BLACK SABBATH『The Ultimate Collection』
2017-01-30

BLACK SABBATHが70~78年にリリースした8タイトルの全アルバムから抜粋したCD2枚組。
曲目などはバンド自身が指揮を執ったらしく、
2009年のリマスタリングの音が使われ、
敷居の低い編集盤らしく若干取っつきやすい質感の音で仕上げられている。
ベスト盤と言えるのかもしれないが、
70年代のBLACK SABBATHがアルバムで発表した曲の半数近くの31曲が、
2枚組CD収録制限時間ギリギリの計150分強詰め込まれている。
ファーストの『Black Sabbath』収録のほとんど曲(6曲)が収められ、
オジー・オズボーン(vo)が(一時)クビになる直前の8作目の『Never Say Die』の曲が2曲で一番少ない。
そういった格差は自然であるし、
個人的には『Master Of Reality』の「Solitude」や『Never Say Die』の「Shock Wave」も入っていればベターながら
選曲もおおむね妥当だ。
時系列は無視した曲順だが、
レコーディングにおいては不変のメンバーだっただけに
70年代のBLACK SABBATHは曲調が違っていても同じ匂いがあってどんな曲順でも違和感がない。
要は変わってなかったということである。
ディスク1はキャッチーな曲を序盤に並べ、
「Paranoid」「Never Say Die」「Iron Man」といった並びで始まる。
ディスク2の序盤はさらにキャッチーで、
ディスク1のラスト・ナンバー「Rock 'n' Roll Doctor」からつながっている感じだ。
BLACK SABBBTHのイメージとはちょっと違う
「Dirty Women」「Evil Woman (Don't Play Your Games With Me)」「A Hard Road」といった
ゆるいロックンロール・チューンで始めている。
最後の最後は「It’s Alright」でしんみりと締め、
CD全体の流れも考慮されている。
というわけで曲を厳選した単なるベスト盤というよりは、
BLACK SABBATHのイメージを彩ってきた典型的な“サバス節”の曲だけでなく、
ファニーなロックンロール・ナンバーやピアノがリードする静かな曲まで楽しめるCDである。
和訳も付いているから歌詞も含めて、
これ一組で黄金期のBLACK SABBATHの豊かな音楽性と多様な意識が味わえるコンピレーション盤だ。
★ブラック・サバス『ジ・アルティメット・コレクション』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-17635/6)2CD
三面デジパック仕様。
上記のカタログ・ナンバーの輸入盤国内仕様は、
70年代のメンバーの顔写真と曲目クレジットで構成した8ページのオリジナル・ブックレットに加え、
歌詞と和訳と伊藤政則執筆のライナーが載った32ページの別ブックレットや、
ジャケット・デザインのステッカーも封入されている。
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