なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

BOSTON『Live Agora Cleveland 1976』

BOSTON.jpg


最初にレコードを買った洋楽バンドの一つだからBOSTONは死ぬまで思い出であり続ける。
というわけでデビュー・アルバム『Boston』を出した年のライヴ盤を購入。
法的な問題はクリアーした発売だと思われるが、
ブラケースに収まった薄手の紙の二つ折りジャケットの存在感も味気もないデザインからして
権利的に“灰色リリース”にも思える。
パッケージ裏には“このCDは北アメリカでは販売されない”ともクレジットされている。
けど内容は好きモノにはあらがえない泣けるパフォーマンスなのである。

BOSTONファンは年寄りだけかと思いきや、
同じ米国マサチューセッツ州のバンドであるSHADOWS FALLのメンバーもファンと言っていたし、
なるほど米国産メタルコアの適度に大仰でキャッチーなソングライティングはBOSTONに通じる。
NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」の必殺リフの元ネタが
本作にも入っているファースト・シングル「More Than A Feeling」ではないかという説もある。
善悪ひっくるめて物事ぜんぶつながっているのだ。

むろん異様に軽くて病的に緻密な作りのスタジオ録音の百万倍ラフだし、
とろく聞こえるスピード感のプレイである。
けど全米をはじめとして一世を風靡し始めた頃のステージだけに悪かろうはずはない。
音質も良好だ。

スタジオ録音のアルバムではGENESISやYES風のプログレっぽいアレンジも聞こえてくるし、
それは多少このステージでも引きつがれている。
大半の曲はあまり原曲を崩さずプレイしているが、
前述の代表曲「More Than A Feeling」は倍近くの長さにふくらませてプログレッシヴだ。
けど根がブルース/ブギをベースにしたハード・ロックンロール・バンドだとわかるライヴ盤でもある。
リーダーのトム・ショルツ(g他)はおそらく涼しげな顔をして弾いているんだろうが
(「Smokin’」などで聴こえてくるオルガンもトムが演奏しているのか?)、
対照的な風貌のシンガーの歌唱が必要以上に暑苦しくてなかなかステキなヴォーカルだから、
全編ハード・ロックとしか言いようがないのだ。
そもそも1曲目のタイトルからして「Rock’n’Roll Band」である。

この時点でセカンド『Don’t Look Back』(78年)収録の
「A Man I'll Never Be」「Don’t Be Afraid」をやっていることもビックリ。
「Help Me」「Television Politician」という未発表と思しき曲をやっているのも気になる
(後者は歌詞も気になる)。
JUDAS PRIESTのようなブリティッシュ・ヘヴィ・メタルとは違うツイン・ギターのハーモニーもたまらない。

BOSTONに一度でも心酔した方は避けて通れない感涙盤。


★BOSTON『Live Agora Cleveland 1976』(PLASTIC SOHO PLSOH011)CD
約58分11曲入り。


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コメント

行川さんが初めて買ったレコードがBostonとは!知らなかったです。
Bostonは全作好きですが、特に1stはCDを持っているにも関わらずレコードで買い直してしまうぐらい音作りに魅了されてます。
このCDはブートで持ってますが、音質が向上しているなら欲しいですね。

Korokuさん、書き込みありがとうございます。
初めて買ったレコードとなると歌謡曲の方で、洋楽ロックだとAEROSMITHかBOSTONかって感じです。
BOSTONを好きなのはセカンドまでなのですが、洋楽にウブだった頃に聴いたからというだけでなく、今聴いてもグレイトです。70年代当時はプログレ・ハードなドラマチックな曲に魅了されるばかりでしたが、今はアメリカンな馬鹿馬鹿しい味わいも気に入っています。あとスカした評論家にまともに相手されないところも素晴らしいですね。
ブートは持ってないので比較できませんが、音質良好です。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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