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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

LENA CIRCUS with Hiroko Komiya『Toki No Arika』

lena.jpg


パリ拠点のトリオ・バンドのLENA CIRCUSに、
舞踏の分野で音楽活動をしている小宮広子が加わった一昨年11月のライヴを収録。

LENA CIRCUSは99年以来ライヴ・ペインティングやシネマ・コンサートなどの実験的な活動を展開し、
舞踏のパフォーマンスの場でも音楽をやるところが接点になったようである。
本作はもともと昨年末から今年頭にかけてフランスのレーベルからリリースされたCDで、
渋さ知らズのリリースで知られる地底レコードがこのたび日本に配給を始めた。

ドラム、ギター、ウクレレ、フルートなどを使ったLENA CIRCUSの演奏は、
インプロヴィゼイションにも聞こえるがドラマーがすべて作曲している。
どのジャンルでもそうだがドラムをやっている人が作った曲は、
ステージ後方から全体を見渡しているようなバランス感覚と広がりがある。

研ぎ澄まされた音がたゆたい荘厳な空気感を醸し出しており、
フリー・ジャズも民俗音楽も欧州の中世音楽も溶け込んでいるみたいで、
灰野敬二/不失者のサウンドを思い出す。
ただし“ハード・ロック色”はまったくない。

弦楽器と打楽器の絡み合いが目立つ静謐な響きの流れだが、
意思が見え隠れしているからぼくにとってはロックだ。
さらにパーカッションや石/竹/水/砂/貝殻を使って音を出しながら、
ときおり小宮が解き放つヴォイスは幼女と妖女の危うい境界線上でゆっくりと踊っている。

サイケデリックと呼ぶことにぼくはなんのためらいもない。


●レナ・サーカス ウィズ ヒロコ・コミヤ『時の在処』(MIMIMI MMMR LC05)CD
埋もれさせたくない約56分7曲入りの佳作。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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