なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SUFFOCATION『The Close Of A Chapter:Live In Quebec City』

SUFFOCATION.jpg


ニューヨーク州ロングアイライド出身の重鎮デス・メタル・バンドのライヴ盤。
MORBID ANGELやCANNIBAL CORPSE以上に、
デス・メタルの王道を貫く威風堂々のパフォーマンスである。
スピーカーから浴びれば五臓六腑に響き、
バンド名どおりに“息の根を止める”問答無用のサウンドだ。

収録場所はカナダのフランス語圏のケベック。
レーベルの人によれば2005年の録音とのことで、
同じ年に行なった来日公演を思い出す濃密な仕上がりである。
緻密なスタジオ録音で迫力満点のデス・メタル・バンドがライヴだとイマイチなこともあるが、
彼らは違った。
あくまでも肉体的なのだ。
それでいてクールな質感がたまらない。
演奏はテクニカルで音のテクスチャーはかなり複雑だが、
そういったことを感じさせない猛烈な突進力とツボを突くソングライティングも言うこと無しだ。

平板な音の仕上がりのCDとは一線を画す音の鳴りそのものが脈打っている。
妙なedit(編集)を施さぬrawな音ながらもパーフェクトなマスタリングで、
弦楽器をあやつる指の動きやドラムを打つ手足の動きも見えてくるほどの音像が素晴らしい。
デス・ヴォイスに命を懸けたヴォーカル、
音域の違いが際立つ2本のギターとベース、
ブラスト・ビートを多用するドラムのすべてが中低音域にもかかわらず、
5人それぞれの“個”が見えてくるのだ。

ライヴだとシンガーがスキンヘッドでギタリストの一人とドラマーが黒人というヴィジュアルも印象的だが、
90年の結成以来ベーシスト以外はオリジナル・メンバーという結束の固さもやっぱり大きい。
ブルータルでありながらも凛とした佇まいに美意識も感じられる。
ブラック・メタルとは違っていつの時代もトレンドにならないデス・メタルだが、
逆にそれは誇るべきことである。
喰らっとけ。


●サフォケイション『ザ・クローズ・オブ・ア・チャプター』(リラプス・ジャパン YSCY-1160)CD
日本語によるバンドのバイオグラフィー付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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