なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

IMPERIAL STATE ELECTRIC『Reptile Brain Music』

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元ENTOMBED~HELLACOPTERSのスウェーデン出身のニッケ・アンダーソン(vo、g他)率いる
パンク・ロックンロール・バンドの『Pop War』(2012年)以来のサード。
日本発売ではカヴァー中心の編集盤『Radio Electric』に続くCDだ。
プロデュースを行なったニッケが
“デス・メタル仲間”の元DISMEMBERのフレッド・エストビーと共同で所有しているスタジオで、
彼と一緒に録音とミックスを手がけたアルバムである。

もともとニッケのソロ・プロジェクトとして始まり、
ライヴではヴォーカル/ギターに徹するニッケが多少ベースやドラムも演奏しているとはいえ
ますますバンドらしくなっている。
本編の曲のうち4曲は、
DATSUNSのフロントマンであるドルフ・デ・ボースト(b、vo)らの他のメンバーも曲作りに参加し、
トビアス・エッジ(g、vo)が一人で書いた曲や、
その二人それぞれがリード・ヴォーカルを取った曲も含まれている。

パワー・ポップもソウル・ミュージックもガレージ・パンクもブルースも溶け込んでいる。
言ってみれば末期を除くTHIN LIZZYみたいにシンプルながらも言葉にしにくいサウンドなのだが、
もちろんパンク、
そしてエクストリーム・メタルのフィルターを通したロックンロールである。

バンドによってはスラッシュ・メタルやデス・メタルにもロックンロールのテクスチャーとグルーヴを見出す、
ニッケならではの音楽的洞察力と“体現力”に裏打ちされている。
デス・メタルにロックンロールのノリを加えたENTOMBED時代のニッケの演奏パートはドラムだったが、
やはり曲作りの中心だった当時の流れでデス・メタルのダシはさりげなく効いており、
ベーシックなテクスチャーの曲でも金属質の邪悪性が滲む音色が他のバンドと一味違う。
そこが伝統芸能のロックンロールやパワー・ポップが好きな人にすれば“メタル”なのかもしれないが、
エクストリーム・メタルもOK!で内向きの守りに入らない新世代のロックンロール・ファンに
愛されるゆえんである。
ベースとドラムのビートの音が大きくてアタック感が強くパーカッシヴなのもポイントが高い。

粗いギターで押すだけではなく歌心があるバンドだ。
もちろん明らかにパンク・ロック以降のロックンロールだが、
パンクによくある“わざとらしさ”は微塵もない。
言い訳なんかせず直感でやればいいのだ。
というわけで繊細なヴォーカルにも耳を傾けたい一枚。
ボーナス・トラックで聴けるアコースティック・ナンバーも渋くて泣ける。


★インペリアル・ステイト・エレクトリック『レプタイル・ブレイン・ミュージック』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10048)CD
日本盤は本編の歌詞の和訳が付きボーナス・トラック2曲追加の約40分14曲入り。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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