なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

POWER TRIP『Manifest Decimation』

power-trip.jpg


米国テキサスのメタル・ハードコア・バンドのファースト・アルバム。

メタルとハードコアのブレンドで速いパートも多いが、
スラッシュ・メタルとハードコア・パンクのクロスオーヴァーによくあるスポーティなスタイルではない。
ギター2本の5人編成ながらCRO-MAGS直系で、
血潮が加速するバーバリック・サウンドが笑っちゃうほどカッコいい。
曲のタイプが違うとはいえMERAUDERのような突き抜け方だが、
ハードコア・パンク濃度も高いスピード感のアルバムだ。

なんせ音の筋肉がハンパじゃない。
なんちゅー熱量の高さ。
音楽性は違えど「Power Trip」という曲もあるMC5に迫るカロリー燃焼力の高い音に痺れる。
POWER TRIPというバンド名は謎だが、
サイケデリックとは違うパワーでトリップするサウンドだからと確信できる。
2000年代以降のB級米国産メタルコアの単細胞とは一線を画す印象的なソングライティングも特筆したい。

ヴォーカルからは血の湯気が湧き立っている。
全パートの楽器の血が沸騰している。
胸騒ぎがするサウンドにはホットな侘び寂びが効いていて、
いつでも死が隣人という事実を喉元に突きつける。
いわゆるタフ・ガイとは一味違うタフなインテリジェンスが動脈をドクドク流れる歌は、
適者生存と弱肉強食を超えて心を撃つ。
ラヴ&ピースが甘ちゃんでしかない今のシリアの状況が目に浮かぶ歌詞だが、
人生みな修羅場。
世界中どこで暮らそうが他人に頼らずおのれ自身が鍛えないと生き延びられない。

メロコアと同じくファッションに余念がないメタル・ハードコア系とはまったく別フィールド。
汗臭い胆力で心臓を目覚めさせるグレイトな一枚だ。


★POWER TRIP『Manifest Decimation』(SOUTHERN LORD Recordings LORD175)CD
約35分8曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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