なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Siouxsie and the BANSHEES『Hong Kong Garden』[special edition]

Siouxsie and the BANSHEES『Hong Kong Garden』


女性ヴォーカルをはじめとして影響力絶大で今もなおフォロワーが絶えないUKポスト・パンク・バンドの、
英国チャート7位にランクインしたデビュー・シングルのスペシャル・エディション・リイシュー。
35周年記念盤らしいが、
実際の発売は78年だから1年過ぎてしまっている。
でもそんなことは大した問題ではなく、
7”レコード2枚+αで好きモノの心をくすぐるリリースだ。


ディスク1はAB面共に当時のシングルそのままのヴァージョン。
オリジナル盤を持ってないからそのレコードとの比較はできないが、
A面の「Hong Kong Garden」は個人的に、
ファースト・アルバム『Scream』(78年)の日本盤LPとそのCDのボーナス・トラックで聴き馴染んだものより
軽めに聞こえる。
昔のレコードを20~40年後にレコードで再発したものに多い音の感触で、
ポップな曲ながらまとわりついていた妖気もクリーンに薄くなっている。
まるでマスター・テープの汚れと一緒に取り除いたみたいなのだが、
何をマスターにしたのかわからないし実際マスター・テープが劣化しているのかもわからない。
ただオリジナル・レコードの盤をマスターにした“盤起こし”で再発レコードやCDを作る人の気持ちも、
何となくわかる音だ。

B面の「Voices(On The Air)」はミニマルな佳曲だが、
すきまの多い音空間がはっきり見えてきて不安感に誘う仕上がりがけっこうイケる。


ディスク2のA面も「Hong Kong Garden」だが、
ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』のサントラ盤にも入っていたヴァージョン。
2006年の11月にオーケストラのストリングスでイントロの部分が差し替えられたものだ。
というわけでストリングスは序盤にしか入ってないが、
その箇所は『Peepshow』(88年)収録の「The Killing Jar」みたいなトーンなのが興味深いし、
オリジナル・ヴァージョンよりビートのアタック感が強い気もする。

B面はやはり「Voices(On The Air)」だが、
30年前に12”EP『The Thorn』に収めた84年8月レコーディングのヴァージョンである。
オリジナル・メンバーのスージー・スー(vo)とスティーヴ・セヴリン(b)の他、
ドラムはもちろん80年以降バンドを支えたバッジー、
ギターは埋もれた名盤『Tinderbox』(86年)で貢献したジョン・ヴァレンタイン・カルーザスでの録音。
当時のメンバーならではの透明感に目が覚めるヴァージョンだ。


オリジナル盤のデザインを尊重しつつ色と文字の位置等を変えたジャケットは
レコードを挟み込む“ポケット”が内側の左右に付いた8”大の二つ折りの体裁で、
8ページのブックレットが封入されたパッケージも含めて、
やはり熱心なファンなら持っていたくなるブツである。


★Siouxsie and the BANSHEES『Hong Kong Garden』[special edition](POLYDOR SBAN35 / 3749327~8)7”x2


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コメント

これは買いですねっ!

しかし久々に聞いたバンドです。

棚覗いてみます(笑)

666さん、書き込みありがとうございます。
あまり安く売られてないようですが、日本でも一般的なUS盤のパンク・バンドの2枚の7"レコード分の値段で売っているお店もあります。
個人的に非常に思い入れの強いバンドです。CREATURESでもなくスージー・スーのソロでもなく、やっぱり歌詞も書くスティーヴ・セヴリン込みのSiouxsie and the BANSHEESでのケミストリーが好きなのです。

行川さんのブログ楽しく読んでます
あまり雑誌で行川さんの記事を見かけることがなくなりましたがブログは続けてください

メンへルさん、書き込みありがとうございます。ちからになります。
続けます。がんばります。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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