なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

CONFLICT『Live In London 2013』

CONFLICT『Live In London 2013』


80年代初頭から活動している英国の老舗ポリティカル・パンク・バンドによる
昨年3月のロンドンでの同じ日のライヴを収めたLPとCDの2枚組。

ライヴものをたくさんリリースしているバンドだけに最高のライヴ盤!とは言わない。
『There's No Power Without Control』(2003年)以来オリジナル・アルバムは出していないが、
交流続行中と思しき米国のアナーキスト系パンク・ファンジン/レーベルのPROFANE EXISTENCEのメルマガでは
昨年のUSツアーの情報も流していたし、
今年も内外で多彩なバンドとライヴを行なうようだ。
この作品も活動継続中ということの現状報告盤とは言える。


LPは14曲入り。
“「The Positive Junk」で始まり「Berkshire Cunt」で締めるほぼCONFLICTのグレイテスト・ヒッツなセットリスト!“
と言いたいところだったが、
裏ジャケットの曲目クレジットにいくつか誤りがある。
オープニング2曲は『Increase The Pressure』(84年)のライヴ・サイドと同じ流れで、
つまり2曲目は「The System Maintains」だし、
「Berkshire Cunt」はやってなくて最後は「Whichever Way You Want It」だ。

80年代に発表した曲中心のようで、
前述の目下の最新作に収めた「Carlo Guiliani」「I'm Starving」も含め、
けっこうまんべんなく各時代の曲をやっている。
『Conclusion』(93年)の「Someday Soon」も渋いし、
『Against All Odds』(89年)の内省的な趣の「A Message To Who」を挟んでいるのも興味深い。

唯一のオリジナル・メンバーであるコリン・ジャーウッド(vo)が極初期のインタヴューで
CRASSDISCHARGEの異種交配”を意識したようなことを言っていたが、
その両者を戦闘的かつ扇情的に交わらせて生まれた、
いわゆる非暴力の平和主義とは一線を画す姿勢の歌詞とドラマチックな曲のオリジナリティを再認識する。
というわけでCONFLICTのファンはアナーコ・パンク勢と必ずしもダブらない。
動物云々のメッセージの面でEARTH CRISISは影響をインタヴューで語っていたし、
基本的に“戦え!”のバンドだから、
気合い満々のジャパニーズ・ハードコア・パンク・バンドの人にもファンが多い。

スティーヴ・イグノラントも80年代後半にメンバーとして加わっていたが、
“師匠”だったCRASSが30年前に止めてしまったことをCONFLICTは今も続けている。
やっぱり続けている人にぼくは一目置くのである。


CDの方はこの日のライヴをフルセット約71分収めている。
アンコールで再びプレイを始めるまでの準備の音声もノーカットだ。
CDプレイヤーにセットするとトラック表示は“1”。
要は「通して全部聴け!」ってことである。
20曲以上入っていてLPよりお得。
けどややダレる。
MCを多少カットしたのかもしれないが、
ノンストップで曲を続ける部分が多いから一種の“休憩タイム”なのか
コリン以外の人が歌っていると思しき曲を含むレゲエ・コーナーも設けられているしで、
曲を削ってLPを構成した気持ちが理解できなくもない。
でも「There's No Power Without Control」などLPにも入れるべきという曲もいくつかあるし、
CDの方がベースをはじめとして各楽器の音もしっかり聞こえてくる仕上がりだ。

とはいえアンコールの最後は本編でもやった「Carlo Guiliani」をもう一度。
アンコール用の曲を別に用意してなかったということなのだろうが、
この日のライヴ用の曲以外のCONFLICTの曲を演奏できないメンバーを含む編成と解釈できるし、
また複雑な気分になる。
昔からメンバーが固定しないバンドではあるがやるせない。


ともあれこのへんのバンドに関してはライヴ盤ひとつ出ただけでも語りが尽きないのである。


★CONFLICT『Live In London 2013』(ANTISOCIETY ANTI 37)LP+CD
レコード盤には数種類の色があるようで、
ぼくが買ったものは紫色だった
(A面には傷っぽいノイズがしばらく続く箇所もあるが、関係者の話ではプレスミスの可能性も考えられるという)。
裏ジャケットには、
CONFLICTのMORTARHATE Recordsから30年前に7”EPを出した
LOST CHERREESのメンバーのライナーも載っている。


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コメント

初めまして CONFLICTの話題から少し逸れてしまいますが、レコードに関する質問させて下さい。
僕も先日、CONFLICT「Live In London 2013」LP(紫色)を入手し、再生したら一周する度に「プツッ、プツッ」という針飛び様のノイズが
生じたので、再生を止めてA面をよく観察すると1曲目から2曲目の最初の部分に明らかに短い1cmくらい髪の毛状の細かい傷があり、不良品に当たってしまったのか、LPを内袋から取り出した際に擦れて付いてしまった傷と思ってガッカリし、ずっとモヤモヤしていたのですが、先程このブログを見つけて「プレスミスの可能性」という言葉を目にしました。
行川さんが入手した同作品のLPのA面の1曲目の途中から2曲目の最初の部分にノイズが生じる原因であろう短い髪の毛の様な細かい傷がありますか?そしてレコードのプレスミスでこの様な現象は起きるものなんでしょうか?

PS
B面にはそれらしい傷はありませんでした。

かねなりさん、書き込みありがとうございます。
まさにA面の1曲目と2曲目の間で20秒ぐらいそういうノイズがぼくのレコードからも聞こえます。「The Positive Junk」から「The System Maintains」にメドレーで続くあたりで、演奏が続いていて静かな部分ではないにもかかわらず気になるノイズでした。
ぼくにはレコードを見ても傷っぽいものが見えないのですが、購入したレコード店の方が取引先に問い合わせて「再生してみたところ在庫のレコードすべてからそういうノイズが出る」と返事が来たらしく、プレスミスの可能性が大きいようです。どのレコードも同じくノイズが出てしまうということで取引先が交換には前向きじゃないようで、ぼくも持っていたいのでそのままにしました。ちなみにぼくのレコードはA面でもう一カ所ノイズが出ます。こちらはノイズ回数は少ないですがかなりノイズ音が大きくて気になります。B面は問題なかったです。
さすがに山ほどレコードを聴いてきているだけに、新品でも海外盤に多いノイズもちょっとやそっとでは気にならなくてノイズが出ても普段は“これもデジタルにはないアナログの味だなって感じで”聞き流しているのですが、今回のは長時間続くノイズなので気になりました。
プレスミスに関してはよくわかっていませんが、AMEBIXの数年前の復活アルバム『Sonic Mass』のLPも静かなパートのイイところでノイズが入っていて、交換してもらったらやっぱりまったく同じ部分で同じようなノイズが聞こえてきたので、プレスミスでどのレコードでも同じように針飛びっぽいノイズが入ってしまうことがあるんだなと思いました。そのAMEBIXのアルバムはCDを持ってないのでCDの方でどうなっているかわかりませんが、今回のCONFLICTのは盤面の傷っぽいノイズの入り方ですからCDには同じ部分でもノイズが出ませんね。
このライヴ盤は曲名のクレジット・ミスも2つあるなど作りが荒いと思いますが、ノイズが気になったときはCDに切り替えて聴けばいいか・・・・って感じですね。

お返事ありがとうございます。
レコード全てから針飛びノイズが出るとの事で少し安心しました。
レコードは基本的にノイズが生じるものだと承知はしているのですが、、一周する度に特定箇所のプチップチッ
という針飛び様ノイズはどうしても気になってしまいすね。レコードを聴く者にとってプレスミス盤を摑まされるのは勘弁して欲しいものです....


>かねなりさん
針飛びノイズは規則正しくてリズミカルなノイズだけに一種の音楽の混入みたいになるから気になってしまいますね。それこそ45年アナログ・ノイズに親しんできた耳でも長時間続くと気になりますもの。
ともあれCONFLICTの音源を追っているというのがうれしいです。今後ともよろしくお願いします。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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