なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

RED BACTERIA VACUUM 『Dolly Dolly, make a epoch』レコ発 2009年11月7日 at新宿ACB

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観ようとしていた他のいくつかのライヴとバッティングしていて多少迷ったが、
RED BACTERIA VACUUMを観るため、
25年前にAUTO-MODとG-SCHMITTを観て以来縁がない新宿のライヴ・ハウスACBに行く。

彼女たちを取り巻くシーンなどはほとんど知らずバンドの予備知識もあまりなかった。
でもどういうライヴか読めない予測不能の場に臨む心がなくなったらオシマイだし、
ミュージック・マガジン編集部経由で半ば偶然ぼくのところに回ってきた彼女たちのCDを聴き、
“このバンドは間違いない!”という確信があった。
そして果たせるかな。
行って良かった…というライヴに出会えたのはぼくもうれしい。

RED BACTERIA VACUUMは98年に大阪で結成して2002年に東京に拠点を移した女性トリオ・バンド。
これまでに2枚のミニ・アルバムやライヴDVDなどをリリースし、
3回のアメリカ・ツアーを含む精力的なライヴ活動を展開してきている。
今回は自主レーベルのGUZGUZ Recordsから10月に発表した、
ファースト・フル・アルバムのCD『Dolly Dolly, make a epoch』の発売記念ギグだ。


RED BACTERIA VACUUMのサウンドは、
HOLE、BABES IN TOYLAND、L7、LUNACHICKSあたりの、
オルタナティヴ・ロックと言うにはパンクっ気が強い80年代後半から90年代の米国の女性バンドを思い出す。
さらにKILL ROCK STARS Records周辺の新旧のバンドのメロディアスかつポップかつrawな感覚も含む。
NIRVANAやGREEN DAYも熱心に聴いてきたと想像できる曲だが、
女性ならではの発想があちこちからこぼれ落ちるのだ。
CDの盤面のデザインのように淡く多色な楽曲もチャーム・ポイント。
この日のライヴではCDでも数曲参加したゲストがラップトップでも音を入れてモダンな色を付け、
終盤にはこの晩の対バンの一つであるBLACK BOTTOM BRASS BANDなどの面々がホーンで加勢した。

ステージングも来日公演で観た前述の女性バンドたちとオーヴァーラップする。
スタイルではなく“ガールズ・バンド”と呼ぶべき奔放なハジけ方とナチュラルなやわらかさが肝なのだ。
それプラス、
誤解を恐れずに言えば、
あくまでもいい意味でヨシモトの流れを感じる押しの強いMCも、
あくまでもいい意味でBENTEN Labelっぽい日本的な屈折感も、
“部外者”を自分らのフィールドに引き込むパワーにして飲み込んでいる。
だが、断じてキワモノじゃない。
それどころか恐ろしくまっすぐだ。

ギターもベースもドラムも音がしっかりと聞こえてきた。
自己流で演奏する一人一人の別々の意志がステージの上でひとつになっていた。
曲によってギタリストとベーシストがそれぞれリード・ヴォーカルをとり、
ドラマーもコーラスに入る。
ノイジーな音と“唱和”するハーモニーが実に絶妙で、
たおやかで切ないメロディ・ラインにヤられる。
わざとらしい歌い方は一切無し。
音楽に一生懸命だから。

たとえ手抜きせずにライヴをやったとしても、
残念ながら“ただセットリストをこなして曲をやっているだけ”に見えてしまうバンドもいる。
かといってハッタリ小細工は見苦しいだけ。
欲しいのは本質的な熱情だ。

RED BACTERIA VACUUMのライヴは甘えがない。
未知の人間が観客のツアーで鍛え上げられてきているからこそ何かを印象づけようとする。
ガムシャラであると同時に凛々しくビシッ!と引き締まっていてプロフェッショナルですらある。
ヴァイタリティとデリカシーが調和したエネルギーがものすごい。
けどものすごくポップなのだ。

ライヴを体験して久しぶりに楽しいと思った。

そしてRED BACTERIA VACUUMはこのあとも西に南に北に東に凄まじいペースでライヴをやる。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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