マリア観音 at 国分寺モルガーナ 1月19日
2014-01-21

87年から“日本式ハードコアロック”を体現し続けるマリア観音のバンド活動再開ライヴ第一弾。
モルガーナの建物の上で営業している中古盤+古本+Tシャツ+α扱いの個性的な店の国分寺超山田堂と、
作品のリリースを含めてマリア観音のサポートし続けるエレクトレコードとの
共同企画<国分寺超☆反“虐”伝説>におけるライヴである。
個人的に国分寺のモルガーナは、
臨終懺悔(現・特撮ほかのナラサキ在籍)やASBESTOS(KAN在籍時)などを観に行った時以来。
というわけで国分寺駅を降りて慎重に道を確かめつつ、
四半世紀ぶりという点でも懐かしい気持ちを抱きながらモルガーナに向かった。
インディ・レーベルいぬん堂のオーナーがヴォーカルを務めるビルと、
実はこのモルガーナが活動拠点のGOUMがまずプレイ。
マリア観音が始まる前にはほぼ満員で、
見る要素も大切なバンドゆえに関係者の要請で客席中央から前の方々は座って観ることになった。
2000年代以降は“マリア観音=木幡東介”のようになり、
ほぼ木幡のソロの形でマリア観音のライヴやレコーディングが続行されてきた。
だが昨年末にバンド形態でのマリア観音が再び動き始める。
この日のライヴは
95年のアルバム『犬死に』の“トゥーマッチ・エディション”の発売記念的なタイミングでもあったが、
当時のメンバーは木幡ともう一人のオリジナル・メンバーの平野勇のみ。
現メンバーは以下のとおりだ。
木幡東介(vo他)
平野勇(ds、vo~Vladivostok Powder Genocide / 他 )
青山まりな(g~Vladivostok Powder Genocide / 解剖室 / 他 )
伊藤明子(b~Texaco Leatherman )
a_Kira(kbd~ Asian Crack BAND / 地下102階 )
木幡の“あの動き”を久々に観て胸騒ぎがした。
一人でのライヴを観てギターなどを弾いたりドラムを叩くとなるとどうしても動きに限界があると思ったが、
銅鑼を打つ以外はほぼシンガーに徹した木幡はバンドをバックにして水を得た魚のように動いた。
ぼくが最初にマリア観音を観たとき(確か80年代末の吉祥寺クレッシェンド)にまずビックリしたのが、
木幡をはじめとするメンバーの動きだった。
ステージ・アクションと言っていいほど手も足もボディも徹底してフルに使った全身パフォーマンスは、
のた打つ歌と共振している。
アクションによってプログレッシヴな楽曲とハードコアな歌謡がさらに強度を増していた。
昔以上に張り切っていた平野は別として、
『犬死に』のレコーディング当時のメンバーや
その前に在籍していたオリジナル・メンバーの一人の松居徹(後にDMBQに加入)のような、
モーレツすぎる動きをバンド全体に求めるのは野暮ってものだろう。
そもそも過去をなぞるのはマリア観音ではない。
演奏の方も
このメンバーでの初ライヴということで序盤は新メンバーの3人はやや遠慮気味にも聞こえたが、
着実に曲をふくらませるプレイをしていった。
そんな中で後半は青山のギターがノリノリになっていって大きなアクションも見せてくれた。
少なくてもバンド編成でのマリア観音のライヴでは
こんなに木幡がMCをしたのもぼくの記憶にない。
曲ごとに簡潔な曲解説もしていた。
90.年代にハードコア・パンクの面々と対バンしていた時もバンドや観客を圧倒した存在感も不変だが、
ステージ上が濡れて店員さんに雑巾を持ってきてもらって自ら拭いてMCを入れたあたりでは
なごみの空気も漂い、
そういったところもマリア観音の魅力だ。
言うまでもなく当時とアレンジが同じわけではないが、
『犬死に』の曲をはじめとしてなつかしい曲の連打に感慨深い気持ちになったのは
ぼくだけではないだろう。
アンコールでは「刺生活」を披露。
終演後、
マリア観音の熱狂的なファンでライヴ中もうわ言のように“マリア観音”とつぶやいていた
前述のビルのヴォーカリストが興奮して語りまくってきたが、
その気持ちも十分わかるステージだったのである。

★マリア観音『犬死に“トゥーマッチ・エディション”』(エレクト ECR-026~27)CD+DVD
CDはリマスタリングされていて、
96年の『髑髏』収録曲の“宮脇慎吾のベース演奏ヴァージョン”のラフ・ミックスの2曲を追加。
DVDには95年7月28日の新宿アンティノックでのライヴの2曲と、
95年12月8日の渋谷ラママでのライヴの全5曲を収録。
限定で94年3月21日のリハーサルの模様を鏡面撮影した4曲収録のDVD-R付とのこと。
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