なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ARCH ENEMY『War Eternal』

ARCH ENEMY『War Eternal』


この3月にSPIRITUAL BEGGARSで日本ツアーを行なったマイケル・アモット(g)率いる、
スウェーデン拠点の“メロディック・エクストリーム・メタル・バンド”ARCH ENEMYの新作。
オリジナル・アルバムとしてはこれが9作目だ。


85年にカナダで生まれた三代目シンガーの
アリッサ・ホワイト・グルーズ(vo~元AGONIST)加入第一弾でもある。
“交代劇”ついては奥野高久執筆の端的なライナーと本作の日本盤に付くDVDに詳しいが、
14年務めた前任のアンジェラに続いて再度女性シンガーだ。

ARCH ENEMYが死に体だったわけではないから起死回生とは言わないが、
彼女の加入で確実にリフレッシュされている。
何しろアリッサが気合いマンマン存在感ありありだ。
彼女の新たな血がARCH ENEMYの血管をぶっとくしている。
デス・ウォイス・スタイルであることは変わらないが、
CARCASSのジェフ・ウォーカー直系で彼女の“師匠”とも言えるアンジェラより(声も)太目で、
ブラック・メタルがかった残虐性をはらみながらハードコアの強度も喉に兼ね備えているのが大きい。
アンジェラ同様にヴィーガンだからこその強靭な精神性ゆえの肉食を超えた迫力だが、
ルックスがアンジェラよりも派手&大柄だから迫力倍増だ。


聴かせどころ満載のソングライティングも冴えわたっている。
マイケルが中心になって曲を書きダニエル・アーランドソン(ds、kbd)も2曲の曲作りに関わっているが、
ARCH ENEMYのスタジオ録音盤のレコーディング作品としては初参加の
ニック・ゴードル(g)の演奏と作曲での貢献度もたいへん高い。
デス・メタリックなリフも多めの一方で、
4曲でストリングスを挿入してオーケストラのプログラミングを使ったことが象徴するように、
クラシカルなアレンジも施したことも特徴。
メロトロンの演奏でペル・ヴィパリ(SPIRITUAL BEGGARS、GRAND MAGUS)もゲスト参加。
二人のギター・ソロも派手で、
何しろどこもかしこも針が振り切れているのだ


アルバム・タイトルからイメージされるとおりの歌詞(英語)ではある。
だがいくらメロディアスであってもエクストリーム・メタルの血が流れているから
ナイーヴでオメデタイ内容ではない。
たとえば最近のシリアにしたってタイにしたってウクライナにしたって
反体制云々で解決できるわけないだろ。

アリッサも5曲で深い歌詞を書いており、
恫喝系ではなく痛みのスクリームだからこそ説得力がある。
アンジェラがヴォーカルになった第一弾のARCH ENEMYの『Wages Of Sin』(2001年)に出会う前の15歳ごろまでは
メタルを聴いたことなくパンク・オンリーで、
インタヴューではストレート・エッジを自称している人である。
そのへんの意識でメタル・オンリーではなくハードコア・パンクも大好きなマイケルとも共振したとも思われるし、
だからこそARCH ENEMYの今後の展開も大いに期待できるアルバムだ。


★アーチ・エネミー『ウォー・エターナル』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10053)CD+DVD
24ページのオリジナル・ブックレット封入。
歌詞の和訳付の日本盤はインスト2曲を含む13曲入りの本編に、
JUDAS PRIESTの代表曲「Breaking The Law」のカヴァー
(原曲に宿るパンク・ロック風の原曲のポップ感を抑えた仕上がりがARCH ENEMYらしい)追加の約50分のCD。
さらにマイケルとアリッサの別々のインタヴュー映像(むろん日本語字幕付)と
本編の2曲のプロモーション・ビデオで構成した31分のDVDもプラスだ。


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コメント

起死回生の一発ですねっ!!

HIGH SPIRITSの新譜と併せて、ヘビーローテーションですっ!

666さん、書き込みありがとうございます。
HIGH SPIRITSの新作『You Are Here』もチェックしてみます。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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