なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画“没後30年フランソワ・トリフォー映画祭”

チラシ表1


1932年2月6日パリ生まれでフランスを代表する映画作家の一人である
フランソワ・トリフォーの没後30年の節目に行なわれるイベント。
10月11日(土)からの東京を皮切りに、
1957年の実質的なデビュー作の短編『あこがれ』から1983年の遺作『日曜日が待ち遠しい!』までの
トリフォー監督の全23作品が全国で上映される。

ハイペースでコンスタントに映画を作って監督を行ない、
今回上映される『緑色の部屋』(1978年)などでは主演俳優も務めたが、
52歳で病死したトリフォー。
ジャン=リュック・ゴダールと共にいわゆるヌーヴェル・バーグを象徴するそんな“映画人”の作品を
まとめてスクリーンで観られる機会はそうないだろう。

「大人は判ってくれない」(C)1959 LES FILMS DU CARROSSE
(C)1959 LES FILMS DU CARROSSE

今回5作品がデジタル・リマスタリングでの上映だが、
そのうちの一つである1959年の『大人は判ってくれない』を一足先に観させていただいた(↑の画像はその一場面)。
トリフォーの長編処女作であり自身の子供の頃の体験を反映した不朽の名作なわけだが、
評価が定まっている作品をでかいスクリーンで観て静かに震えるのもいいもんである。
数年ぶり十数年ぶり数十年ぶりにあらためてマスターピースを観るとまた違った感動に浸れると今回思ったしだい。
教師にも親にも見放された不良少年と呼ぶにはキュート&純な推定12歳前後の男の子の名演ぶりや
一種のアダルト・チルドレンと言える精神的な児童虐待も描き込まれた脚本もさることながら、
やはり映像そのものに持っていかれる。
最近多いカメラの“踏み込み”が足らない映画とは違い、
ぐいぐい対象に迫っている映像の迫力と詩情が静謐にもかかわらず雄弁なのだ。
しかもフレーム内に捕えられた人物や事物のすべてに存在の必然性があり、
こだわりを持って映し出されるがゆえに人や物のひとつひとつが味わい深く、
どのシーンも名場面で“絵になる”シーンの連発という恐るべき作品である。

“これぞフランス!”“これぞ映画!”とヒザを打ちたくなるイベントになるだろう。


★映画“没後30年フランソワ・トリフォー映画祭”
東京・角川シネマ有楽町[10月11日(土)~10月31日(金)]をはじめ、
以降全国順次ロードショー。
東京では全23作品が上映されるが、
劇場によって上映作品が多少異なるので↓でチェックしてみていただきたい。
http://mermaidfilms.co.jp/truffaut30/


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コメント

こんにちは.

静かに震えるのも納得の映画だと思います.
自分はとくにラストの海辺のシーンがとても印象深いです.
ケン・ローチやホウ・シャオシェンが自分たちの映画で
オマージュしているのを観ると,胸がざわつきます.

実はトリュフォーは苦手な監督なのですが,
自分には,ハッとさせられることが多い映画です.
放置じゃないかと思うほどの,大人と子供の
自立のさせ方とか,というか,
どちらも対等な人間だということでしょうか.

ゴダールの新作もはよ観たいなーと思うこのごろです,
では!

ss2gさん、書き込みありがとうございます。
やはりラスト・シーンが特に深いですよね。こういう映画を観ると、わざとらしい衝撃の作品や押しつけがましい感動の作品が子供っぽくて耐えがたくなりますし(そういうのは音楽にも言えます)。自立・・・確かに・・・映画の中である意味子供が自立しているのが、何よりその象徴です。
時代関係なく響いてきますね。少年にとっては敵みたいな両親や教師もユーモアありますし、陰湿に仕上げられてないところもありがたいです。
苦手だけどハッとさせられることが多い・・・・そういうのは映画に限らず音楽、人間関係など普遍的に言えそうですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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