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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ADMIRAL SIR CLOUDESLEY SHOVELL『Check’em Before You Wreck’em』

ADMIRAL SIR CLOUDESLEY SHOVELL『Check’em Before You Wreck’em』


英国イングランド東南部のヘイスティングス拠点の新鋭ヘヴィ・ロックンロール・トリオが放った
約1年半ぶりのセカンド。
『Don’t Hear It...Fear It!』に引き続き、
彼らから送ってもらったデモを気に入って契約したリー・ドリアン主宰のRISE ABOVEからのリリースだ。

今回もサイコーすぎるアルバムである。
言い訳無し!の音楽だから能書きも必要はない。
聴いてくれ!で話が終わるほど120%純正ヘヴィ・ロック・アルバムなのである。


BLACK SABBATH、GROUNDHOGS、BUDGIE、DUST、SIR LORD BALTIMORE、MC5、
70年代のMOTORHEAD、あとHIGH RISE~GREEN FLAMESらの
過剰なロックンロール・ホルモンを自分らの感覚で燃焼したエナジーにより、
精錬してないブルースの金属がロックの鋼と化して脳ミソと肉体をドツキ回す。
元ネタみたいなものも聞こえてくるが、
パクリというより、
血の継承によってパワーを増すロックンロールの伝統ってもんだ。
あらためて言うが、
本物に古いも新しいもないのである。

リラックスした佇まいでいながら、
なんたって深い。
6分半前後のスローな2曲もありきたりのドゥーム・メタルとは別物のクールなロック感だし、
アップテンポのパートが中心で微妙に暗鬱だから、
“ドゥーム・ロックンロール”とでも言いたくなるドラマあふれるソングライティングの妙味に痺れる。
サイケデリックに脳天を突くサウンドは妖しく怪しい。
ワイルド&デリケイトな味わいにとろける。
そんでもってファニーなキャラも見え隠れなのだから心憎い。
UFOの81年の『The Wild, The Willing And The Innocent』のアルバム・タイトルから引用すれば、
野生で、やる気まんまんで、無垢。
当然スノッブなアート臭はゼロ以下である。

ガラの悪い音質もたまらない。
それでいて全パートがビシッ!と聴こえてきて四方八方に音を飛ばす。
ギターはもちろんのことベースもドラムも音がでかい。
三人とも遠慮せずに音の身体ぶつけ合ってヴァイブレイションのハーモニーを生んでいるサウンドだ。
むろんコンプとかで音圧を妙に上げたりしてないレコーディングの仕上がりである。

ギタリストがメインで歌っていると思われるが、
三人がヴォーカルを取る体制でラフなコーラス/デュエットの多用もゾクゾクするし、
みんな歌心たんまりの我流ナチュラル・ヴォーカルなのも素晴らしい。
歌詞は載ってないが、曲名だけでイケる。
オープニング・ナンバーの「Do It Now」は
PINK FAIRIESのパンク・アンセム「Do It」へのオマージュと勝手に解釈できたし、
前作のアルバム・タイトルそのままの「Don’t Hear It...Fear It!」なんて曲もやっとる。
「Happiness Begins」なんてシンプルな曲名、いいな・・・・ホントそう願いたいものである。

むさいギタリスト、
ひょろ長いドラマー、
メガネが知的&お茶目なベーシストといった
三者三様のルックスもクールである。

これまたグレイト。


★ADMIRAL SIR CLOUDESLEY SHOVELL『Check’em Before You Wreck’em』(RISE ABOVE RISECD179)CD
約48分10曲入り。
ぼくが買ったCDはスリップケース付だった。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
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