FURY『Flying』
2013-02-28

ニューヨーク・パンク・シーンの“裏番長”のソニー・ヴィンセント(vo, g)が
TESTORS以前にやっていたトリオ・バンド。
これまたクール極まりない2曲入りだ。
72年の録音だが、
早すぎて埋もれてしまったバンドである。
まさにパンク・ロック前夜のサウンドであり、
焼け焦げた硝煙の匂いが漂う原初的な“メタル”の音だ。
ソニー・ヴィンセントのヴォーカルもTESTORS時代より荒くれている。
タイトル曲ではMOTORHEADの“某曲”の先を行っていたミッド・テンポのクールなリフがギラリと光り、
BLACK FLAGからHIGH ON FIREまでを鮮やかに串刺しにする剛腕のロックだ。
まったりしたB面の「100% Proof」は同時代だったPINK FAIRIESテイストも漂い、
これまた渋みがたまらない。
人間を去勢した無味無臭の響きの“潔癖症ロック”はあっちいけ。
こいつにはストイックにおのれの肉体をぶつけたサウンドならではの命が震えている。
ロックを愛するすべての人間に捧ぐ一枚。
★FURY『Flying』(HOZAC HZR 125)7”
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