なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DESTRUCTION、SURVIVEほか at 渋谷CYCLONE 1月29日

DESTRUCTION.jpg


SODOM(日本の同名バンドとは別)やKREATORと共にジャーマン・スラッシュ・メタル御三家の一角を占める
DESTRUCTIONがレコード・デビュー30周年の年頭に敢行した日韓ツアーの初日である。


DESTRUCTIONクラスのバンドが300人のキャパの東京のライヴ・ハウスで観られる機会はそうそうない。
当然のごとくDESTRUCTIONが始まる頃にはステージ前のフロアーはスシ詰め状態だが、
METAMORPHOSIS、TYRANT OF MARY、SHADY GLIMPLE、SURVIVEというサポート・アクトが、
まずイイ感じであっためてくれた。

特にSURVIVEには驚いた。
ドゥーム・メタル・アプローチもしていた初期は好きだったが、
“いかがなものか・・・”と思ったSOULFLYのようなアプローチの頃のSURVIVEでぼくのオツムが止まっていたからだ。
という感じでかなり久々に観て、
メンバーが変わっているというのもあってまったくの別バンドにも見えたが、
16年弱に及ぶ活動の息吹が年輪の如く鋼の音に刻まれていた。
自信あふれるヴォーカルも含めて重みのあるバンド名どおりの気合いを感じたのである。
一人一人が個性を発揮させつつ全員長髪の黒ずくめで80年代前半風の臭ってくるヴィジュアルもナイス。
『Arise』の頃のSEPULTURAにギターのメロディ込みでジャーマン・スラッシュ・メタルが混ざったような、
ファスト・ナンバー中心に飛ばして持っていかれた。
とりわけスピード感を絶やさない手数足数が見事なドラマーのセンスに惚れた。


そしてDESTRUCTIONである。
唯一ずっと在籍するマイク・シフリンガー(g)、
90年代に離脱するも同じくオリジナル・メンバーのマルセル・シュミーア(vo、b)、
2010年に加入したヴァーヴェル(ds)のトリオ編成。
まずマイクとマルセルのツラ構えに殺られた。
基本的にデビュー・レコードの『Sentence of Death』のジャケット写真から変わってないからだ。
二人共40代後半と思われるが、
前述のSURVIVE以上に覚悟を決めた深い活動の苦闘の年輪が顔と音に刻まれていた。
政治社会の動きと同じくしょせんポピュリズムでしかない一般ロック・メディアに黙殺されようが、
知ったこっちゃない。
はっきり言って彼らのヴィジュアルを見ただけでこの晩のライヴが間違いない!と思ったのである。
そして果たせるかな!であった。

ステージにスタンディング・マイクが3本立っていても歌うのはむろんマルセルだけだ。
ステージ前方をゆっくり歩きながら適宜使うスタンディング・マイクを変えるのだ。
デス・ヴォイスとは一味違う太い喉を震わせるヴォーカルに磨きをかけ、
天界を突き刺すかの如くベースのネックを垂直に立てるアクションもやはりカッコいい。
ギタリストのマイクはゆっくりその後ろを歩きながら弾いて“バッキング”に務めるステージ運び。
マルセル不在時のDESTRUCTIONではテクニカルな演奏もしていたが、
この晩のライヴでは普通のメタルのリフとは一線を画し、
初期と変わらずレジスタンスの地下工場の旋盤の金属音を絞り出して戦場の硝煙の匂いを撒き散らす。
ドラムの音色はモダンでリズムもタイトとはいえ、
スラッシュ・メタルとしては速すぎないDESTRUCTIONのスピード感はキープしていた。

MCでもしきりに「日本大好き!」と発していたDESTRUCTION。
前回の日本公演から1年経ていない来日だが、
あらためて東日本大震災で亡くなられた方々に捧げた曲も披露。
イージーな情緒に流されないDESTRUCTIONの曲だからこそグッときた。
本編ではVENOMの「Black Metal」をカヴァーしていたが、
アンコールをEXPLOITEDの「USA」のカヴァーで締める心意気も心憎い。
ブルータルな“パンク・メタル・スピリット”がDESTRUCTIONだと再認識したのである。


サポート・バンドが4つ出演するにもかかわらず“公約”どおりに90分やったDESTRUCTION。
プロフェッショナリズムにあらためて感服したしだい。
お客さんの盛り上がりもナチュラルでイイ感じだった。
日本のバンドにしか興味ないとか外国のバンド(+有名な日本のバンド)にしか興味がないといった人は、
ほとんどいなかったと思えるとってもイイ雰囲気。
慣れ合いでもなく全部自然。
こういう感覚も久しぶりだ。

関係者の方々のスムーズな進行も特筆したい。
ダラダラしていると待っているだけで疲れてくるから。
開演時間が18時ということで仕事の関係で最初から観られないお客さんもいたかもしれないが、
やや“押し”気味の時間ながらメイン・バンドのセットリストもしっかり尊重して22時半に閉演。
だからこそギュウギュウにもかかわらず心地良い爽快な疲れで帰宅の途につけたのである。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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