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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

黒岩あすかと夜『黎明』

黒岩あすかと夜


大阪生まれのシンガーソングライターの黒岩あすかが、
『光与影』と同時リリースしたセカンド・アルバム。

こちらは去年の7月から始めたバンド編成でのレコーディングだ。
メンバーは、
黒岩あすか(g、vo)、
須原敬三(b~ギューンカセット主宰者、サイケ奉行 etc)、
澤野祥三(g~ウンラヌ、魚雷魚、したっぱ親分、NEOJAPANESE)、
秋葉慎一郎(ds~ACID EATER、AYM、ayathmo、OZ、Instant Karma!、ウンラヌ etc)
である。


ファーストの『晩安』や『光与影』にも収録した曲がほとんどだが、
他の演奏者とのバンドならではのケミストリーで長めにリメイクしている。
8分前後の2曲、13分弱の1曲、10分弱の1曲を含む約48分6曲入りのヴォリュームながら、
音のフックだらけで取っつきやすく一気に聴かせるちからがある。

須原をはじめとするバンド・メンバーの黒岩に対する慈しみ溢れる演奏で、
黒岩ならではの“こわれもの”の静謐な佇まいにエレクトリックな響きを絶妙にブレンド。
たおやかに研ぎ澄まされたサイレントな歌とサウンドに覚醒される。
長めの曲は轟音寸前のダイナミックな演奏も際立つが、
日本語の繊細な語感を活かしたデリケイト極まりないヴォーカルが入るところは黒岩の声に寄り添う。
どんな曲でもミニマルかつリリカルな黒岩のギターがゆっくりとリードして引き締めている。
と同時に息を吐くような“生”の黒岩の肉声は、
バンドの音に包まれて“ウィスパー・ヴォイス”と言いたくなるポップ感も醸し出している。

すべての響きからから“黎明”の歌心がひっそりと湧き上がり、
優美なサイケデリック・ロックの新たな名盤とも言い切りたい絶品だ。
ライヴが観たくなる。


★黒岩あすかと夜『黎明』(ギューンカセット CD95-80)CD
手書き書体で歌詞と作品クレジット
(担当パートの名前は各々の自身のものと思しき手書き書体で記されている)が綴られた、
8ページのブックレット封入の48分強の6曲入り。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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