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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

WITCH MOUNTAIN『Cauldron Of The Wild』

Witch-Mountain.jpg


女性ヴォーカルを擁して90年代後半から米国北西部オレゴン州ポートランドを拠点に活動する、
ドゥーム・メタル系バンドの約1年ぶりのサード。

前作『South Of Salem』に引き続き
“ストーナー・ロック・マスター”のビリー・アンダーソンがプロデューサー&エンジニアで、
万全の仕上がりである。
といってもsmokeまみれの音色とは違い、
いい意味で透明感もあり硬質で粗く生々しい響きだ。

ブルージーなギター・ソロも絡めて米国産ならではの土臭さもほんのりと香らせつつ、
樹木の光合成が見えてくるような光も放つ。
じっくりと編み上げていくプレイで12分近くの曲や9分半の曲もドラマチックに進め、
マジカルな空気感にうっすらと包まれていく。
SLEEPの後期にLED ZEPPELINのスロー・ナンバーが混ざったような音も聞こえてきて、
ほのかにサイケデリックなのだ。

ヴォーカルも本格派である。
メタルな押しの強い歌唱とは一世を画し、
タメの利いた楽器のリズムと共振したスピードで奇をてらわずナチュラルでまっすぐな喉を震わせ、
たおやかで線は細め、
だがダイナミック。
哀しみをたたえながら暗喩に富む言葉をクールに放つ歌声は、
静かなパートだとディープなアシッド・フォークのよう響き、
艶っぽい歌心がたまらない。

リリースしたアルバムは少ないが、
活動歴15年ならではの渋みの利いた佳作である。


★WITCH MOUNTAIN『Cauldron Of The Wild』(PROFOUND LORE PFL 098)CD
8ページのブックレットが封入されたデジパック仕様の約46分6曲入り。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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