なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DOWN『ダウンⅣ パート1&2』

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PANTERAのフィリップ・H・アンセルモ(vo)、
EYEHATEGODではギターを弾くジミー・バウアー(ds)、
CORROSION OF CONFORMITY(C.O.C.)を90年代初頭から15年程支えたペッパー・キーナン(g)を擁する、
米国南部ニューオリンズ拠点の5人編成のヘヴィ・ロック・バンドによる編集盤。
一昨年リリースの『DOWN Ⅳ Part 1 - The Purple EP』
今年リリースの『DOWN ⅣPart 2 EP』をまとめた日本独自仕様の約70分12曲入りの“2 in 1 CD”だ。

フル・サイズ分の曲がまとまってから1枚のアルバムとして出せ!と思わなくもないが、
できたての曲を新鮮なうちにレコーディングして出すというのが
“DOWNのⅣ作目”とも解釈できるこの4タイトル連続リリースの真意と心持ちであろう。
そもそも収録時間を考えれば各々いわゆるオリジナル・アルバム相当のヴォリュームだ。


『DOWN Ⅳ Part 1 - The Purple EP』の方は既にこのブログで書いているから、
ここでは『DOWN ⅣPart 2 EP』の方だけ書く。

『DOWN ⅣPart 2 EP』も長めの曲を含む。
『DOWN Ⅳ Part 1 - The Purple EP』よりもメリハリのある音作りで、
ギタリストが一人変わったためかレコーディング状況の微妙な違いのためか、
ギターが若干ソリッドな仕上がりになっている。
体格のある音だし風格もある音だし、
それ以前に
ふてぶてしい。
豪胆。
細いことなんか気にしちゃいない。
どっぷりと骨の髄までロックするのみだ。
その肝っ玉が歌詞やインタヴューなどの口先だけでなく音のカラダの芯までふつふつ燃えている。
それでいて今回もデリケイトな民謡風の曲で締めるのが心憎い。
全部ひっくるめて音楽は正直だ。

スクリーモ以降の米国のヘヴィ系ロック・バンドで目立つ大味な仕上げや
日本のハードコア・パンクの最近のCDで目立つ平板な仕上げとは違い、
響きのひとつひとつはデリケイトである。
ぬかるみの音は津波と洪水で練られた命の息吹に聞こえる。
陰鬱ながら場末のアメリカンの飲み屋の酩酊感にあふれている。
ベーシックなドゥーム/スラッジ・メタルをやることで逆にオリジナリティを際立たせているかのようで、
いい意味でフックがある曲作りも光る。
息が詰まるほどお行儀よくタイトなビートと対極のリズムに貫かれ、
世の中の時間を遅らせながら疾走するDOWNの核の“後ノリ・ドラム”も冴えわたる。
このサウンドによってカラダから分泌を誘発された血と汗が沸くはらわたのグルーヴがたまらない。

ソングライティングのクレジットはDOWNになっているが、
基本的に歌詞はやはりフィリップ・H・アンセルモの手によるものだろう。
PANTERA時代よりもはるかに深く気持ちが沈降していてたのもしい。
ヴォーカル自体もそうだが歌詞もPANTERA時代みたいな虚勢は薄めで、
より“本音”で迫る。
弱さも滲み出てきている。
EYEHATEGODのシンガーが唱えている
“Southern Nihilism Front(南部虚無主義戦線)”の空気感も充満しているが、
米国南部のローカル・ミュージックではなく普遍的な歌心があふれている。

とはいえむろん核は米国南部産ならではのコクのあるヘヴィ・ブルースだ。
LED ZEPPELINが「The Lemon Song」で試みたハウリン・ウルフとロバート・ジョンソンのファックの如く、
これは殺されてからもなお民主主義にマワされ続ける愛と平和を悼むブルースである。


★ダウン『ダウンⅣ パート1&2』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-15739)CD
2つのオリジナル・ブックレットをまとめた感じになっている厚手の紙の24ページのブックレットと、
歌詞の和訳が載った12ページのブックレット封入の二つ折り紙ジャケット仕様。
基本的にはそれぞれ別作品でもあるから、
“パート1”と“パート2”との間にワンクッションを置いた配慮もありがたい。


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コメント

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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