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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

本『グラム・ロック黄金時代1971-1977 フィーチャリング モダン・ポップ』

GLAM.jpg


音楽出版社から出たグラム・ロック~モダン・ポップの本。
アリス・クーパー
ルー・リード
★イギー・ポップ(Iggy and The STOOGES)
★NEW YORK DOLLS
★ルイス・フューレイ
について書かせてもらいました。

著者によってはほとんどバイオグラフィーになっているが、
それだけに終わらず話をふくらませる“アーティスト・ストーリー”。
タイトルどおりに1971~1977年のことが中心で、
グラム・ロック時代にどう関わっていたかみたいなことが骨子である。
といっても全員グラム・ロックの王道から外れた北米出身のアーティストばかりだが、
やっぱりジャンルの“優等生”より道から外れた者ほど面白いのだ。


他に有名どころは押さえているし、
ややマイナーなアーティストも同じぐらいのスペースを割いて言及されている。
↑の表紙の画像をクリックすると取り上げたアーティストが確認できると思う。

MOTT THE HOOPLEのイアン・ハンターとモーガン・フィッシャーらのインタヴューが
適宜挿入されているのも特徴で、
グラム・ロックとモダン・ポップの代表的なアルバムの紹介コーナーやコラムもある。


個人的には“1971~1977年”という括りが興味深いし発見でもあった。
パンク・ムーヴメントと直結するからだ。
グラム・ロックがなければ70年代のパンク・ムーヴメント、
特にロンドン・パンクはかなり違ったものになっていた。
中性的なニュアンスの影響も大きいが、
それが80年代にレコード・デビューしたパンク・バンドからほとんど消失した。
むろんBLITZによるグラム・ロック期のルー・リードの名曲「Vicious」のカヴァーなど例外はある。
だが大半のハードコア・パンクやOi!パンクにはグラムの色が皆無だ。
このことはロックにおけるジェンダーの問題を考えるうえでもポイントになるだろう。

あと“本家”イギリスとアメリカのグラム解釈の違いが面白く、
グラム・ロックに限ったことではないが、
後者の肉食的な精神性はいつの時代もどんなジャンルの音楽でも基本的に変わらないと気づいた。

グラム・ロックもノスタルジーを超えて今につながるヒントがたくさんあるのだ。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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