映画“没後30年フランソワ・トリフォー映画祭”
2014-09-24

1932年2月6日パリ生まれでフランスを代表する映画作家の一人である
フランソワ・トリフォーの没後30年の節目に行なわれるイベント。
10月11日(土)からの東京を皮切りに、
1957年の実質的なデビュー作の短編『あこがれ』から1983年の遺作『日曜日が待ち遠しい!』までの
トリフォー監督の全23作品が全国で上映される。
ハイペースでコンスタントに映画を作って監督を行ない、
今回上映される『緑色の部屋』(1978年)などでは主演俳優も務めたが、
52歳で病死したトリフォー。
ジャン=リュック・ゴダールと共にいわゆるヌーヴェル・バーグを象徴するそんな“映画人”の作品を
まとめてスクリーンで観られる機会はそうないだろう。

(C)1959 LES FILMS DU CARROSSE
今回5作品がデジタル・リマスタリングでの上映だが、
そのうちの一つである1959年の『大人は判ってくれない』を一足先に観させていただいた(↑の画像はその一場面)。
トリフォーの長編処女作であり自身の子供の頃の体験を反映した不朽の名作なわけだが、
評価が定まっている作品をでかいスクリーンで観て静かに震えるのもいいもんである。
数年ぶり十数年ぶり数十年ぶりにあらためてマスターピースを観るとまた違った感動に浸れると今回思ったしだい。
教師にも親にも見放された不良少年と呼ぶにはキュート&純な推定12歳前後の男の子の名演ぶりや
一種のアダルト・チルドレンと言える精神的な児童虐待も描き込まれた脚本もさることながら、
やはり映像そのものに持っていかれる。
最近多いカメラの“踏み込み”が足らない映画とは違い、
ぐいぐい対象に迫っている映像の迫力と詩情が静謐にもかかわらず雄弁なのだ。
しかもフレーム内に捕えられた人物や事物のすべてに存在の必然性があり、
こだわりを持って映し出されるがゆえに人や物のひとつひとつが味わい深く、
どのシーンも名場面で“絵になる”シーンの連発という恐るべき作品である。
“これぞフランス!”“これぞ映画!”とヒザを打ちたくなるイベントになるだろう。
★映画“没後30年フランソワ・トリフォー映画祭”
東京・角川シネマ有楽町[10月11日(土)~10月31日(金)]をはじめ、
以降全国順次ロードショー。
東京では全23作品が上映されるが、
劇場によって上映作品が多少異なるので↓でチェックしてみていただきたい。
http://mermaidfilms.co.jp/truffaut30/
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