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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ele-phant『ele-phant』(7"レコード)

ele-phant.jpg


元BUCKET-T、KING GOBLIN、ABNORMALSのメンバーから成る、
東京拠点のギターレス・トリオele-phantがリリースした2曲入りの7”レコード作品。
これがまた物理的にも重み十分の逸品である。

7分近い大作曲の「かくす」はポスト・パンク風の空気感ながら、
NEW MODEL ARMYを想起したパワフルに跳ねる熱いプリミティヴ・ビートで疾走しながら展開。
やはりBORISを思い出す切ないメロディ・ラインにも引き込まれるが、、
丁寧な繊細歌唱だけでなくベースとドラムの音にも宿る歌心の力が大きい。

もう片面の曲の「針を落として」もタイトルからして意味深だ。
凝った体裁の本作にふさわしく、
パッケージからレコードを取り出してターンテーブルに置いて針を落として聴くことが
一種の儀式と思い起こすような歌のようで、
二重三重の意味を引っ掛けた物語がゆっくりと静かに5分を越えて綴られる。
日本の抒情と情趣が、
これまたヴォーカルだけでなくベースとドラムでも描かれていく曲だ。

呼吸しているほど生々しい仕上がりも含めて音楽的に一皮剥けて突き抜けた感もあるが、
音楽と共振して呼吸しているような蓋付き木箱仕様の匠の手作りパッケージの存在感にも圧倒される。
こわれものであり、
頑丈でもある、
ele-phantそのものだ。

限定50枚でパッケージの製作にも手間や時間等をかけているだけに高めの値段設定だが、
それだけの価値のある前代未聞のトータル・アート作品。
やはりすべてで表現なのである。


★ele-phant『ele-phant』(HELLO FROM THE GUTTER HFTG-019)7”
https://hftg.thebase.in/


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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