なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

HYSTERESE『Hysterese』

hysterese.jpg


男女ツイン・ヴォーカル体制のドイツのパンク・ロック・バンドによる、
約3年前のセルフ・タイトルの10曲入り12”EPに続く実質的なセカンド・フル・アルバム。


パンク・ロック/ハードコアの新作レコード/CD/カセットも相変わらず色々と買い続けてはいるが、
もうちょっとやそっとでは反応しなくなっている。
けどこれは何か新しいことが起こる予感に満ちたオープニングだけでヤられる。
屹立したサウンドとまっすぐな曲にもヤられる。

男声のウェイトがやや高めだが、
人間関係の調和と軋轢が表われているような男女のヴォーカルの掛け合いという点も含めて、
GORILLA ANGREBやVICIOUS~MASSHYSTERIらの2000年代後半以降の北欧パンク・ロックの流れをくむ。
さらにところによっては、
BAD RELIGIONとSAMIAMの間をも迷いなくまっすぐ突っ切るアメリカン・テイストも香る
メロディアスなパンク・ロックだ。
音楽性はまったく違うが、
ヴォーカルのやり取りはB-52’Sやビョーク在籍のSUGARCUBSも思い出す。

歌詞が英語という点も手伝ってドイツ産ならではのゲルマン民族臭さは希薄だが、
ジャケットのアートワークやパッケージの重み、
実直なサウンドはドイツっぽい。
そして何よりエネルギッシュ。
それでいて無理やり気合いを見せつける暑苦しいポーズはない。

歌詞は詩としても成立している。
そのほとんどの人称名詞は“I”。
でも“俺様”なニュアンスはまったくない。
我を省みまくる。
アスペルガー症候群に関することがモチーフと思しき曲も歌っている。
そういう含蓄いっぱいのシンプルな言葉を連射する歌声の響きにも楽器の響きにもウソがない。

気持ちの溝を深く掘り起こして命とともに音盤化したレコードならではの音質も素晴らしい。
センスがいいし耳がいい。
エンドレスで終わると見せかけて、
自分で針を移動しないとラスト・ナンバーに進めないレコード盤の作りも心憎い。

LED ZEPPELINのファースト・アルバムを思わせるジャケットもひっくるめて
これぞグレイト。


★HYSTERESE『Hysterese』(TAKEN BY SURPRISE/SABOTAGE SURPRISE 847/SABO 866)LP
歌詞が載った厚手の紙のインナー・バッグ(レコード袋)付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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