なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SEPTIC TANK『Septic Tank』

MCR-266-350.jpg


CATHEDRALの最終メンバーである
リー(vo~元NAPALM DEATH)とギャズ(g~元ACID REIGN)とスコット(b~REPULSION)が、
レコーディング・エンジニアとしても知られるゴメス(ds)と組んだバンドの4曲入りのデビュー7”EP。


CATHEDRALのメンバー3人が在籍する新バンドであることは確かだが、
録音とミックスとマスタリングに加えてソングライティングも一人でやったことを示すクレジットから察するに、
ゴメスが中心人物のようだ。
ゴメスはリーのレーベルであるRISE ABOVE Recordsのレコーディングに携わってきている人で、
ADMIRAL SIR CLOUDESLEY SHOVELLの『Don’t Hear It...Fear It!!‎』のマスタリングも行ない、
GHOSTの『Opvs Eponymovs』のミックスとマスタリングも行ない、
ANGEL WITCH‎の『As Above, So Below』はプロデュースもしている。
もちろんゴメスはCATHEDRALがリリースしたばかりの最終作『The Last Spire』でも、
録音とミックスとマスタリングを手がけてプロデュースにも関与しているのだ。

レコーディングは昨年10月。
81~82年頃のDISCHARGEにドゥーム・テイストを嚙ませたようなハードコア・パンク2曲と、
SIEGEとDROPDEADの間を行くクラスティーなファスト・コアの1曲で飛ばし、
NAPALM DEATHもカヴァーしたカナダのSLAUGHTERへのオマージュみたいな
タイトルそのままのスロー・ダウン・ナンバー「Slaughter」で締める。
歌詞も含めてトータル・グルーミーなハードコア・レコードだ。

前述したように曲を書いたのはドラムのゴメスだが、
他の3人のプレイも非常に非常に素晴らしい。
スコットのベースはREPULSIONそのままだし、
ギャズの初期ANTI-CIMEX風のギターにも痺れる。

そしてそして何より一声吐いただけで誰のスクリームかわかるリーのヴォーカル。
かなり前からNAPALM DEATHのシェーンとハードコア・パンクをやると言っていたにもかかわらず、
いまだ実現してないわけだが、
CATHEDRALではあまり出さなかったこの発声を活かさないのはもったいないと再認識した。
個人的には、
95年11月に行なわれたトッツァン(SxOxB)追悼ライヴ・イベントの東京編で
ケヴィン・シャープ(BRUTAL TRUTH)がシンガーを務めたSxOxBのステージに飛び入りし、
超絶スクリームを披露した時以来のリーのハードコア歌唱で感無量である。

とにかくこのままアルバム・レコーディングに突入していただきたい。


コンスタントに続けている中で最も活動歴が長い日本のリアル・インディ・レーベルで今年30周年を迎えた、
京都府舞鶴市のMCR Companyからこのデビュー盤がリリースされたことも非常に興味深い。
レーベル主宰者のYumikesによれば、
昨秋リーから突然「新しいバンドの音源をMCRから出してくれないか」と直接メールが届いたという。
普段からやり取りしていたわけではなく十数年ぶりのリーからの連絡で驚いたようだが、
MCRは昔SxOxBとNAPALM DEATHの89年のスプリット・ソノシート(flexi)をディストリビュートしたことがある
(リリース・レーベルはSxOxBの故トッツァンのSOUND OF BURIAL)。
リーはNAPALM DEATHを脱退してCATHEDRALを結成してからも
テスト・プレスと共に「リリースしてほしい」という手紙をMCRに送ってきたらしいが、
初期CATHEDRALの極端なサウンドをYumikesが理解できなかったので話は立ち消えになった。

だがリーはずっとMCRを気に掛けていた。
付き合いが長い日本のバンド・マンたちと同じくMCRに対してのリーの変わらぬ信頼感が
今回のリリースにつながったのである。
本作のアートワーク担当が、
SxOxBの最初の2作『Leave Me Alone』『Don’t Be Swindle』のジャケット画も描いた、
カズヒロ・イマイ(元BLOW ONE'S COOL~FIRST ALERT、現LIQUID SCREEN)なのも必然だ。


というわけで入手困難になる前にこれは買いだ!


★SEPTIC TANK『Septic Tank』(MCRカンパニー MCR-266)7”EP
5月15日(水)発売。


スポンサーサイト

コメント

ようやく入手しました

リー・ドリアンのNapalm Deathとも異なるストレートなハードコア歌唱が、燃えますね。
ここ10年くらいのCathedralの作品は、いずれも佳作ではあるとは思うものの、自分たちの今やりたいこととパブリック・イメージとの折り合いをどうつけるかに悩んでいたようにも聞こえます。だから活動終了は個人的には(大好きなバンドだったにも拘わらず)それほど残念という気はありません。むしろ、こうして新しいことにチャレンジしてくれるのがワクワクします。Burrn!のインタビューで言っていた「70年代イタリアン・プログレッシヴ・ロックにインスパイアされたバンド」も早く聴いてみたいです。

Fripperさん、書き込みありがとうございます。
リー・ドリアンは安定に安住するタイプの人間ではないですからね。NAPALM DEATHを抜けたのは人間関係の問題もあったみたいですが、あの時も次に進むべく動いたわけで。
CATHEDRALはドゥームといっても音楽的に幅を広げすぎて、その引き締めが解散の結論に至ったとも想像します。SEPTIC TANK一筋ということはないと思われますから、プログレ・バンドも楽しみです。CATHEDRALもいい意味で結局ハードコア/アナーコ・パンクの色が滲み出ていたから、そういう要素もキープされそうですし。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1036-8b562403

ケノーベルからリンクのご案内(2013/05/15 09:08)

舞鶴市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (291)
映画 (254)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (413)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (94)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (121)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん