DOTRASH『Dotrash』
2023-01-27

PRAMBATHやBOYS ORDERなどで30年近く活動してきているチヒロ・イサドラ(vo、b、syn)と
キャプテンLFO(g、vo)、
初期PRAMBATHのドラムでもあったレイコ・レオパード(ds)による、
関西拠点のバンドのデビューCD。
収録曲は7曲、
でも聴きごたえありありの快作だ。
リリース元のHARDCORE KITCHENのブログ・サイトに載っているインタヴューによれば、
バンド名は造語とのこと。
"DOT×RASH"(水玉だらけ)と"DO×TRASH"(めちゃくちゃになれ!)のWミーニングで、
DOTRASH(ドットラッシュ)になったらしい。
ぴったりである。
実のところ英国のWIREの「Dot Dash」という(1978年のシングルの)曲が大好きで、
そのタイトルをそのままバンド名にするのも気が引けて、
前述のような意味合いでバンド・ネームを決めたという素敵な逸話もある。
ちなみに今回収録したオリジナル曲の「Dotrash Days」は
WIREの「Dot Dash」のアンサー・ソングで、
なるほどWIREっぽいミニマルな反復がポイントの最高の曲だ。
他の曲もクオリティが高く、
アレンジも見事と言うほかない。
パンク・ロックといえばパンク・ロックかもしれないが、
とにかく深い。
ハードコア・パンクのスピード感のパートにもヤられる。
メンバーの音楽趣味は幅広い。
前述のインタヴューの“勝手気ままな私のベスト3”というコーナーで、
キャプテンLFOはVELVET UNDERGROUNDの『The Velvet Underground』と
FUGAZIの『Repeater + 3 songs』とCREEDENCE CLEARWATER REVIVALの『The Concert』、
レイコはFLAMING LIPSの『Yoshimi Battles The Pink Robot』と
SLAYERの『South Of Heaven』とKISSの『Unmasked』、
チヒロはDUGITESの『The Dugites』とFM KNIVESの『Useless & Modern』と
DONOVANの『Donovan’s Greatest Hits』
を選んでいる。
そのまま影響が表れているとは言わないが、
今回のCDを聴くと、
妙に納得できるセレクションである。
全編ポップなのに一つ一つの出音の鳴りが恐ろしく強靭なことにもビックリ。
やっぱり長いキャリアの為せるわざと言い切れるクールなCDだ。
英語が大半ながら曲によっては歌詞に日本語を絡めているヴォーカルもパンチが効き、
声のリズムがバッチリの存在感で迫るのであった。
大スイセン。
★DOTRASH『Dotrash』(HARDCORE KITCHEN HCK-053)CD
歌詞が載ったカラフルな8ページのブックレット封入の約19分7曲入り。
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