なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SIEGE『失われたセッション(Lost Session ‘91)』

SIEGE『失われたセッション』


NAPALM DEATHがグラインド・コアを産み出すための最重要元ネタバンドの一つでもあった
米国東海岸マサチューセッチュツ州のファスト・ハードコア・パンク・バンドが、
90年代初頭に一時再編してレコーティングした時の4曲を収録。

ヴォーカルを務めたのがANAL CUNT(AxCx)のセス・プットナムというのもポイントだ。
当時一部で話題になっていたセッションの音源化である。


音と同じくクラスト的なニュアンスを歌詞にも含めておきながら、
リベラルな価値観の持ち主とは言い難い“憎悪将軍”セスをシンガーに迎えているという荒ワザ。
一見相容れない。
けどまったく違和感がない。
だってクラストとANAL CUNTの価値観はスタイルをブチ抜けて突き詰めれば二律背反だから。
虚無を極めればどっちの音にもブンブン!振り切れるってわけ。
84~85年のSIEGE全盛期のサウンドよりは、
インプロヴィゼイションに留まらずアルバム・デビューに向けて曲作りを考えていく90年代前半の
ANAL CUNTに近い。
メタリックなエッジを尖らせつつ、
日本のハードコア・パンクとドゥーム・ロックの構成力をも携えたソングライティングで迫る。

むろんセスのヴォーカルはここでも決死の形相。
ANAL CUNTの93年のファースト・アルバムの秀逸なタイトルである、
『Everyone Should Be Killed』という原題と『皆殺しの唄』という邦題のニュアンスそのまんまの響きだ。

往年のSIEGE色は薄く、
セスがSIEGEを乗っ取った様相ではある。
だが、
いやだからこそ、
ANAL CUNTがノイズ・グラインドのスタイルを突き抜けて、
あくまでもアンダーグラウンド根城ながらも地上に顔を出す取っ掛かりになったとも言える重要セッションだ。


★SIEGE『失われたセッション』(PATAC No Number)7”EP
タイトルだけでなく各々の曲名にも日本語のタイトルも付けられている。
SIEGEのロゴのスタンプが押印されたインナーバッグ(紙のレコード袋)付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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