A(エース)『AND WE DON'T CARE』
2016-10-27

The STALIN~ROAD WARRIORS~Nickey & THE WARRIORSのケイゴが10年以上率い、
女性シンガーを擁する大阪のポップ・パンク・ロック・バンドの約12分5曲入りCD。
本作にクレジットされているメンバーは
ケイゴ、Kassun、HARUYA(以上vo)、
元GLOOMのHABI、RIGIDのタカショー(以上g)、
FRAMTIDのアラジン(b)、
R.O.Mのトモ(ds)、
Nisshan(kbd、vo)で、
ハードコア・パンク系バンドのドラマーとして知られる人が色々演奏しているところがポイントの編成だ。
曲はNickey & THE WARRIORSを思わせるバッキング・ヴォーカルが冴えるケイゴが作ったそうだが、
ROAD WARRIORSやNickey & THE WARRIORSをさらにポップ&メロディアスにしたかのようだ。
“末期”SEX PISTOLS~PROFESSIONALS 、
あとやっぱりRAMONESや初期BLONDIE、チェリー・ヴァニラを思い出し、
ありそうであまりない貴重なほどドリーミーなパンク・ロック・チューンツボを突きまくりである。
キーボードがやさしい彩りを添えているアレンジも素晴らしい。
一切芝居がかってない歌い方のリード・ヴォーカルのKassunのまっすぐな歌声も光る。
GORILLA ANGREBを筆頭に欧米各国から出てきた
2000年代以降の女性ヴォーカルのメロディアスなパンク・ロック・バンドの日本解釈にも思える。
ハート・ウォーミングなメロディと音と歌詞ながら“J-POPな前向きソング”とは一線を画す。
SEX PISTOLSの「Pretty Vacant」の歌詞のキメ言葉と同じCDタイトルがハマっているからこそ、
地球規模のポジティヴなパンク・ロック・ソングに成り得ているのだ。
アイドル・ポップスのようにも楽しめるが、
ここ数年の流行りのサブカルがかった地下系とは一線を画すまっすぐなメジャー感がたまらない。
パンクを超えたポピュラー・ミュージックとして琴線に響くラスト・ナンバーの「CODAMA」も含めて、
ヒットしてもしかるべきなほどポップスとしても上質な一枚。
★A(エース)『AND WE DON'T CARE』(MCR COMPANY/KING COBRA PROMOTION MCR-283/KCP-004)CD