なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

LEPROUS『Coal』& live at 渋谷クアトロ 10月9日

LEPROUS_jk.jpg


本作の共同プロデューサーの一人でヴォーカルとストリングス・アレンジで参加もした
イーサーンEMPEROR)のバックを務めることでも知られる、
2001年結成のノルウェーの“メタル・プログレッシヴ・ロック・バンド”による約2年ぶりの4作目。
海外では今年5月にリリースされている。

“KING CRIMSON meets BLACK SABBATH”とも言いたくなるが、
ギター2本でシンセサイザーやピアノも目立ちエクストリーム・メタルの血も流れ、
あくまでも現在進行形のサウンド・スタイルである。
デス/ブラック・メタリックなリフやヴォーカルも含むとはいえ、
CAVE INOLD MAN GLOOMあたりの“ヘヴィ・ロック進化形バンド”の取り込み方に近く、
そういう色は目立たない。
楽曲は長めで基本的には時折メタル要素が炸裂するプログレといった趣だ。
しっかりした歌い方のヴォーカルや北欧産ならではの凛とした佇まいも含めて、
やはりOPETHがポピュラリティを増したかのようである。

俺が!俺が!の演奏というより、
メンバー5人が自分自身を戦わせてサウンドの強度を増しながらハーモニーを生み出していく。
むろん単純なテクスチャーではないが、
メリハリのある音と曲でダイナミックに展開するし、
歌をメインに置いた構成だから取っつきやすい。
グレッグ・レイクやジョン・ウェットンもイメージする朗々とした憂いの歌唱がメインで、
トム・ヨーク(RADIOHEAD)やマシュー・ベラミー(MUSE)を思わせるファルセットも聴かせる。
感情が高ぶったパートではブラック・メタリックな喉を震わせるヴォーカルが綴る詞は英語で、
エクストリーム・メタル通過後の70年代までのKING CRIMSONといった終末の佇まいだ。

音はヘヴィでアタック感は強いがトリッキーではないし、
鍵盤楽器がリードする叙情性にも富んでいるからプログレ・ファンの方も是非!


★★★★★


この日本盤が発売されたタイミングでLEPROUSはイーサーンと帯同した日本ツアーを敢行。
その初日の公演を10月9日に渋谷クアトロで観た。
立場的にはイーサーンのサポート・アクトとしての出演で、
彼のアルバムではトビアス・アンダーソン(ds)とエイナル・スーベルグ(vo、syn、p)が参加する程度だが、
彼のライヴではメンバー全員がステージに立って一部ヴォーカルも務めてバック・バンド以上の責務。
にも関わらず
当然のことながらイーサーンのライヴの前にやったLEPROUS自体のパフォーマンスも熱演で、
今年のベスト・アクトの一つと言い切れる驚愕のステージだった。

伸びやかな発声でありながら感情の起伏でスクリームにも転換するヴォーカルも含めて、
MUSEがエクストリーム・メタルにファックされてヘヴィかつ強靭になったかのようだった。
新ベーシストのマーティンのプレイも先々月からLEPROUSのステージに立ったとは思えぬほどで、
フィンガー・ピッキングを多用しつつベースを打楽器みたいにも使い、
ドラムと共振してバンド全体のパーカッシヴな強度を増幅させていた。
そのドラムの音色は30年前ポジティヴ・パンクとも呼ばれたデス・ロックを思わせる独特のトーンで響き、
リズムの間の取り方も絶妙。
ライヴでのキーを握るハンマー・ビートや電子音も鮮烈で、
ドイツのエレクトロニック・ミュージック~クラウト・ロック~ニューウェイヴ風の流れを感じさせ、
スタイルは違えどRAMMSTEINに通じる構築性を見た。
一方でピアノが奏でるリリカルな調べにも痺れたのである。

プログレというより80年代前半のポスト・パンク~ニューウェイヴ・バンドっぽい、
きちっとした“正装”で固めてキチッと髪を刈ったメンバーの端正なルックスも印象的。
だがずっと鍵盤楽器の前に立っていたにもかかわらずエネルギッシュなアクションのエイナルをはじめ、
一音一音に感情と気合を込めていることが目でわかるメンバーの動きも熱かった。
45分ほどながら90分ぐらいに感じたほどの濃密なグレイト・ショウ。
10日と11日は名古屋と大阪でもライヴがあるから
観られる環境でも迷っている方は観に行くことをオススメする。
もちろん貫禄のイーサーン公演も楽しめる。


★レプラス『コール』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10044)CD
12ページのブックレット封入。
日本盤は本編の曲のリミックスを含む2曲追加の約65分10曲入りで、
本編の歌詞の和訳付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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