なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

TALKING HEADS『The Boston Tea Party 1979 Broadcasts』

TALKING HEADS


ニューヨーク・シティ出身のポスト・パンク・バンドによるタイトルどおりのライヴ盤。

別ジャケット/別タイトルで同内容と思しきCDもちょっと前に発売されているみたいで、
セミ・オフィシャル・リリースと思しき“灰色盤”ならではの事態と言える。
このCDの方は79年8月24日のライヴの15曲に
(FM放送用のレコーディングだから音質良好だしパフォーマンスの中身も極上)、
79年2月10日のオンエア用のライヴが2曲オマケの約78分17曲入りである。

個人的には見逃して後悔したライヴの上位に、
この時期に行なったTALKING HEADSの初来日公演がくる。
ちょっと検索したらそのライヴは『Fear Of Music』リリース2週間前だったらしく、
セットリストも本作に近かったようだ。


音楽史的にはアフロ・ビートと深く交わった4作目の『Remain In Light』(80年)が
重要作とされるバンドだが、
その一歩手前で踏みとどまって潔いサードの『Fear Of Music』(79年)の方が僕にとっては大切だし、
TALKING HEADSがTALKING HEADSらしいヘタレ具合をキープしているピークのアルバムだ。
その『Fear Of Music』のリリース3週間後のライヴで、
そこから8曲披露している。

まだ女性ロック演奏者が珍しかった時代にブイブイ音で言わせていたティナ・ウェィマス(b)と
彼女の夫になるクリス・フランツ(ds)のリズム隊はけっこう肉体的だし、
デイヴィッド・バーン(vo、g)とジェリー・ハリソン(g、kbd)も好調だ。
ファンクをはじめとするブラック・ミュージックに入れ込みながら
結局ほとんどのバンドが“ポスト・パンク横丁”の中で自縄自縛していた、
同時代の英国勢とはスケールの大きさがこの時点で別物だ。
ブライアン・イーノのプロデュースのクールなアルバムとは一味違って熱を帯びている。

“もの言うオツム”という意味にも解釈できるバンド名だが、
同時代のUK産ポスト・パンクと違って頭デッカチではなく、
けっこうワイルド(wildという言葉本来の意味において)だった。
ヴォーカルもしっかり発声している。
70年代のニューヨーク・パンク・ムーヴメントから出てきた多くの歌い手と同じく、
TALKING HEADSもパンクによくあるわざとらしい歌い方をしてなかった。
だから意外と力強く意外とまっすぐに響いてくるライヴなのである。


★TALKING HEADS『The Boston Tea Party 1979 Broadcasts』(SONIC BOOM SON0304)CD
スリップケース付。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1350-84d0c260

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (289)
映画 (244)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (42)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (407)
EXTREME METAL (128)
UNDERGROUND? (93)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (120)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (82)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん