なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

WOLVES IN THE THRONE ROOM『Celestite』

DYMC-225.jpg


米国北西部ワシントン州オリンピア拠点のブラック・メタル系ユニットによる、
『Celestial Lineage』以来で5作目に数えられる約3年ぶりのオリジナル・フル・アルバム。

このブログにコメントしていただいた方によれば、
EARTHのリーダーのディラン・カールソンが今年の大阪公演の時に着ていたベストの背中に
WOLVES IN THE THRONE ROOMの巨大なパッチを付けていたそうだ。
彼の場合は地元つながりでもあるとはいえ幅広い支持を集めていることを象徴する。
相通じる世界観のそのEARTHやKAYODOTも手掛けたランドール・ダンが、
本作の共同プロデュースと録音とミックスを手がけている。

兄弟から成るメンバー二人の担当パートは共にシンセサイザーとギターしかクレジットされていない。
曲によってゲストがフレンチ・ホルンやトロンボーン、フルートを挿入するが、
ヴォーカルも入ってない。
シンセサイザーが主体の全編アンビエント・アプローチでまとめた作品である。
ただしメロディも漏れ聞こえてくるから、
アンビエントというよりはエレクトリック・ミュージックと言いたい。
コズミックなリズムの“ビート”も溶け込んだ音のゆっくりした流れの中で
サイケデリックな質感が薄っすらと広がるから、
70年代初頭までのPINK FLOYD、
クラウス・シュルツのソロ作、
そのクラウス脱退後の70年代のTANGERINE DREAM、
POPOL VUHもイメージする。

BURZUMと同じく、
いわゆるブラック・メタル・スタイルだろうがアンビエント・アプローチだろうが空気感は変わらない。
WOLVES IN THE THRONE ROOMの心性がブレずに一貫していることの証しでもある。
CRASSにも通じる自給自足の生活を結成翌年の2003年から行ない、
自然崇拝とも言える思想に裏打ちされた意識で活動を続けている彼らならではの
たおやかな木漏れ日のように研ぎ澄まされた響き。
ニュー・エイジ・ミュージック風のアンビエント作品とは違い、
暗転も孕んでドラマチックかつダイナミックに構成された生命力のあるアルバムだ。


★ウルヴズ・イン・ザ・スローン・ルーム『セレスタイト』(デイメア・レコーディングス DYMC-225)CD
二つ折り紙ジャケット仕様の約48分5曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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