CORROSION OF CONFORMITY(C.O.C.)『Ⅸ』
2014-07-14

米国東南部ノース・カロライナ州出身のパンク/ハードコア/ヘヴィ・ロック・バンド、
CORROSION OF CONFORMITY(C.O.C.)の約2年ぶりの新作。
見方によっては3作目とも解釈できるミニ・アルバム『Technocracy』(87年)を数えず、
バンドとしてはこれが9作目と示すアルバム・タイトルだ。
サードの『Blind』(91年)以来の付き合いのジョン・カスターがC.O.C.と共にプロデュースし、
エンジニアも務めたマイク・ディーン(b、vo)がミックスも手掛けている。
メンバーはセルフ・タイトルの前作と同じ。
82年の結成時からずっとC.O.C.をキープしてきたウッディ・ウェザーマン(g)と、
離脱時期もあるとはいえ同じくオリジナル・メンバーの
リード・ムリン(ds、vo)とマイク・ディーンである。
80年代末から2000年代前半までC.O.C.のフロントマンを務めたペッパー・キーナンは、
DOWNでの活動に専念するためか完全に脱退していると思われる。
クレジットから察するに一曲だけそのペッパー在籍時代の曲のようだ。
前作『Corrosion Of Conformity』よりスロー・ヘヴィ・チューンが目立つドゥーム・スラッジ路線ながら、
90~2000年代に培った滋養分を発熱させて80年代の曲をアップデートしたかのような
ブルージーなヘヴィ・ハードコア・パンク・チューンでも攻める。
もちろん30年以上やっているベテランだから演奏テクニックは備わっているのだが、
一歩間違えば崩れ落ちそうなアンサンブルが素晴らしい。
コピーしようったってこの塩加減は簡単には出せまい。
各パートの音色にしろ各々の音のリズムのタイミングにしろ妙味すぎる。
ペッパー・キーナンが歌ってギターを弾いていた時代よりもC.O.C独自の音のすき間の持ち味が活かされ、
パンクっぽい音作りとも言えそうだ。
リード・ヴォーカルの大半はマイク・ディーンと思われるが、
元MOTORHEADのフィルシー・アニマル・テイラーと双璧を成すクールな“廃人顔”で歯を食いしばる。
“やさぐれヴォーカル”健在ながら、
進化したと言うべきか深化したと言うべきか“進行した”と言うべきか、
ヨレヨレを突き抜けシンガーとしては繊細な味わいも滲み出ている。
だがところどころで“焼け糞ヴォーカル”も披露してたのもしい限りだ。
示唆と暗喩に富む歌詞もなかなか深いのであった。
金沢のGREENMACHiNEとツアーをしていただきたい
渋い渋い“ハードコア・ロック”。
グレイト!
★CORROSION OF CONFORMITY(C.O.C.)『Ⅸ』(CANDLELIGHT CANDLE426CDSE)CD
読みやすく歌詞が載った8ページのブックレット封入のデジパック仕様の約42分11曲入り。
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1300-1399ccf0