なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

OVERMARS『Born Again』

detail-overmars-bornagain.gif


フランスの“ドゥーム/スラッジコア・バンド”のセカンド・アルバムに数えられる97年の作品が、
アートワークを変えて数ヶ月前に再発されている。

終始スローな約40分1曲入りとはいえドラマチックに進めるから、
ある程度こういうバンドを聴き慣れた方であれば拷問ではないとは思う。
逆に言えば普段ポピュラーな音楽に親しんでいる方も入っていきやすい気もするが、
ポスト・ロックの香りはゼロだから、
多少なりとも覚悟は必要な煉獄のヘヴィ・ロックである。
なぜならば本気だから。

序盤は陰鬱極まりなき重いサウンドのうねりだから比較的初期のCORRUPTEDも想起するが、
灰野敬二のようなリフレインで曲を進めていき、
90年代のNEUROSISにも近いメロディと構成力で持っていく。
自己完結な次元で甘えぬ楽曲の練り方が素晴らしい。
こういったバランス感覚は西欧のバンドならではだろう。
スピーカーから鳴らすと空気が揺れる音圧ながらもデリケイトなサウンドの粒が、
終末から再生へと推移していく鮮やかな音像を編む。
ダークな中から外に向けた確かな光も見えてくる。

男性と女性が太い声とクリーン・ヴォイスを絡めていくが、
パンク的な芝居っ気はなくて英語の言葉をカラダの芯から放っている。
適度な粒子の荒れ具合も功を奏したジャケットの生々しさと共振して、
祈りも感じさせる佳作だ。


●OVERMARS『Born Again』(CRUCIAL BLAST CBR77)CD
デジパック仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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