なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NICO『Reim Cathedral December 13th 1974』

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VELVET UNDERGROUNDのファーストでも歌っていて女優としても知られ、
88年に事故死したニコのタイトルどおりの11曲入りの独演ライヴ盤。
昨年の11月頃にリリースされたものだ。

フランスの大聖堂でのプレイで対バンがTANGERINE DREAMというのも興味深いが、
この公演の後に怒ったカソリックは教会が汚されたと抗議したという。
邪悪で尊い“讃美歌”のニコならではのエピソードである。

ハーモニウムを弾きながら慄然と歌い倒す53分。
このライヴの直前に出したソロ4作目『The End』の曲の他に、
セカンド『The Marble Index』(69年)とサード『Desertshore』(70年)の曲をやっている。
むろんジョン・ケイルがプロデュースしたそれらのスタジオ録音みたいな脚色はなく、
変色しなからも屹立したニコの心のヒダが剥き出しモロ出しで震えている。
不遜なほどエゴ剥き出しの歌声はもちろんのこと、
ミニマルに寄せては返すハーモニウムも妖気が荒く息をしている。

いわゆるクリーンな音質ではないかもしれないが、
マスタリングもいいのか響きがくっきり肌で聞き取れるほど臨場感たっぷりの仕上がり。
ポーズもウソもないからストロングなサイケデリック音像にめまいがしてくる。
プレイ中は静かで曲が終わるたびに拍手喝采になるから観客は固唾を呑んで観ている様子が想像できるが、
そうなるのも当然の張り詰めた空気だ。

人助けするより自分を救わないと死んでしまう人間の表現ならではの骨まで響く生の声そして音。
軋みを立てた強靭な祈りが貫く。
命を削った自己救済は他の人間をも解放する。

まさにグレイト。


★NICO『Reim Cathedral December 13th 1974』(CLEOPATRA CLP 9430)CD
小さな文字で書かれたライナー付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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