォイスを聴いていると阿鼻叫喚のようでオチャメな味わいも、
レコードならではの膨張度で増幅なのだ。
コサカイによれば、
超辛口で知られたPSF Records/モダ~ンミュージックの故・生悦住英夫オーナーが
「ノイズでガレージをやってるよ!」とホメたそうだが、
言い得て妙である。
ギターではなくエレクトロニクスによるガレージ・パンクと言っても過言ではない
ドライヴ感とスピード感やかましい“ロックンロール・ノイズ”だから痛快爽快アガるアガる!
飲めや歌えやの宴ノイズにも聞こえる。
ウイスキーやウォッカをロックやストレートで、
いややっぱり日本酒で、喉ならぬ鼓膜が焼けつく熱き味わい。
脳髄に響くノイズであり、
誤解を畏れずに言えば思いっきり粗削りのrawサイケデリック・ノイズに聞こえる。
それにしても
収録曲のタイトルの“Ceaușescu”という言葉は、
強権体制を敷くも本作リリースの少し前に処刑された東欧ルーマニアの大統領チャウシェスクを指す、
というのは深読みだろうか。
無慈悲な響きだからそう思ったりもする。
LPで大きくなるも見事な印刷により生々しい匂いが鼻を突く表と裏のジャケットがまた意味深だ。
世の中的にはこういう“音楽”は“不許可”なのか?と皮肉ったと解釈するのは深読みだろうが、
ギリギリの状況下に置かれた兵士たちの心象風景のようでもあり、
すべてを焦土にしてしまうかのようなノイズの波状攻撃は、ナパーム弾をもイメージする。
オリジナルCDのブックレットに印刷されていたT. 坂口のイラストとコメントを“大判カード”4枚に復刻し、
坂口が昨年書いたライナーの日本語版と英語版の計2枚のカードも付いている。
★非常階段『蔵六の奇病』(URASHIMA UMA 164)LP
★INCAPACITANTS『Feedback Of N.M.S.』(URASHIMA UMA 163)2LP