HAWKWIND『Warrior On The Edge Of Time』(3枚組リイシュー盤)
2013-06-21

リリース前後にクビになったレミー(b、vo)在籍時の最後のアルバムでもある
75年の5作目のリイシュー盤。
それぞれ別デザインの紙ジャケットに入った2枚のCDと映像無しの1枚のDVDが、
オリジナル・アートワークをリメイクした小箱に16ページのブックレットと共に収納されている。
同じ曲の同じヴァージョンが6パターン(+ボーナス・トラック)聴けるマニアックな作りだが、
やはりファンならこたえられないボックスだ。
約69分18曲入りのディスク1のCDは“1975 Stereo album mixes”と題されている。
本編は従来のミックスだが、
オリジナル・ステレオ・マスター・テープのリマスタリングでよりパーカッシヴな響きに聞こえる。
本編はフルートやヴァイオリンやシンセサイザーやツイン・ドラムが和声を織り成し、
たそがれの戦いの歌心が滲むヴォーカルも相まってロマンあふれるサウンド。
しあわせになれる。
ボーナス・トラックは8曲。
MOTORHEADがリメイクした「Motorhead」(シングルのB面曲)から始まり、
本編の曲を別のメンバーの声で作ったヴァージョンやデモなどの本編録音時の5つの未発表音源が続き、
リーダーのデイヴ・ブロック(vo、g、kbd)が歌うヴァージョンの「Motorhead」などの2曲で締める。
“New stereo mixes”と題された約79分15曲入りCDのディスク2の本編は、
スティーヴン・ウィルソン(PORCUPINE TREE、STORM CORROSION)が新たにミックスしたものだ。
各パートを戦わせるというよりデリケイトかつタイトに融和させて音のバランスが良く、
まろやかなサイケデリック感覚も味わえる。
5曲のボーナス・トラックは
9分近くに及ぶ本編録音時の未発表のインスト・ナンバー「Down」が特に聴きどころで、
75年8月録音(だからレミーがクビになってまもない頃のはず)のライヴ3トラックが続く。
一方ディスク3のDVDは日本製のプレイヤーで鑑賞可能だ。
裏ジャケットには、
“5.1 Surround Sound Mixed By Steven Wilson”
“New Stereo Mixes By Steven Wilson”
“96 kHz/24-bit Flat Transfer Of The Original Stereo Master Tapes”の
3パターンが聴けるような感じでクレジットされているが、
どうもよくわからない。
ぼくのプレイヤーでは
“オーディオ・セットアップ”を切り替えることでアルバム本編の10曲が4パターンの音で聴け、
映像は入ってないが、
画面にはジャケット・アートワークが部分的に使われた画が映し出される(曲によって微妙に変わる)。
まず4パターンのうちの2つの“DTS 96/24 5.1 Surround”と“Dolby Digital 5.1 Surround”に関しては、
残念ながらぼくのオーディオ・システムではその効果を発揮した音では再生できない。
だがあとの2つは強力だ。
“24-bit 96 kHz LPCM Stereo”は広がりと立体感がビックリするほど格別で音の艶と分離が良く、
トランス感が増している。
そして“Original Stereo Master(96 kHz 24-bit)”はラフで攻撃的に聞こえ、
ごついロックな響きが楽しめる。
楽曲の良さも手伝って何時間も何時間も同じ曲を違うミックスなどで聴いていると、
ますます解放されるアルバムだ。
★HAWKWIND『Warrior On The Edge Of Time』(ATOMHENGE ATOMCD31037)2CD+DVD
現在もバンドを率いるデイヴ・ブロックの発言を盛り込んだライナーや写真などで構成した、
16ページのブックレット封入。
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