なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Steve Ignorant with PARANOID VISIONS『When…?』

Steve Ignorant with PARANOID VISIONS


英国のパンク・バンドCRASSのシンガーだったスティーヴ・イグノラントが参加したアルバム。

“スティーヴが歌うスタジオ録音アルバムは、
98年に日本ツアーを行なってCRASSの曲も連発したバンドの
STRATFORD MERCENARIESの『Sense Of Solitude』(2000年)以来か・・・”と期待して聴くと、
肩透かしを食らう。

80年代前半から活動しているアイルランドのパンク・バンドのPARANOID VISIONSと共に
レコーディングしたアルバムだが、
名義がまぎらわしい。
クレジットから察するにスティーヴはソングライティングには一切関知してない。
あくまでもヴォーカリストとして参加した形で、
しかもそんなに歌ってない。
他に男性と女性の計3人のヴォーカル専任のメンバーがいるからゲスト・シンガーの形に近そうである。

男女混成ヴォーカル体制は確かにCRASSの流れをくむアルバムだが、
女性シンガーも在籍していた初期CONFLICTのようなポップ感もあり、
ブルース・パンクっぽい曲もある。
曲によってはアコースティック・ギターでフォークも奏で、
あからさまなダンス・ナンバーこそないが、
ヴァラエティに富む楽曲と大衆性はCHUMBAWAMBAを思わせる。

CRASSの肉体だったスティーヴのヴォーカルは健在で聴けばすぐわかる。
ただしいかんせん歌っているパートが少ない。
これだけやれるならメインで歌うバンドで活かしてほしいものだ。

歌詞もアナーコ・パンクの“正統派”である。
その筋の人にも“ネタ”にされているというOi Polloiほどでナイーヴではないが、
アナーコ・パンク第二世代特有の“優等生”のポリティカル・ソングと言える。
そういうものが好きな方は楽しめるアルバムだとは思う。

でもおれは同じアナーコ・パンク第二世代でも、
RAMONESの曲名でもあるロックンロール・ハイスクールならぬ
“アナーコ・パンク・ハイスクールの落第生”である、
リー・ドリアン(NAPALM DEATHCATHEDRALSEPTIC TANK)やジェフ・ウォーカー(CARCASS
の方が好きだ。


★Steve Ignorant with PARANOID VISIONS『When…?』(OVERGROUND OVER134CD)CD
16ページのブックレット封入の約40分12曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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