なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ETERNAL ELYSIUM(1/3) 1月13日 at 東京・新大久保EARTHDOM

ETERNAL ELYSIUM


“日本音階を用いたヘヴィ・ロック”というコンセプトの下で91年の春に結成され、
名古屋を拠点に内外で我が道を進むETERNAL ELYSIUM(エターナル・イリジアム)。
“ドゥーム”“ストーナー”“サイケデリック”がキーワードと言えそうなサウンドで、
ぶれることなく深化し続けているバンドである。

そんなETERNAL ELYSIUMのライヴを1月13日に東京・新大久保のEARTHDOMで観た。
米国のEARTHLESSとの日本ツアーの最終日になるはずだったが、
EARTHLESSのメンバーの家庭の事情で彼らの来日が延期になってしまった。
ETERNAL ELYSIUMは年明け早々に敢行したオーストラリア・ツアー中にその決断を行なった状況で、
揺れる精神状態のまま帰国後まもなく自分たちは当初の予定通り国内ツアーに突入。
あわただしい中にもかかわらず
チケット代の値下げや前売り件を買ったお客さんで払い戻しを希望する方への対応など、
丁寧な事務処理にまずあらためて感服した。

東京公演のこの晩はまずele-phantとCROCODILE BAMBIEがプレイし、
EARTHLESSが来なくてもまずまずの入りだったお客さんをあたためた後、
ETERNAL ELYSIUMが登場。
当初の予定していた演奏時間を延ばし、
アンコールも含めて計90分はやったと思う。

しばらくはほとんどMC無しでゆっくりと加速する豪放かつデリケイトなヘヴィ・ロックを進め、
ライヴの中盤以降に曲間の言葉数が少しずつ増え出す。
曲間でドラマーのアントニオの名前を観客がしきりに呼ぶなごみのまったりムードの中でも
リーダーの岡崎(vo、g)は昔からさりげなく辛口のMCを絡めていたが、
ここ数年の間で色々思うところが増えたのであろう。
他の生き物を殺して人間が生きていることや、
いわゆる文明をシャットアウトするわけではないがテレビを見ないなど、
普遍的かつリアルな話を挿入。
東京でのライヴということで
「みんな、都知事選、どうするよ!?」といった言葉まで飛び出した。
でも他者を非難するというよりは、
我を顧みて省みるみたいなニュアンスがETERNAL ELYSIUMらしい。

英語のみで歌っていた頃から日本のドゥーム・ロック系の中でも歌心が際立っていたバンドだが、
この晩は特に岡崎の“歌”がビリビリと心と肌を震わせた。
歌詞に日本語を少しずつ絡めるようになったことも大きい。
東日本大震災以降に岡崎が取り組んでいるテーマで、
今までどおりに英語も駆使していくそうだが、
母国語でしか伝わらないこともあるし日本では早く伝わることに気づいて日本語の比率を増やしている。

ぼくはETERNAL ELYSIUMを“完全洋楽指向のバンド”だと思っていたし、
岡崎もそうだったかもしれないと述懐する。
小学校高学年の頃に聴かされたBLACK SABBATHで音楽の嗜好性が変わり、
バンドを始めてからも自己表現の中に日本色が出てくるのを意識のどこかで拒んでいたようである。
だがもともと岡崎は幼少時からピアノを習いながら
昭和40~50年代(1965~1975年)の当時の歌謡曲を口ずさんでいた男の子であった。
そんな岡崎は2年ほど前から昭和歌謡を歌う弾き語りのソロ・ライヴもやっていて、
ETERNAL ELYSIUMの方にもその原点回帰の“潮流”が押し寄せていると言える。
まさに最新録音盤『Highflyer』収録曲の「Circulation」の歌詞そのものだ。
歌に対する岡崎の取り組みの深化はタナ(b、vo)に刺激も与えているらしく、
ときおりヴォーカルを入れる英語のネイティヴ・スピーカーである彼女の歌声のウェイトも
ますます高まっている。

そういったところも含めて海外を何度も周ってきたからこそ日本のことをさらに考えつつ内向きにならず、
永久に開放的なサウンドに磨きをかけてますますスケールがでかくなり、
少なからず感動した。
骨身に染みるロックを体感した一夜である。


ps
バンド名の日本語表記は“エターナル・イリジウム”より“エターナル・イリジアム”の方が英語の発音に近いので、
お詫びして訂正いたします(2014年1月28日11時30分)。
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コメント

大阪でのライブに行ってきましたが、Hokageというハコも良かったし凄くいいライブでした。オススメしていただいて感謝しております。
また、対バンのBirushanaも初めて観たのですが、メタルパーカッションに和音階の音が物凄く新鮮で、これまた収穫でした。

korokuさん、書き込みありがとうございます。
良かったそうで何よりです。そのハコは行ったことないですが、ハコの雰囲気や音もライヴ全体に影響しますからね。Birushanaもユニークなバンドですね。日本っぽさがイイ感じでブレンドされ、音も他にないドゥームの形かと思います。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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