IRON REAGAN『The Tyranny Of Will』
2014-11-01

MUNICIPAL WASTEのトニー・フォレスタ(vo)とランドフィル・ホール(b)や
DARKEST HOURの屋台骨を長年支えたライアン・パリッシュ(ds)を擁し、
米国東海岸ヴァージニア州リッチモンドを拠点とする
ハードコア・パンク/スラッシュ・メタルのクロスオーヴァー・バンドの1年ぶりの強力セカンド・アルバム。
まず25曲も入っているのに通して聴いても飽きないだれないアクビも出ないのが驚異だ。
ツボ突きまくりなのである。
カート・バルー(CONVERGE)が行なったミックスも功を奏している。
カートが録音も手掛けると“プロデュース”してなくても彼のクリーンな個性が音の色に出る傾向もあるが、
本作ではミックスのみを担当し、
各パートを絶妙のバランスで混ぜてIRON REAGANのブッ飛んだキャラをまとめ上げ、
見事に作品化していてグッド・ジョブ!である。
どのパートもパーカッシヴでアタック感が抜群だからこっちの肝っ玉を打ちまくるのだ。
音が太くて歯切れはイイし、
言い訳も能書きも問答も無用なんである。
そんでもって何しろソングライティングの妙味に痺れる。
SSDやDYSあたりの初期ボストン・ハードコア勢に加え、
英国のHERESYやRIPCORDあたりのフックを設けてフェイントを隠し持つセンスを忍ばせている。
適度にタメを効かせ、
ニューヨーク・ハードコア風味のタフなコーラス・パートと
MINOR THREAT直系のチャラいコーラ・パートも絡ませる。
5人のメンバーのうち2人が在籍するからMUNICIPAL WASTEを思わせるところもあるが、
歌詞もひっくるめてもっとハードコア・パンク寄り。
それでいて2本のギターがちょろちょろ繰り出す簡潔なハード・ロックなソロも渋い。
こういう音楽に対してすぐマッチョ!とか言うスノッブやインテリがいるが、
そんな単細胞連中をも非筋肉質でタイトなライアン・パリッシュのビートが目を覚まさせる。
手も足も加速度も止まらない超絶ドラムが健在で、
彼特有のハッパ臭いラフ&緻密なリズム感で失禁失神エクスタシーもんである。
なんもかも馬鹿馬鹿しくなったらこれを聴くがいい。
でなくてもこれを聴くがいい。
まさにグレイト。
★アイアン・レーガン『ザ・タイラニー・オブ・ウィル』(リラプス・ジャパン YSCY-1287)CD
20ページのブックレット封入で日本版は歌詞の和訳付。
約33分25曲入り。
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1361-f16ae368