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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

湊雅史×藤掛正隆(MINATO×FUJIKAKE)『Awkward Waltz』

藤掛 湊FCDR2036j


ドラム・デュオという珍しい作品である。

80年代後半にDEAD ENDで叩いて現在は多彩な活動を展開している湊雅史と、
元ZENI GEVA~#9で現在はEDGEや渋さ知らズなどで多彩に活動している藤掛正隆が、
昨年8月に横浜ストーミーマンデーで行なったライヴの音源を編集。
湊はチンリング、
藤掛はエレクトロニクスもあやつっている。

ジャズっぽいドラムもちょろっと聞こえてくるが、
どちらも根が豪快だからジャズになることはなく、
静けさを司りながらプリミティヴに加速していく。

曲によってはスペーシーな味わいも滲み出ていてメロディも漏れ聞こえてくる。
“二人クラウト・ロック”と呼びたくなる趣も醸し出され、
クラウト・ロックがかった祭り太鼓っぽいリズムのドラムでゆっくりゴロゴロ転がってもいく。
地域不詳の民俗音楽みたいな曲もあるし、
それぞれ別々のリズムで始めながらいつのまにかドラムがハーモニーも織り成す。
もちろん反復中心ながらいわゆるトランス・ビートとは一線を画す肉体的なリズムばかりで、
緩急織り交ぜてグルーヴィなドラムがずっとドライヴしていくのであった。

ドラムが踊り、
ドラムが躍る。
“ドラム交感”でしか生まれ得ない大胆かつ繊細なダイナミズムがとても新鮮だ。

ドラムのセッティングが見えてきそうなほど立体的な音の仕上がりも特筆すべきで、
とにかく“鳴り”のイイ一枚。


★湊雅史×藤掛正隆(MINATO×FUJIKAKE)『Awkward Waltz』(FULLDESIGN FCDR-2036)CD-R
約41分7曲入り。
CD-Rながら盤面もデザインされた工場“プレス”の“プロコピー”の作りで、
薄手のプラケースもしっかり“シールド”されたパッケージである。
ライヴ会場と一部店舗/ネットショップのみの販売予定とのことだ。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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