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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

STUPID BABIES GO MAD×ABIGAIL split CD

STUPID BABIES GO MAD×ABIGAIL split CD


日本の凶器パンク/メタル・サウンドのバンド同士のスプリットCD。
どちらも今夏レコーディングした音源で、
日本のバンドのカヴァーを一曲ずつ収録している。


静岡拠点のSTUPID BABIES GO MADは4曲提供。
いかにもの“MOTORHEAD meets DISCHARGE”なスタイルとは完全に一線を画し、
日本語ヴォーカルもいい。

まずは80年前後に活動していたシルバースターズの「ぶちころせ」をカヴァー。
謎の存在として知られるバンドで『Rape Noise』というアルバムに収めた曲だけに
STUPID BABIES GO MADにピッタリで、
ミディアム・テンポから加速していくハードコア・パンク・ロックに仕上げている。
2曲目は高速ノイジー・パンク・ロックだが、
中間部ではKING CRIMSONちっくな変則リズムを使っていてサビにはメタルなコーラスも。
3曲目は高速パンクで哀愁のコーラスも絡む。
そして6分半を越える4曲目はフリーキーに凝っているがこの曲でもスピード感をキープし、
ノイジーな中にメタルな“泣き”のギター・ソロも滑り込ませている。


一方の東京拠点のABIGAILは3曲提供。
今回もズバ抜けたセンスを発揮し、
パンク・ブラック・メタルなヴォーカルも冴えわたる。

1曲目は不穏な音色の高速メタル・パンクで飛ばし、
聴かせどころを設けても加速度が絶えない曲作りもさすがで、
キャッチーなフックもさりげない。
続くは米国のSHITFUCKERとのスプリットEP収録曲「Bloody Your Lovely Pussy」だが、
日本語ヴァージョンのリメイクでこれまたクールだ。
ラストはSIGHの「式神/Shikigami」のカヴァー。
日本出身ながら世界規模の活動でブラック・メタルもキーワードの一つという点も含めて、
近いフィールドのバンドの曲である。
しかもSIGHのリーダーのMiraiのフルート、ストリングス、ハモンド、ティンパニーの音も入れ、
じわじわと狂気が沸き立つカオティックなミディアム・テンポ仕上げでお見事なのであった。

オススメ。


★STUPID BABIES GO MAD×ABIGAIL(HELLO FROM THE GUTTER HFTG-044)split CD
薄手の二つ折りペーパー・スリーヴ仕様の計約24分7曲入り。


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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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