DAMON & NAOMI『False Beats And True Hearts』
2011-05-25

デーモン・クルコウスキーとナオミ・ヤングによって91年に結成されたボストンのユニットの、
オリジナル・アルバムとしては4年ぶりで7枚目に数えられそうな作品。
二人がGALAXIE 500で活動を開始してから25年目の年にリリースされた。
デーモンはアコースティック・ギター、ドラム、ヴォーカル、
ナオミはベース、ピアノ、キーボード、ヴォーカルを担当。
曲によってリード・ヴォーカルが異なり、
どちらかというとナオミが歌うパートが多い気もするが、
二人が一緒に歌う部分も多くて男女のデュエットものとしても楽しめる。
三上寛や友川カズキの曲を歌心たっぷりにライヴでカヴァーしてきている穏やかな喉は健在だ。
最近はBORISの準メンバーとしても知られる栗原道夫が、
今回も全面的にエレクトリック・ギターを弾いている。
DAMON & NAOMIとの合体アルバムを出したこともあり栗原が在籍するバンドの、
GHOSTのリーダーの馬頭将器も2曲でアコースティック・ギターを弾いた。
アルト・サックスとトランペットも静かに挿入される。
ぼくにとっては “ソフト・アシッド・フォーク・ロック”である。
ゆったりとゆったりと進める曲はバカラック風の表情も覗かせるが、
おくゆかしい栗原のサイケデリック・ギターがささやかにロックの時を告げる。
若干だけ暗めな印象だった前作よりも、
はかなげなようで意志の光が射し込んでいる。
「Walking Backwards(うしろむきに歩きながら)」という曲も含めて肯定的だ。
歌詞は大半がラヴソングと解釈できるが、
世界の争いへの思いを込めているかのような「Shadow Boxing」という曲が象徴するように、
どれも示唆に富む。
もののあはれを知る研ぎ澄まされた響きが言葉に命を注ぐ。
変わった/変わらないという次元は最初から超えている。
この人たちはアルバムもライヴも間違いない。
邪なブレる要素がないのだ。
“純音楽”と言いたい優美な佳作である。
★デーモン&ナオミ『フォールス・ビーツ・アンド・トゥルー・ハーツ』(Pヴァイン PCD93398)CD
ナオミがデザインした8ページのブックレットと別に、
毎度曲の持ち味をしっかりと伝える喜多村純による歌詞の和訳も付いている。
デーモンが録音とミックスを行なった約 分9曲入り。
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