なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VANNA INGET『Ingen Botten』

VANNA INGET『Ingen Botten』


女性ヴォーカルを擁するスウェーデンのパンク・ロック系バンド、
VANNA INGETのセカンド・アルバム。

自国でどういうポジションのバンドなのかはわからないが、
このCDの裏ジャケットにはバーコードが付いているから
ピュアなアンダーグラウンドの活動フィールドではなさそうである。
アップ・テンポの曲が大半を占めるとはいえ、
音楽的にもパンク・ロックと言い切ることもできない。
でもむろんそういったことはどうでもいい話だ。
とても素敵な作品なのだから。

4人から5人編成になってオルガン/シンセサイザーの音も目立つ仕上がり。
“JOY DIVISION meets ECHO and the BUNNYMEN”といった様相の演奏は、
80年前後の英国のポスト・パンク/ネオ・サイケ系が前のめりになったかのようであり、
スロー・ナンバーは聖歌のように響く。
たおやかで冷たくシャープな音に目が覚める。
JOY DIVISIONを合理的に引用したみたいな大味でソツがない米国の2000年代以降のバンドとは一味違う。
演奏の硬さがゴツゴツした味わいになって表れているし、
パワフルな中で北欧の翳りと香りがゆっくりと旋回している。
開かれた音像がまぶしい。

母国語で歌っているが、
あまりクセがない。
民謡のようなメロディも研ぎ澄まされたまま鮮やかに滲み出て、
まっすぐで伸びやかな発声は凛としている。
パンクによくある作為がない。
そんなことしなくても自分自身を出せばいいことをわかっている。
存在感のあるシンガーだ。

ドラマチックな構成で地に足の着いた一枚。
オススメ。


★VANNA INGET『Ingen Botten』(HEPTOWN 68)CD
約35分11曲入りの三面デジパック仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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