なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

BL'AST!『Blood!』

DYMC202.jpg


何度か再編しているとはいえ80年代後半の活動が知られる、
カリフォルニアのハードコア・パンク・バンドのBL'AST!の未発表音源を収めたCD。


レコーディング時期はクレジットされていないが、
チャヴォがヴォーカルで最近もツアーを行なったBLACK FLAGのグレッグ・ギンのSST Recordsから出した、
セカンド・アルバム『It's In My Blood』(87年)のLPの収録曲とほぼ同じだ。
もっと言えばボーナス・トラック2曲入りの日本盤は、
同時期発表のEPの曲を追加した『It's In My Blood!』のCDとまったく同じ収録曲である。

だがこれがまた猛烈にカッコいい。
曲順だけでなく響きが違うから別物に聞こえる。

何かと話題の一枚である。

デイヴ・グロール(FOO FIGHTERS)が自分のスタジオで、
米国でのリリース元のSOUTHERN LORD Recordingsを主宰するSUNN O)))のグレッグ・アンダーソンや
BL'AST!らとともに今年ミックスしたことがその一つ。
NIRVANA加入前に叩いていたSCREAM時代の縁だろうか。
それはともかく80年代の息吹を真空パックしながら“2013年ヴァージョン”の音質になっており、
再ミックス/リマスタリングでのリイシューに積極的ではないSST RecordsのCDの多くとは違い、
しっかりと音が前に出た硬質な音像でアタック感が抜群だ。
弾丸サウンドに打ち抜かれるしかない。

もう一つの話題は、
ALICE IN CHAINSの現フロントマンのウィリアム・デュヴァールもギターを弾いていること。
デュヴァールも元々“こっち側”の人間で
当時は数少ない黒人ハードコア・パンクスとして存在感を放ち、
BL'AST!で演奏する前の80年代前半はNEON CHRISTのギタリストだった。
レコーディングには不参加だった『It's In My Blood!』にも入っている「Sequel」は彼が書いた曲である。

新たにミックスしてギター2本ということも手伝い、、
『It's In My Blood!』とは比べ物にならないぐらい音の厚みがある。
“非善人ハードコア”な歌詞もひっくるめてBLACK FLAG直系、
もっと言えばツイン・ギター体制だから81~83年のBLACK FLAGが加速したようなアルバム。
燃えるわ。


★ブラスト!『ブラッド!』(デイメア・レコーディングス DYMC-202)CD
日本盤はALICE COOPERの「School’s Out」とGERMSの「The Slave」のカヴァー追加で、
本編の曲の歌詞の和訳が付いた約40分13曲入り。


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コメント

再結成後のAlice In Chainsはずっと愛聴していたんですが、ウィリアムが元Bl'ast!とは知りませんでした。
しかもギタリストだったと知って二度ビックリです。
元々、何らかの繋がりがあって加入したんでしょうか?

Korokuさん、書き込みありがとうございます。
参加していたのはこのCDを録音した頃、『It's In My Blood』と同時期と思われる87年前後だけかもしれません。レコーディングした後に彼が抜けたから、本来セカンドになったであろうこの音源はお蔵入りにして、彼のギター抜きの音源で、『It's In My Blood』としてリリースしたのかもしれません。
加入は、おそらくこの前にウィリアムがギターを弾いていたNEON CHRIST時代からのつながりではないかと。ややマニアックな存在ですがNEON CHRISTもハードコア・パンク・バンドで、アンダーグラウンド・シーンのつながりで自然と縁があったと思います。

昔から好きなバンドだったので、今回のリリースはとても嬉しいです。しかしギターが1本増えたとクレジットされているわりに"It's In My Blood" CDと殆ど変わらない演奏だったので、テープの出所はどこだろう・・・と思っておりました。

しかし本当にミックス素晴らしく、SSTの音、特に音圧の低さにはかなり不満だったので、これで漸く本来彼等があるべき音が世に出されたのかな、と思います。そして今回のリリース、やたらとデイヴ・グロールの名ばかりが取り沙汰されているように思えますが、この作品で BL'AST! というバンドのカッコ良さがもっと日本でも認知されてくれたらうれしいです。

あと、NEON CHRIST も大好きなバンドなので、此処で言及して頂いてとても嬉しいです。

BANDITさん、書き込みありがとうございます。
テープの出所はメンバーでしょうね。SSTがリリースしたものは、他のハードコア・パンクのバンドより痩せて聞こえるものが多い気がします。録音から仕上げまでのどこかの段階で問題があったのではないかと・・・故意だった可能性もありますが。あの時代でも、rawであっても迫力のある音のアルバムはたくさんありますからね。BLACK FLAGでライヴやってるんだったら、グレッグ・ギンにSSTもののしっかりした形でのリイシューも望みたいです。
デイヴ・グロールをきっかけに一人でも聴く人が増えるといいかと思います。NEON CHRISTも渋くてクールなバンドですね。

先日は御丁寧な返信、ありがとうございました。
「It's in my blood!」と収録曲が重なっているので購入するつもりはなかったのですが、音の違いを確かめたくてついつい購入。
想像以上に音が分厚くて、特にドラムが凄まじくカッコよくなってて驚きました。ヘビーローテーションしております。

Korokuさん、書き込みありがとうございます。
返信が遅れて申し訳ありません。ドラムの音の違いは大きいですね。SSTものは、だぶん意識してそう仕上げているのでしょうが、痩せた音のものが多いです。LPはまだしも、特にLPをCDにしたアルバムのドラムは寂しい音になっているものが多いので、ありがたいリイシューだと思います。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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