なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

PRIMITIVE MAN『Caustic』

PRIMITIVE MAN『Caustic』


米国西部コロラド州デンバーを拠点にしているスラッジ・コア・トリオ、
PRIMITIVE MANが昨年10月にリリースしたアルバム。
スプリット盤も含めて様々な形で音源発表をしてきているバンドだが、
本作に掛けられた“帯”の記述によれば“セカンド・フル・レングス”とのことだ。

むろん路線変更無し。
それどころかますますずぶずぶずぶずぶ底無し沼に引きずり込むサウンドの渦にめまいを覚える。
音も咆哮も呪詛の放射である。
気が滅入るぐらい抜け出し不可能なほど深い。
だがJOY DIVISIONに耳を傾けると生きる勇気が湧いてくるのと同じような感じで、
心の底と骨の髄を揺さぶる。

ノイズ・コントロールとリズムのタメでおのれの意識をじっくりと編み上げていき、
さりげなくフックを設けた曲作りにもゆっくりと持っていかれる。
初期のCORRUPTEDも思い出す。
ギターもメタルなリフだけでなく、
神経をおびやかす音色で銀河の如き寒々とした命のグルーヴの流れを生み出し、
鈍い光が放たれる。
ノイズ・ドローンのパートにしても頭デッカチじゃなく気持ちが入っているからだ。

ブックレットに手書き書体で綴られた歌詞は解読できる範囲で書くと
例によって“ここまで言うか!”ってなぐらいネガティヴ・モード一筋である。
メンバー全員がサンクス・リストに親も挙げているから家族関係は“重症/重傷”ではないようだが、
この“生”の響きを浴びればポーズじゃなく本気ってことがカラダでわかるはず。

満ち足りた顔と声で不平不満を歌って甘さを隠せない音楽とは真逆をゆっくりと進み、
否応無しに時代の空気を吸わされた“原人”の閉塞感を突き抜けようとするパワーが
自爆寸前でうごめいている。
けっこう静謐なだけに殺伐としてまた不気味なラスト・ナンバーは、
現代音楽系のノイズ/アンビエント・ミュージックのようでありながらも“救い”の調べだ。

2017年度のベスト・アルバムに追加したい“希望”あふれる強力盤。


★PRIMITIVE MAN『Caustic』(RELAPSE RR7376)CD
12ページのブックレット封入の約78分12曲入り。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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