なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『ロマン・ポランスキー初めての告白』

MAIN縲後Ο繝槭Φ繝サ繝昴Λ繝ウ繧ケ繧ュ繝シ蛻昴a縺ヲ縺ョ蜻顔區縲阪Γ繧、繝ウ_convert_20130515122022


『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)や『戦場のピアニスト』(2002年)などで知られ、
ポーランドを代表する映画監督の一人であるロマン・ポランスキーのドキュメンタリー映画。

長年のビジネス・パートナーのローラン・ブーズローが行なったインタヴューを中心に、
映画のシーンに加えてプライベートな貴重な写真や映像を盛り込んだ構成である。
ポランスキー・ファン必見!なのは言うまでもないが、
数奇な運命をたどった波乱万丈の人生そのものが映画と言えるドラマチックな人だし、
予備知識がない方も十二分に引き込むエキサイティングな仕上がりになっている。

1繧オ繝厄シ狙convert_20130515122124

1933年にパリで生まれ、
3年後には一家でポーランドのクラクフに移住。
間もなく第二次世界大戦が勃発してポーランドにナチス・ドイツが侵攻し、
ユダヤ人であるがためにポランスキー一家は生死の崖っぷちを別々に歩んでいくことになる。

生き延びたポランスキーは少年時代の俳優経験を経て映画を撮る方の道に進み、
『水の中のナイフ』(1962年)で長編デビュー。
コンスタントに映画を作っていって『ローズマリーの赤ちゃん』ではハリウッドに進出し、
女優シャロン・テイトと1968年に二度目の結婚をするも、
世界を揺るがした惨劇が順風満帆のポランスキーを襲う。

ポランスキーは“二人の家族”を亡くした悲しみを乗り越えるためにまもなく映画制作を再開。
コンスタントに撮っていくが、
1977年にLAで13歳の少女に対する“ワイセツ事件”を起こして逮捕される。
しかし保護観察の身でフランスに国外逃亡し、
以降アメリカに身柄を引き渡さないであろう国で映画の制作を続行。
盟友イエジー・スコリモフスキ監督の『エッセンシャル・・キリング』にも出演した
女優エマニュエル・セニエと89年には結婚し、
一男一女をもうけて初めての安定した家庭生活を送っている。
むろん映画監督としても現役続行中だ。

3繧オ繝厄シ点convert_20130515122343

戦時中だった子供の頃の体験をはじめとして人生が自分の映画に反映されていることなど
むろんポランスキーが映画を語るシーンも含まれているが、
自分の作品に対する細かい言及は最小限に抑えられている。
あくまでもポランスキーを取り巻く“人間関係”が核になっており、
どういう人生を送ってきたかがテーマの映画である。
要は監督としてだけでなく私生活でも有名なポランスキーならではの切り口なのだ。

第二次世界大戦中にポーランドに住んでいた人間に平穏な日はなかったが、
特にユダヤ人はナチの“狩り”から逃れて生存することに命を賭けていた。
子供時代に体験したポランスキーの悲劇も、
ニュースフィルムを適宜挿入しながら生々しく伝えられる。

チャールズ・マンソン・ファミリーが最愛の妻を殺ったあたりの話もヘヴィだ。
生前のシャロン・テイトの姿をたっぷり盛り込み、
と同時に事件直後の現場も映し出し、
「人生で最高にしあわせな時代」から「間違いなく人生最悪の悲劇」に暗転した
ポランスキーの心情を見事に表している。

2繧オ繝厄シ胆convert_20130515122242


“事実は小説よりも奇なり”じゃないが、
“事実は映画よりも酷なり”という体験を子供の頃に続いて乗り越えた
ポランスキーを襲ったもう一つの“山場”は1977年の“淫行事件”である。
2009~2010年に行なわれたポランスキーに対する本作のインタヴューも、
この事件絡みで遂に拘束されてスイスの自宅で軟禁中に行なわれたものだ。
“強制ワイセツ”とされる事件とはいえモテ男ならではの自業自得にも映るし、
本人も正直に「ヤった」と認める。
“世のため人のための文化人”とは一味違うアーティストは世間に背を向けたロクデナシだったりするが、
“さすがポランスキー!”とも言ってしまいたくなる。
その被害者の女性が登場して語るシーンも加えられ、
続けてポランスキーも妻シャロン・テイト惨殺事件後のことも含めてマスコミに対する不信の思いを語る。


インタヴューは英語で行なわれているが、
ポランスキーが語る言葉はけっこう聞き取りやすい。
ゆっくりのテンポでリズム感がある。
余計な話を詰め込まずシンプルにポイントを押さえた構成も特筆したい。
最近ポーランドに行ったこの映画宣伝担当の方が「本当にみんなから愛されている監督」と言っていたが、
なぜそうなのかもよくわかる。
ポランスキーの映画をますますもっともっと見たくなること必至のドキュメンタリー作品だ。


★映画『ロマン・ポランスキー初めての告白』
2011年/イギリス+イタリア+ドイツ/90分/ヴィスタ/原題『Roman Polanski : A Film Memoir』
6月1日(土)、渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー。
同時上映 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)ニュープリント版、
『水の中のナイフ』(1962年)、『反撥』(1965年)、『袋小路」(1966年)デジタルリマスター版。
http://mermaidfilms.co.jp/rp
©2011 ANAGRAM FILMS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1040-4e90ed71

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (291)
映画 (254)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (413)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (94)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (121)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん