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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

鶴ヶ屋『鶴ヶ屋』

鶴ヶ屋


2000年から東京拠点に活動して4枚のアルバムを出していたソニックアタックブラスターを前身とし、
2014年の4月に現在の5人でスタートしたバンドの鶴ヶ屋が自主レーベルから出したファースト・アルバム。

90年代以降のラウドなオルタナティヴ・ロックを日本の土壌で発酵させたかのようである。
ヴォーカル/ギター、ギター、ベース、ドラムスに加え、
様々な和太鼓が全編で炸裂したパーカッシヴなサウンドがポイントだ。
LED ZEPPELINの「Kashmir」のインスト・カヴァーもそういう流れでハマっており、
オリジナル曲と同じく妙に体裁を気にすることない演奏でなかなか健闘している。
曲によってはダブやトランス・ミュージックの感触もナチュラル・ブレンドし、
時には連呼状態になる景気のいいコーラスも嫌味なく快活なのだ。

薄井啓亨(vo、g)が
http://ginbansha.com/tsurugaya/?p=517
に書いた曲解説を読むとソングライティングのモチーフやら何やら色々と興味深い。
日本語のみで綴られた歌詞は、
本来の意味での風俗、風習、文化などの日本の伝統を踏みしめて命を咲かせる。
もちろん内向き志向にとは一線を画し、
世界に放つ意識はヴォーカルにもよく表われている。
ところによってはNEWEST MODELがゴツくなって砕けたような歌い方のヴォーカルは、
民謡と演歌と童謡の間を豪快に巡り廻った節回しの堂々たる歌いっぷりで圧倒するのであった。

臆せぬ“再デビュー盤”である。


★鶴ヶ屋『鶴ヶ屋』(銀盤社 GBS-0005)CD
約32分9曲入り。
紙質とデザインにも気を使った読みやすい縦書きの四つ折り歌詞カード封入のデジパック仕様。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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