なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

UNKIND『Pelon Juuret』

UNKIND.jpg


日本にも同名のハードコア・パンク・バンドが存在するが、
これはフィンランドのハードコア・パンク・バンドの方の6作目と言えそうなオリジナル・アルバム。

フィンランド産でD-beatを絡めているとはいえ、
伝統的ないわゆるスカンジ・ハードコア・スタイルのノイジーな音ではない。
楽器を弾くメンバーのツイン・ヴォーカル体制とツイン・ギター体制も含めてTRAGEDYの流れをくむが、
2000年代に増殖したTRAGEDYフォロワーたちとは一線を画す。
セカンドまでのTRAGEDYの“ネクスト”に挑むようなダークネス・ハードコア・パンクだ。
北欧のバンドならではの応用力とデリケイトな感性でクリエイトし、
MORNEを思い出すドゥーミーなスロー・チューンも挟み込みつつ、
疾走感が抜群のドラマチックなメロディと共に驀進する。

歌詞は英語ではなく母国語でポリティカルなニュアンスに覆われてはいるが、
敵を作って我が身を守るプロテスト・ソングみたいなのじゃない。
“恐怖のルーツ”と訳せそうなアルバム・タイトルどおりに深遠だ。

本作の哀切の感情は最後のインスト・ナンバーに集約される。
ヘヴィなアンビエント・サウンドにバンジョーやアコーディオンが溶け込み、
彼の地の民謡をイメージする旋律に身震いする。
大きなお世話の正義を振りかざすメッセージの百万倍パワフルで、
百万の感情のヒダが静かに震える内省極まりない響き。
正真正銘のハードコア・バンドがこういう曲をやること自体がアグレッシヴであり、
今後ますます期待したくなる一枚だ。


★アンカインド『ペロン・ユレット』(リラプス・ジャパン YSCY-1265)CD
5つ折りのジャケットがブラケースに収まったパッケージの約34分8曲入りで、
日本仕様版は歌詞の和訳付。


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コメント

まだやっていたんですね。というよりパワーアップしてる感じですね。1stしか知りません。あのダークさがお気に入りでした。今は、もっと良さそうですね。

LIFEさん、書きこみありがとうございます。
ファーストは聴いてないので比較できないですが、やっぱりアメリカ産とは違うダークネスが好きです。スウェーデンのバンドとも微妙に匂い違いますね。フィンランド語で歌っているのもポイントでしょう。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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